キミ・アントネッリ F1モナコGP優勝「赤旗後は再スタートしたくなかった」

終盤にはセーフティカーと赤旗によって築いたリードが消える展開となったが、再スタートでも首位を守り切り、伝統のモンテカルロで完璧な週末を締めくくった。
予選では劇的なポールポジションを獲得し、決勝ではスタートからレースを支配。ルイス・ハミルトン(フェラーリ)やシャルル・ルクレール(フェラーリ)に付け入る隙を与えず、圧倒的なペースでリードを広げた。終盤の赤旗再開ではハミルトンが隣に並ぶ状況となったが、それでも冷静に首位を守り抜き、モナコ初制覇を達成した。
これでアントネッリはドライバーズランキング首位をさらに固め、ハミルトンとのポイント差を66点に拡大した。レース後、アントネッリは週末を通じて感じていたマシンへの自信や、赤旗後の再スタートでの心境を振り返った。
「本当に素晴らしい週末だった。素晴らしいレースだった。今日は信じられないほどペースがあって、すべてが自然に噛み合っていた。マシンのフィーリングは素晴らしくて、プッシュする自信を与えてくれた。だから本当に楽しい一日だった」とアントネッリは語った。
FIA記者会見では、今回投入されたリアウイングと金曜日から土曜日にかけての改善が大きな効果をもたらしたと説明した。
「本当にうれしい。とても力強い週末だった。まず新しいリアウイングについてチームは素晴らしい仕事をしてくれたし、金曜日から土曜日にかけての立て直しも素晴らしかった。マシンは大きく変わり、このコースでプッシュする自信を与えてくれた。だから本当に楽しむことができた」
「今日のペースには自分でも驚いた。でも今日は本当にマシンと一体になれていたし、高い強度で良いリズムを刻むことができた。マシンの反応も非常に良かった。確かに驚きはあったけど、すべてが噛み合う日というのはあるものだ」

終盤の赤旗については、レースを支配していた立場だけにフラストレーションもあったという。
「かなりイライラしていた。ルイスが隣に並ぶことになったからね。彼らのスタートがどれだけ良いか分かっていたので、『しまった』という感じだった。でも幸運にもスタートはうまくいった。彼はホイールスピンもしていたので、ターン1までの僕の仕事は少し楽になった。でも赤旗後に集中し直すのは簡単ではなかった」
今季序盤に課題となっていたスタートについても進歩を実感している。
「カナダはその点で大きな前進だった。まだ改善する余地はあるけどね。今日の最初のスタートの方が良かったと思う。2回目のスタートは完璧ではなかったけど、それでも確実に前進している」
赤旗中断中は冷静に気持ちを切り替えたという。
「正直なところ、再スタートはあまりしたくなかった。でも通知が出た瞬間に感情を整理して、考えをまとめて、再び集中した。データを見直してタイヤを適切な温度に持っていくことだけを考えた。そして発進した瞬間、ターン1までに首位を守れると確信した。その後は残りの数周を楽しんだ」
また、22年ぶりとなるイタリア人ドライバーのモナコ制覇について問われると、まだシーズンは終わっていないと気を引き締めた。
「仕事はまだ終わっていない。シーズンは長いし、僕たちはさらにプッシュし続けなければならない。基準をもっと高くしていかなければならないし、目標はこうしたパフォーマンスを続けることだ」
「チームは信じられない仕事をしている。素晴らしいマシンを与えてくれたし、家族やチームからも大きなサポートを受けている。今は本当に良い時間を過ごしている」
選手権では大きなリードを築いているが、アントネッリは慢心を見せない。
「もちろん素晴らしい状況だ。でもだからこそ、すべての機会を最大限に活かさなければならない。毎レース、毎セッションでベストを尽くす必要がある」
「週末ごとに新しい課題があるし、コースによって求められるものも違う。僕たちはただプッシュし続け、基準をさらに高め続けるだけだ。そして自分にできることを可能な限り最高の形で実行していきたい」
2026年シーズンの主役となりつつある19歳は、モナコという特別な舞台でも圧倒的な速さを示した。5連勝という結果だけでなく、セーフティカーや赤旗による混乱にも動じない冷静さは、すでにチャンピオンの風格すら感じさせる週末だった。
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