2026年F1カナダGP:ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット&タイヤ戦略解説

ピレリは今回、レンジの中で最も柔らかい3種類を持ち込む。C3がハード、C4がミディアム、C5がソフトに指定され、スプリントと決勝で異なる戦略判断が求められる週末になりそうだ。
再舗装後の低摩耗路面と急速なトラックエボリューション
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは2024年に再舗装されており、路面は滑らかで摩耗性が低い。普段はF1開催週末以外にモーターレーシングで使用されないため、3日間を通じて路面状態は大きく変化し、各セッション内でもグリップが急速に向上していく。
昨年は決勝日までグレイニングがタイヤに影響を与えたが、今年の新しいタイヤではその現象はより限定的になると見られている。路面コンディションの改善が進めば、金曜日の段階でグレイニングが解消される可能性もある。

ストップ&ゴー特性がブレーキングとトラクションを左右
全長4.361kmのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、14のコーナーと複数のストレートで構成される。最大の特徴はストップ&ゴー型のレイアウトであり、強いブレーキング時の安定性と、コーナー出口での最大限のトラクション性能が重要になる。
実質的には市街地サーキットに近い性格を持つ一方で、オーバーテイクの機会もある。特に最終シケインへ向かうストレートエンドは勝負どころであり、その直前には1999年にデイモン・ヒル、ミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴが相次いでクラッシュしたことで知られる「ウォール・オブ・チャンピオンズ」が待ち構える。
ソフトはスプリント向き 決勝は保守的な選択か
モントリオールでは例年通り、天候も重要な要素となる。雨の可能性だけでなく、開催時期の変更により気温が通常より低くなる可能性があり、特に予選ではタイヤを適正作動温度まで引き上げる方法が大きな課題となる。
3種類の中で最もウォームアップ性能に優れるのはソフトであり、1周のグリップでは最適な選択肢となる。そのため土曜日のスプリントでは有力な候補になり得るが、日曜日のグランプリではチームがより保守的なアプローチを取り、ハードとミディアムを中心に組み立てる可能性がある。
マイアミで見られたように、決勝ではチームが慎重な選択を好む傾向がある。カナダGPでも今年は1ストップ戦略が再び優先される可能性がある。

2025年は2ストップが最速 ハードが最も競争力を発揮
2025年のカナダGPでは、1ストップを選んだのは主にグリッド後方からスタートしたドライバーに限られ、2ストップ戦略の方が速い結果となった。
スタート時点ではミディアムとハードの選択がほぼ半々に分かれたが、最も競争力を発揮したのはハードだった。一方、ミディアムは初日より気温が高かった影響をやや受けた。終盤のニュートラライゼーション時には、4人のドライバーが最後のスプリントに向けてソフトを装着している。
カナダGPは通算55回目 モントリオール開催は45回目
今年のカナダGPは通算55回目の開催となる。現在のジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでの開催は45回目であり、初期の大会はトロント近郊のモントランブランとモスポートパークで行われていた。
最多勝はルイス・ハミルトンとミハエル・シューマッハの7勝で、ポールポジション記録も両者が6回で並んでいる。コンストラクターではマクラーレンが13勝で最多、フェラーリが12勝で続く。
また、カナダGPはF1史上最長レースの記録も保持している。豪雨で中断された2011年のレースはジェンソン・バトンが制し、レース時間は4時間4分39秒に及んだ。この記録は、レギュレーションが変更されない限り破られることはない。
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