F1ハンガリーGP FP2:ノリス最速 角田裕毅9番手 フェルスタッペン14番手

セッションは現地時間17時、部分的に雲が広がる温暖なコンディションのもとで始まった。新舗装が施されたハンガロリンクに各車が一斉に飛び出し、セットアップの最適化に励んだ。
FP1を欠場していたアストンマーティンのフェルナンド・アロンソもこのセッションから復帰。また、ニコ・ヒュルケンベルグがFP1を担当したポール・アロンからステアリングを引き継ぎ、FP2に出走した。
序盤に話題となったのはニコ・ヒュルケンベルグのターン12でのワイド。彼が撒いた小石により、エステバン・オコン(ハース)やフランコ・コラピント(アルピーヌ)がダメージ確認を要請する場面も見られた。
その後、ピアストリがターン4でハイスピードなスライドを喫し、ターン9ではジョージ・ラッセルとオリー・ベアマンが接近するなど、序盤から慌ただしい展開に。
最初のタイムアタックではノリスがミディアムタイヤで1分16秒525をマークして暫定トップ。ピアストリが0.172秒差で2番手、ルクレールが約0.5秒差で3番手に続いた。
後方では、レッドブル勢がバランスに苦しんでいた。角田裕毅は「バランスがめちゃくちゃ」と無線で訴え、フェルスタッペンも「前も後ろもおかしい。まるで氷の上を走ってるみたいだ」と嘆いていた。
セッション中盤になると、各チームはミディアムとハードからソフトタイヤへと履き替え、予選シミュレーションを実施。ノリスはターン2のワイドや最終コーナーのオフコースがありながらも、1分15秒624を記録しトップを堅持。ピアストリも交通渋滞に見舞われながら1分15秒915で続き、マクラーレンのワン・ツーが成立した。
ルクレールに続き、アストンマーティン勢のストロールとアロンソが好タイムをマークし4・5番手に。もう一台のフェラーリを駆るルイス・ハミルトンは6番手でセッションを終えた。
7番手にはメルセデス最上位となったラッセル、以下、レーシングブルズのアイザック・ハジャー、角田裕毅、そしてメルセデスのキミ・アントネッリがトップ10を構成。ハースのベアマンとオコン、キック・ザウバーのヒュルケンベルグが続いた。
フェルスタッペンは14番手にとどまり、「前後のバランスが悪すぎる」と不満を漏らし続けたほか、ターン3で異様なスローダウンを見せたうえ、マシンからタオルのようなものを投げ出すという不可解な行動を取った。この件で彼はスチュワードからの呼び出しを受けている。
なお、角田裕毅がマックス・フェルスタッペンを公式セッションで上回るのはレッドブル・レーシングに移籍後初めてとなる。
15番手にはレーシングブルズのリアム・ローソンが入り、以下、ウィリアムズ勢のカルロス・サインツとアレックス・アルボン、ボルトレト、ガスリー、コラピントが続いた。全体は1.5秒差に収まる接戦だった。
次の走行は土曜12時30分(現地時間)開始のFP3、そして16時からは予選が行われる。各チームは夜の間にデータ解析を進め、最終調整に臨む。


2025年F1 ハンガリーGP フリー走行2回目 結果・タイムシート
Pos | No | ドライバー | チーム | タイム | GAP | LAP |
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1 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1分15秒624 | 27 | |
2 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 1分15秒915 | 0.291 | 30 |
3 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1分16秒023 | 0.399 | 28 |
4 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1分16秒119 | 0.495 | 28 |
5 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 1分16秒233 | 0.609 | 25 |
6 | 44 | ルイス・ハミルトン | フェラーリ | 1分16秒329 | 0.705 | 28 |
7 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 1分16秒417 | 0.793 | 27 |
8 | 6 | アイザック・ハジャー | レーシングブルズ | 1分16秒427 | 0.803 | 30 |
9 | 22 | 角田裕毅 | レッドブル | 1分16秒485 | 0.861 | 30 |
10 | 12 | アンドレア・キミ・アントネッリ | メルセデス | 1分16秒520 | 0.896 | 26 |
11 | 87 | オリバー・ベアマン | ハース | 1分16秒567 | 0.943 | 27 |
12 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ザウバー | 1分16秒680 | 1.056 | 31 |
13 | 31 | エステバン・オコン | ハース | 1分16秒704 | 1.080 | 29 |
14 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 1分16秒791 | 1.167 | 25 |
15 | 55 | リアム・ローソン | レーシングブルズ | 1分16秒812 | 1.188 | 29 |
16 | 30 | カルロス・サインツJr. | ウィリアムズ | 1分16秒874 | 1.250 | 32 |
17 | 98 | ガブリエル・ボルトレト | ザウバー | 1分16秒946 | 1.322 | 29 |
18 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ | 1分17秒021 | 1.397 | 30 |
19 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1分17秒043 | 1.419 | 25 |
20 | 43 | フランコ・コラピント | アルピーヌ | 1分17秒159 | 1.535 | 29 |
ノリスが再び首位、マクラーレンが圧倒的な1-2
フリー走行2回目でもマクラーレンの強さが際立った。ランド・ノリスが1分15秒624を記録して最速をマークし、オスカー・ピアストリも0.291秒差で2番手につけた。両者ともソフトタイヤでのタイムアタック中にリスクを冒しながらも、全体として安定感のある走りを見せた。
アストンマーティン勢は上位キープ、アロンソも走行復帰
FP1を欠場していたフェルナンド・アロンソがFP2から復帰。ランス・ストロールとともに好パフォーマンスを披露し、それぞれ4番手と5番手を確保した。特にストロールは一時3番手に浮上するなど、序盤から積極的なアタックが目立った。
フェラーリはルクレールが3番手、ハミルトンも好感触
シャルル・ルクレールは1分16秒023で3番手。マクラーレン勢にやや離されたものの、依然として上位争いに加われる位置をキープした。ルイス・ハミルトンも6番手と安定した走りを見せ、マシンの仕上がりに不満を訴える場面は見られなかった。
レッドブルは苦戦、角田裕毅がフェルスタッペンを上回る
マックス・フェルスタッペンは「前も後ろも滑る、氷の上みたいだ」と無線で不満を吐露。バランスが崩れたRB21に苦しみ、最終的に14番手にとどまった。一方の角田裕毅は、ようやく投入された新型フロアを活かして9番手に浮上。明確な進歩を見せた。
メルセデスは仕様変更で反発力、若手アントネッリも健闘
今週からリアサスペンションを旧仕様に戻したメルセデス。ジョージ・ラッセルが7番手、アンドレア・キミ・アントネッリも10番手と、セットアップ変更が功を奏した形だ。特にアントネッリはレースペースでも安定したラップを重ね、改善の兆しを示した。
注目のトピックいろいろ
■ ストロールは一時3番手を記録し、自信を感じさせる走りを展開
■ カルロス・サインツJr.はテレメトリーを失い、指示に気づかずピットインを逃す場面も
■ レーシングブルズのアイザック・ハジャーは8番手と再び安定したパフォーマンスを披露
■ アルピーヌ勢は厳しく、フランコ・コラピントが最下位でセッションを終えた
天気の影響が懸念される今週末、各チームはタイヤ選択を分けて走行。予選向けのショートランと決勝を見据えたロングランをバランスよくこなす姿勢が印象的だった。特に日曜の雨予報に備えた準備が目立つセッションとなった。
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