バルテリ・ボッタス更迭説を否定 キャデラックF1は全面支持を継続

2026年シーズンからF1に参戦したキャデラックは、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスという経験豊富なラインナップを起用した。だがカナダGPではペレスが明確に優位なペースを見せた一方で、ボッタスは苦戦。
これをきっかけに「ボッタスがシートを失う可能性がある」との憶測が広がった。
ボッタス更迭説は“完全な作り話”との見方
PlanetF1によると、キャデラック内部に近い関係者は、ボッタス更迭説について「完全な捏造」と強く否定している。
実際、状況に詳しいある情報筋は、この噂の捏造ぶりについて、小松礼雄がエステバン・オコンに関する誤報を流した情報源に激しく反論した際の騒動になぞらえ、「それと同じレベルだ」と語ったという。
チームはボッタスの経験を高く評価しており、新規参戦チームであるキャデラックがここまで安定した運営を実現できている背景には、ボッタスとペレスの存在が大きいという。
実際、キャデラックはまだ無得点ながらも、同じく苦戦するアストンマーティンに匹敵する競争力を示している。チーム側は短期的な結果だけでドライバーを評価する段階ではないと考えているようだ。
ボッタス自身もカナダGP後にマシンの問題を明かしている。
「今週末はセットアップ面でいくつか問題があった」
「セッションごとにマシンの状態がかなり違っていたし、今日も修正できなかった部分があった。クルマは100%の状態ではなかった」
「まだ十分な自信を持てる状態ではないが、自分のクルマが100%ではなかったことも分かっている」
コルトン・ハータ起用説の最大の障害
今回の噂では、キャデラックのリザーブドライバーであるコルトン・ハータがボッタスの後任候補として名前を挙げられた。
しかし、このシナリオには大きな問題がある。
ハータは現在FIAスーパーライセンスを保有していない。
FIA規則ではF1参戦に必要なスーパーライセンス取得のため、過去3年間で40ポイントを獲得する必要がある。
ハータは2025年限りでインディカーを離れ、F1参戦を目指してF2へ転向したが、現時点ではランキング12位に留まっている。F2では上位8位以内に入らなければ十分なポイントを獲得できないため、現状では2027年のF1参戦資格すら確定していない。
一方で、FP1走行を通じて追加ポイントを獲得する方法は残されており、キャデラックが今季中にハータへフリー走行の機会を与える可能性はある。
ただし、現段階でシーズン途中にハータがボッタスの代役としてF1デビューすることは現実的ではない。
代役候補なら周冠宇が有力
仮にドライバー交代が必要になった場合、現実的な候補として挙げられているのは周冠宇だ。
周冠宇はFIAスーパーライセンスを保持しており、チーム代表のグレアム・ロードンがマネジメントを担当していることでも知られる。
ロードンは以前から周冠宇について高く評価しており、ドライバーに問題が発生した場合には即座に起用できる体制が整っている。
また、周冠宇は今後バルセロナで行われるピレリタイヤテストへの参加も予定している。
キャデラックが求めるのは速さよりも経験
今回の噂が現実味に欠ける最大の理由は、そもそもキャデラックがボッタスとペレスを起用した目的にある。
新規参戦チームにとって最も重要なのは、ポイント獲得よりも走行距離を積み重ね、組織として学習することだ。
チーム代表のグレアム・ロードンは、マイアミGPの時点で「すべてが新しいチーム」であることを繰り返し強調していた。
マシン開発、部品調達、製造、レース運営、戦略判断など、あらゆるプロセスがゼロから構築されているため、ドライバー個人のパフォーマンス差だけで評価する段階にはないという。
実際、カナダGPではペレス車にサスペンション破損が発生しており、チーム側もアップデートや部品の信頼性評価を続けている最中だ。
ロードンはチームの現状について次のように説明している。
「新しいチームにとってはより難しい。すべてのプロセスが新しく、何もかもが真新しい状態だからだ」
「だがチームには経験豊富なエンジニアがいる。チャンピオンシップを勝った経験を持つ人材も多い」
「チーム内の雰囲気は非常に良い。困難な状況でもネガティブにならず、むしろ挑戦を楽しんでいる人間が多い」
2027年もボッタス残留が有力か
さらにPlanetF1によれば、ボッタスとペレスの契約は単年契約ではないとみられている。
両者とも複数年オプションを含む契約を結んでいるとされ、少なくとも現時点でボッタスの2027年シートが脅かされている状況ではない。
ペレスの好調なパフォーマンスが他チームの関心を集めている一方で、ボッタスについてもキャデラック側は長期的な戦力として位置付けているという。
少なくとも現段階では、「ボッタス更迭」「ハータ昇格」といった話は根拠に乏しく、キャデラックは経験豊富な2人のドライバーとともに、チーム基盤の構築を優先しているようだ。
カテゴリー: F1 / バルテリ・ボッタス / キャデラックF1チーム
