ブリヂストン F1日本GP
ブリヂストンが、2009年の第15戦 F1日本GPの展望をタイヤサプライヤーの立場から語った。

F1日本GPが3年ぶりに鈴鹿サーキットで開催される(10月2日〜4日)。素晴らしいモータースポーツ施設である鈴鹿サーキットでは、ハード及びソフトコンパウンドのブリヂストンタイヤを使用する。

これまで2年間は富士山麓の富士スピードウェイで日本GPが開催されていた。現役の全チームがブリヂストンタイヤを装着して鈴鹿を走るのは、今回が初めてになる。

ハードとソフトの組み合わせは、今年のセパン、バルセロナ及びシルバーストンでも使用した。ここのところ連続したコンパウンドを組み合わせたレースが多かったが、今回は再び隣り合わないコンパウンド同士の組み合わせに戻る。

安川ひろし (株)ブリヂストン モータースポーツ推進室長
「ブリヂストンは日本企業ですから、私たちにとって母国でのグランプリは特に重要なものです。鈴鹿は、長年にわたり多くの素晴らしい戦いの舞台となってきたサーキットであり、再びこの地でレースができることもうれしく思います。このイベントには大勢のゲストとブリヂストンの社員が参加します。エキサイティングなレースが展開されるよう期待しています」

浜島裕英 (株)ブリヂストン MS・MCタイヤ開発本部長
――鈴鹿の課題は何か?
「私たちが最後に鈴鹿でレースをした2006年当時からこれまでの間に、F1ではいろいろな変化がありました。各チームは、最新スペックのマシンとタイヤを使って、このサーキットを理解するために懸命に仕事をしなければならないでしょう。鈴鹿でのレースは初めてという若手ドライバーも多く、皆楽しみにしています。コースは8の字型の独特な形状で、ヘアピンも高速コーナーもあるので、セットアップを決めるときも、またレース中も、考慮しなければならないことがたくさんあります」

――タイヤのパフォーマンスで主に考慮すべき点は何か?
「興味深いことに、コースの約半分で再舗装が施されています。東側の新しい路面はとても滑らかでグリップも大きくなっています。一方、西側の古い路面は東側の新しい路面よりもグリップが小さくなっています。これがパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、実際にF1マシンを走らせてみないとわかりませんが、考慮が必要なことは間違いないでしょう。このサーキットのレイアウトは車体の前後左右4つのコーナー全てに厳しいので、良好で包括的なセットアップを見つけることが必要になるでしょう。一番良いのは、タイヤから大きなトラクションとグリップを引き出すことが可能な、素早く向きを変えることのできるセットアップです」



浜島裕英のF1 日本GP 解説
コースの改修に伴い、東コースが再舗装されました。これはクルマのバランスに大きく影響するはずなので、チームがどうバランスを取ってくるのか、注目して欲しいと思います。特に雨が降ったりすると、その差は顕著になり、ドライバーには繊細なマシンコントロールが求められることになります。

3年ぶりの鈴鹿ですが、ここもバルセロナやシルバーストンと並んでタイヤにはきつい。私なら予選を2コーナーから3コーナーで観ますね。F1のパフォーマンスの凄さが見られます。メインストレートを下ってきてそんなスピードで止まれるの? というスピードでコーナーに入り、2コーナーから3コーナーを信じられない姿勢と速度で旋回していく。鳥肌が立つほど感動的です。1コーナーはオーバーテイクポイントのひとつでもあります。もうひとつはシケイン進入でしょう。

注目ドライバーはもちろん中嶋一貴クン。今年は思うように成績を残せていませんが、母国グランプリでいい走りを見せてほしいですね。タイヤを丁寧に使える技もあると思います。3年ぶりの鈴鹿、ワクワクします。初鈴鹿のハミルトン選手にも注目です。

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カテゴリー: F1 / ブリヂストン / F1日本GP