2026年F1カナダGP決勝 22人のドライバーが語る明暗「勝者と敗者の本音」

アンドレア・キミ・アントネッリが4連勝を達成し、ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンが表彰台を獲得。一方でジョージ・ラッセル、ランド・ノリス、フェルナンド・アロンソら有力勢がリタイアに終わった。
各チームとドライバーは、低温と不安定なコンディションに苦しみながらも、それぞれ異なる課題と収穫を持ち帰った。レース後には、勝者の歓喜から戦略ミスへの反省、マシントラブルへの悔しさまで、多くのコメントが語られている。
1位:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
「まず最初に、ジョージには本当に気の毒だった。彼はレースをリードしていたし、本当に強かった。僕たちは最初のスティントで素晴らしいバトルをしていて、ペースもとても接近していた。きっとレース最後まで続いていたと思うし、それを最後まで続けられなかったのは残念だ。僕たちにとって簡単なレースではなかった。風は非常にトリッキーで、低温コンディションのなかでタイヤを機能させるのが難しかった。特に序盤は何度かロックアップもあったが、幸いにもコース上に留まり、トップでチェッカーを受けることができた。もちろん、こういう形で勝ちたいわけではないが、この結果は受け取る。これからヨーロッパラウンドが始まり、シャットダウン前まで8週間で6レースが続く。厳しい期間になるが、僕たちはそれを楽しみにしている」
2位:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
「僕にとって本当にポジティブな週末だった。プラクティス最初のラップからクルマと一体感があったし、予選では少しうまくいかなかった部分もあったが、ペースは確実にあった。今日の結果は、ここサーキットとファクトリーの両方で積み重ねてきた仕事の成果だ。関わってくれたすべての人に大きな“グラツィエ”を伝えたい。チームが初日から僕を支え、歓迎してくれたことにも本当に感謝している。それは僕にとって大きな意味がある。こうして大量ポイントを持ち帰れたことは重要だし、今後につながるポジティブな要素もたくさんある。マックスとのバトルは激しく、そして楽しかった。それこそが僕たちがレースをする理由だし、僕たちが進歩していることも示している。マイアミで投入したアップグレードはうまく機能しているし、この流れをさらに築きながら前進を続けていきたい」
3位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
「再び表彰台に戻ってこられてうれしい。少し驚きでもあったが、僕たちは正しい判断をしたし、やれることはすべてやり切った。ソフトタイヤでの最初のスティントはとても良く、そのおかげで必要なギャップを築くことができた。ミディアムタイヤはもう少し難しく、温度管理に加えてVSCの出入りもあり、さらに厳しかった。終盤のルイスとのバトルは楽しかったし、ポジションを取り返そうとハードにプッシュした。ここ2戦で僕たちはかなり近づいてきているし、前向きな前進も見えている。それに、自分たちのパワートレインで初めての表彰台でもあり、チームにとって大きな節目だ。ここまで到達するために尽力した全員に賛辞を送りたい」
4位:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
「僕にとって難しい週末だった。FPの時点からクルマに正しい感触を得られず、タイヤを適切なウインドウに入れることにも苦労していた。一方でルイスは同じクルマで素晴らしい週末を過ごしていたので、彼のデータを見て、何が違ったのか理解する必要がある。次は母国レースのモナコだ。あの場所で走るのを楽しみにしているし、僕たちのクルマがあのコースでアドバンテージを発揮してくれることを願っている」
5位:アイザック・ハジャー(レッドブル)
「スタートは非常に良かったが、レースではペースにかなり苦しんだ。クルマはとても速かったが、昨日よりもドライブが難しく感じていて、自分が望むほどプッシュできなかった。4位を獲得できた可能性もあったと思うが、最終的には5位で終えることになった。週末を通してクルマ全体のパフォーマンスは非常にポジティブだった。マイアミから大きく前進したし、その力を最大限に引き出せたと思う。モナコでもこの勢いを維持できることを願っている」
