ブリヂストン 松崎淳
ブリヂストンは、ヘレス・サーキット(スペイン)で2月10日〜13日と2月17日〜20日の日程で2回のシーズン前テストを実施した。先週土曜日に終了した合計8日間に及ぶテストのほとんどでウェットタイヤとインターミディエイトタイヤを使用した。

最後の2日間は広範囲に及ぶドライ走行を行ったものの、それまではスペインにしては珍しく連日雨天に見舞われ、ブリヂストンが公式タイヤサプライヤーを務める2010年FIA・F1世界選手権に向けてチームのニューマシン開発は困難な状況が続いた。

このテストには2010年用ドライスペックタイヤの中からスーパーソフト以外の3種類のコンパウンドを用意したが、最も使用頻度が高かったのはウェットタイヤとインターミディエイトタイヤだった。こうした需要に応じるため、ブリヂストンは英国にある倉庫からウェット、インターミディエイト両タイヤセットを追加発送した。

ブリヂストンのポテンザF1タイヤは、 今週(2月25日〜28日)バルセロナで開催予定のテストに再び登場する。このテストでは、インターミディエイトとウェットタイヤに加えて、ドライ用コンパウンド4種類すべてを使用する予定である。

松崎淳 (ブリヂストン モータースポーツ アシスタント・テクニカルマネージャー)

ヘレスでは天候がどれほど大きな要因になりましたか?
「今回ヘレスで降った雨はこれまでで一番多かったと思います。木曜夜は道路が水没し、サーキットを離れることがほとんど不可能な状態でした。幸いそれ以後は雨が降らなかったので、金曜日と土曜日には大変貴重なドライ走行を行うことができました」

ウェットコンディション下のテストはどのような点が難しいのでしょうか?
ウェットコンディション時は、状況が常に不安定なため、変化が大きく、有効なデータを集めマシンを開発することが難しくなります。雨が降ると、サーキットに水がたまり、これが原因でラップタイムは遅くなります。コースが乾き始めたら、路面の改善、マシンへの変更、または別のタイヤを使用することなどによってラップタイムは速くなるでしょう。このような状況は誰にとっても難しいものです。またロジスティクス面についても、チームがこうした厳しい状況の中でも走行を続けられるよう私たちは追加のウェットタイヤとインターミディエイトタイヤを用意しなければなりませんでした。

ヘレスでウェットタイヤとインターミディエイトタイヤはどのように機能しましたか?
各チームがマシンに有効なドライセットアップの確認前に、こうしたタイヤを使用せざるを得なかったことが困難でした。ドライセットアップの確認は、ウェットセットアップを見つけやすくするために重要なことなのです。つまり、ウェット状態ではなく乾き始めた路面でこうしたタイヤを使用した時、特にインターミディエイトに様々な磨耗特性が見られたということです。インターミディエイトタイヤは、ドライパッチの出ているコース上、またはセットアップバランスがあまりよくないマシンで使用すると磨耗が進みます。今シーズンは搭載燃料が増えてマシンが重くなりますので、昨年と比べて磨耗の進み方も変わってくるでしょう。同様にヘレスは磨耗が進みやすいサーキットなので、私たちは、チームのマシン・セットアップの改良に伴い、またヘレスほどタイヤに厳しくないサーキットでは、パフォーマンスは向上すると予想しています。

ドライタイヤについては何がわかりましたか?
土曜日が唯一ドライコンディション下でテストを開始できた日で、1日を通じてほとんど雨も降りませんでした。つまり私たちはまだ限られたデータしか手元にない状態です。確かなことは、このコースで3種類のスペックいずれもウォームアップがよく、昨年のタイヤと比べて一定の進化が見られたことです。コンパウンドごとの違いを理解するにはまだ時間が必要です。ヘレスは特にリアタイヤに厳しいコースであり、現段階ではドライタイヤのパフォーマンスに満足しています。バルセロナでは天候がよくなるよう願っています。

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カテゴリー: F1 / ブリヂストン