F1
中国・武漢で新型コロナウイルスの感染者や死者が増加する中、感染者は4~5月ごろにピークを迎えるとの見解が示されており、同期間に開催されるF1中国GPの中止が現実味を帯びてきている。

中国政府は1月30日(木)、肺炎の死者は170人になったと発表。中国政府の集計によると、患者は1737人増え7711人(うち1370人が重症)。チベット自治区でも初めての患者が確認され、感染は中国全土に拡大した。

香港大の梁卓偉・医学院長は、新型コロナウイルスによる肺炎の発症者について武漢市だけで2万5000人を超え、潜伏期の感染者も含めると約4万4000人に上る可能性があるとする試算結果を発表。今後、感染者は重慶や北京、上海、広州などで急増した後、4、5月ごろにピークを迎え、6月ごろから減少するとの見方を示した。試算結果を世界保健機関(WHO)に報告するとしている。

この試算が正しければ、4月17日~19日に開催が予定されているF1中国GPは、新型コロナウイルスの拡大がピークの時期に開催されることになる。ウイルスの震源地である武漢は、F1中国GPが開催される上海からわずか800kmの距離にある。

日本やアメリカ、欧州連合(EU)、オーストラリア、韓国などはすでに、市民の帰還に乗り出している。多くのF1チームが拠点を構えるイギリスでの外務省は、中国本土全体での“最も重要なな旅行以外のすべて”を取りやめるよう勧告。大手航空会社ブリティッシュ・エアウェイズは中国本土とイギリスを結ぶ全ての直行便を当面の間、運休すると発表している。

F1とFIA(国際自動車連盟)は、新型コロナウイルスの大流行を取り巻く悪化する状況を“監視”し続けていると語る。

F1は「中国での状況の進展を受け、また外務省からの公式なアドバイスに照らして、我々は現地のFIAとプロモーターと密接に中国の状況を監視し続けていく」と声明で述べた。

また、FIAは「我々は、F1、プロモーター、および我々の中国の管轄であるASNと緊密に協力して状況を監視しています」と述べた。

「この段階では、関係当局が勧告を行った場合、状況を監視し、必要に応じて対応する以外にできることはあまりない」

フォーミュラEは3月末に中国三亜で開催される予定だが、主催者はこのイベントは現在“まだ進行中”と述べている。

「現在の健康上の懸念を考慮して、我々は日々の状況を注意深く監視し続けています」とフォーミュラEは声明は付け加えた。

F1はまだ新型コロナウイルスに関する声明を発表していはいないが、50億円にも上るとされる開催料を失いたくないと考えるはずだ。だが、2020年のF1世界選手権は史上最多の22戦で開催されるタイトなスケジュールとなっており、日程変更は厳しいと考えられている。

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カテゴリー: F1 / F1中国GP