6位:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
「週末のスタート時点から考えると、チームとしてダブル入賞を果たせたのは素晴らしい結果であり、ハードワークを続けてきたチーム全員への最高のご褒美だと思う。僕たち全員が一丸となって取り組んできたことを誇りに思うし、今日は本当に素晴らしいチーム結果になった。それに、自分自身にとってもF1でのベストリザルトになったのでとてもうれしいし、マイアミで見せたパフォーマンスをさらに積み上げることができた。もちろん、他のドライバーたちの不運によって恩恵を受けた部分があることは分かっているし、それは決して気持ちの良いものではないが、僕たちはできることをすべて最大化し、クルマをしっかり持ち帰った。今日は全体的にグリップが非常に低く滑りやすかった。特にスタート直後の数周は周囲より硬いタイヤだったこともあり難しかった。ピットアウト時には濡れた部分に乗って白線にも触れてしまい、壁に向かって流される怖い瞬間もあった。ただ、幸いにも壁には横向きで当たり、小さなダメージだけで済んだので修理も不要だったし、パフォーマンスにも影響はなかった。僕たちにはまだやるべきことがたくさんあり、もっと競争力を高めて、純粋な速さで前のチームたちに近づかなければならない」
7位:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
「週末の難しいスタートを考えれば、7位フィニッシュは間違いなく良い結果だし、チームにポイントを持ち帰ることができてうれしい。全体的に簡単なレースではなかった。スタート位置から順位を上げることはできたが、クルマのバランスには苦しみ続けていたし、レース全体を通して少しスピードも不足していた。最大の課題はタイヤ温度を適切に維持することで、全開ラップの時しかうまく機能させられなかった。今日はアルピーヌ勢の方が速く、終盤ソフトタイヤを履いた僕に対してピエールは簡単には諦めなかったので、このポジションを守り切れたことをうれしく思う。数週間後のモナコで再びレースをするのが楽しみだし、ヨーロッパラウンド開幕に向けて期待している」
8位:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
「全体として、本当に良いチーム結果だったし、選手権に向けても大きなポイントになった。僕自身としては、ここまで難しい週末だったなかでダメージを最小限に抑え、8位でポイント圏内に入れた結果だったと思う。ただ全体的には、今回もクルマに苦しんでいたし、チームとしてその理由を確認し、いくつかの問題を解決していく必要がある。クルマを再び良い状態に戻すためには、まだ多くの作業が待っているし、それがモナコまでの目標になる。今日のレースに関しては、ミディアムタイヤでのスタートが厳しく、序盤はかなり冷えていてグリップも低かった。ただ終盤には順位を取り戻し、最後はリアムとのバトルに持ち込めた。追い抜く場所を見つけるのが本当に難しく、結局前に出られなかったので、8位で満足するしかなかった。今はモナコが楽しみだ。1年の中で一番好きな場所なので、こうした制限を改善し、もっと自信とパフォーマンスを持って臨めることを願っている」
9位:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
「今日は複雑な気持ちだ。こういうコンディションで走るのはいつも好きだし、自分はクルマからすべてを引き出せる感覚がある。15番手スタートだったので、インターミディエイトでギャンブルする価値はあると思っていたし、コンディションも少し不安定だった。追加のフォーメーションラップは助けにならなかったし、残念ながら今日はその判断が明確に裏目に出た。ただ、ミディアムに履き替えてからの第2スティントは本当に強力で、時にはミッドフィールド最速だった。良いリカバリーはできたが、前の3台と戦えたら面白かったと思う。とはいえ、チームにまたポイントを持ち帰れたので、その点はうれしい。最終的には、コンスタントにトップ8争いをするにはまだペースが必要だが、レースごとに良い流れを築けている」
10位:オリバー・ベアマン(ハース)
「今日のパフォーマンスを考えると、僕たちがポイントに値したかどうかは分からないが、受け取るよ。逆に、十分に値する走りをしても何も得られなかった週末もあったからね。全体的に見れば、僕たちにとって本当に難しい週末だったが、それでもポイントを獲れたのは良かった。もっと上を狙えたと思うが、ピットストップが遅かったので、その理由を理解する必要がある。今日は非常に滑りやすく難しいコンディションだったし、1周目に役立つと思ってユーズドソフトでスタートすることを選んだ。ただ、結局フォーメーションラップが3周追加されたので、その恩恵があったかは分からない。大きな笑顔で帰れるわけではないが、モナコで強く戻ってくるまで1週間ある」
11位:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
「僕たちが望んでいたような1日ではなかった。国歌斉唱からクルマに乗り込むまでの間に路面がかなり濡れていたので、インターミディエイトでスタートすることを決めたが、最終的には間違った判断だった。その後、アルボンとの接触でダメージを負ってしまった。彼とウィリアムズには謝りたい。その後は追い上げるためにできることをやったが、今日は本当に難しかった。それでも、この週末から得られるポジティブな部分はある。いくつかの面で前進できた感触はあるし、メルセデスとの差を縮める意味でも一歩前進した。今はリセットして振り返り、モナコへ向けて集中したい」

12位:ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
「僕たちにとっては厳しいレースだった。振り返れば、スタート時のコンディションは僕たちの予想とは違う方向に進んでいた。当時持っていた情報を考えればリスクを取る価値はあったが、結局序盤は思ったように展開せず、かなり早い段階で苦しい状況に追い込まれた。その後も、自分たちが望んでいたような回復ペースはなかった。周囲のライバルたちはもっと早く前に進んでいたので、そこには理解し改善しなければならない点がある。全体として、多くを振り返る必要のある厳しい週末だった。すべてをしっかり分析し、そこから学びを得てモナコへ向かいたい」
13位:ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
「僕たちにとっては長いレースだった。インターミディエイトタイヤでスタートしたのは、それがうまくいく可能性があると感じていたからだが、雨はすぐに止んでしまい、その判断が結果的に不利になった。追加ピットストップによって争いから脱落し、その後は自分たちのペースを管理するレースになった。それでもポジティブな点として、2台とも完走し、チームにとって重要なデータを集められたことは良かった。もちろん少し残念ではある。クリーンな週末と普通のレース展開なら、今日はポイント獲得も可能だったと思う。でも、それがレースだ。今はモナコに集中している」
14位:エステバン・オコン(ハース)
「控えめに言っても厳しかった。ブレーキング時に何かがうまく機能しておらず、ずっとロックアップしていたので、そこを掘り下げる必要がある。予選後にクルマを新しいアップデート仕様へ変更したので、まともに走れたラップは2周だけだった。でも、チームとしてすべてを持ち帰って分析していく」
15位:ランス・ストロール(アストンマーティン)
「モントリオールでは難しい週末になった。必要な温度をタイヤに入れることができず、レースを通してずっとグリップ不足に苦しんでいた。ストレートでも必要なペースがなかった。クルマのパフォーマンスは僕たちが求めているレベルにはなく、そこへ到達するためにはまだ多くの作業が必要だ」
16位:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
「長くて厳しい1日だった。バランスに本当に苦しんだ。レースを通してオーバーステアをまったく改善できず、それが最大の問題だったし、調査する必要がある。結果だけを見ると、進歩があまり見えないこともあるかもしれないが、改善しているのはクルマのペースだけではない。僕たちはあらゆる面で前進を続けている。少しずつだが確実に前へ進んでいるし、時間がかかることは最初から分かっていた。次のレースは2週間後なので、さらに一歩前進できることを願っている」
DNF:セルジオ・ペレス(キャデラック)
「順調だったよ。もちろんスタート時のインターミディエイト選択は間違っていたが、どちらへ行くかは50対50だった。そこから挽回して争いに加わり、エステバンと戦い、ハースを抜いた後は良いペースもあった。だが残念ながらサスペンションにトラブルが起きてリタイアせざるを得なかった。それでも、この週末はシーズン開幕以来もっとも競争力のある週末だったし、大きな前進を果たせた。ポジティブな要素はたくさんある。あとはオペレーション面を整理し、進歩を結果につなげていくだけだ」
DNF:ランド・ノリス(マクラーレン)
「今日は厳しかった。グリッド上でまだ小雨が降っていたのでインターミディエイトでスタートする決断をしたが、スタート自体は素晴らしかったものの、雨が弱まり、その選択は最初の1周以降は間違いになってしまった。これがレースだ。そういう判断がレースを勝たせることもあれば、逆の結果になることもあるし、その決断については自分にも責任がある。さらに序盤に複数回のピットストップが必要になり、最後はメカニカルトラブルでリタイアとなった。低温コンディションのなかでフロントタイヤを温められず、クルマを扱うのが難しかったが、それでもポイント争いはできていたと思う。それでも週末から得られるポジティブな部分はたくさんある。僕たちのペースは強力だったし、メルセデスとも戦えた。ファンからのサポートも素晴らしかった。トラブルの原因を調査し、低温時のタイヤウォームアップ改善に取り組み、さらに強くなって戻ってくる。今日の判断から学び、次はその速さをクリーンなフィニッシュとポイントにつなげたい」
DNF:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
「今日リタイアに終わったとしても、自分の週末には誇りを持っている。スプリントでポールを獲得し、そのレースにも勝ち、グランプリでもポールを獲得した。そして、リタイアの原因となったPUトラブルが起きるまではレースをリードしていた。今週末、自分にできた以上のことはなかったと思っているし、それが今後のシーズンに向けて自信を与えてくれる。もちろん、こういう形でカナダGPを終えるのは痛いが、自分のベストを尽くせたという満足感を持ってここを去る。30周目までは本当にレースを楽しんでいた。キミとのバトルは最高だったし、きっと彼も同じだったと思う。まるでカート時代に戻ったような感覚で、ホイール・トゥ・ホイールで戦い、何度もリードを入れ替えた。見ていたみんなにも、僕が楽しんだのと同じくらい楽しんでもらえていたらうれしい。ただ、あの戦いを最後まで続けたかった」
DNF:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
「良いスタートを切れたし、トップ10争いができていた。ソフトタイヤでスタートしたのは正しい判断だったと思う。何人かはインターミディエイトを選んで早めにピットインせざるを得なかったからね。残念ながらレース中にシートの問題が発生し、それでリタイアを決めた。マイアミと同じパッケージだったが、ここではもう少し速さがあったように感じる。パフォーマンス向上はサマーブレイク前後のアップグレードを待つ必要があるが、それまではこのパッケージを最適化し続けたい」
DNF:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
「今週末は全体的についていなかった。今日もまた不運だった。オスカーに悪感情はないし、彼がオーバーテイクを少し見誤っただけだと思う。こういうことは起きるし、それがレースだ。レース序盤のペースは良かったし、クルマにも良い感触があった。アルピーヌ勢と争い、十分ポイント圏内にいたと思う。結局のところ、今季は走行時間が不足しているし、自分としてもリズムに乗ってスムーズな週末を過ごす必要がある。それはいずれ来るはずだ。モナコは通常僕たちに合うコースだし、ドライバーとしての自分にも合っているので、リセットしてチームとしてさらに強く戻ってくるのを楽しみにしている」
DNS:アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
「今日はフォーメーションラップ開始時にクラッチの問題が発生し、レースに参加することができなかった。ミックスコンディションで走るのを本当に楽しみにしていたので、そのチャンスを失ったのはもちろん残念だ。それまでは本当にポジティブな週末だっただけに悔しい。チームは週末を通して完璧に仕事をしてくれたし、持ち込んだアップグレードもうまく機能していたので、結果を持ち帰れなかったのはフラストレーションが残る。それでも次戦へ向けて持ち帰れるポジティブな要素はたくさんあるし、自信も十分ある。モナコで初めてF1マシンを走らせるのを今から楽しみにしている」
カテゴリー: F1 / F1カナダGP / F1ドライバー
