アデレードF1復活構想浮上も実現せず バーレーンGP代替案の舞台裏
中東情勢の緊迫化によりバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止となる中、F1カレンダーの空白を埋める代替開催地として、オーストラリア・アデレードが急浮上していたことが明らかになった。

南オーストラリア州首相ピーター・マリナウスカスは、F1のステファノ・ドメニカリCEOに直接連絡を取り、市街地レース復活の可能性を打診。しかし結果的に、この大胆な提案は実現には至らなかった。

突如浮上したアデレード案と首相の直接交渉
マリナウスカスは、バーレーンとサウジアラビアでの開催中止が決まるや否や、即座に行動に移した。

「ステファノ・ドメニカリに連絡した」とマリナウスカスは語った。

「この件については以前から少し検討していたが、イランでの戦争によりレースが中止になったとき、すぐにチャンスだと思った」

「バーレーンとサウジアラビアで開催されないと分かった瞬間に、『これは機会だ』と感じた」

アデレードは過去にF1を開催していた実績を持つ都市であり、近年はMotoGP誘致など国際モータースポーツ復帰への動きを強めていた。その流れの中で、今回の緊急代替案が浮上した形だ。

準備は万全も立ちはだかった現実的な壁
マリナウスカスは、短期間での開催実現に向けた準備に自信を見せていた。

「私は彼らにこう伝えた。『チームは揃っているし、計算も済んでいる。このスケジュールでサーキットを用意できる』と」

しかし最終的にF1側はこの提案を却下。大きな要因となったのは、アジアからオーストラリアへのマシンや機材輸送に伴う物流面の制約と、準備期間の短さだった。

また、当時その場に同席していたエディ・マグワイアは、合意寸前まで進んでいたことを明かしている。

「かなり近いところまでいった。彼はすべて正しく進めていたが、最終的にF1はノーと言った」

さらに決定的な問題として、アデレードの市街地コースは現在、現行F1開催に必要なFIAの公認を取得していない。この点も、短期間での開催を困難にした要因だった。

代替開催は見送りも再編の可能性は残る
F1は最終的に、4月に予定されていた代替レースを設定しない方針を決定。F2やF3、F1アカデミーといったサポートカテゴリーも影響を受け、代替開催の機会を失うこととなった。

ただし、シーズン後半での再編成の可能性は残されている。現在検討されている案のひとつは、アゼルバイジャンGPとシンガポールGPの間に中止分のレースを組み込むというものだ。

もっとも、この案が実現すればスケジュールは極めて過密となり、平日開催を含む異例のレースウィークが生まれる可能性もある。F1は引き続き、現実的な解決策を模索している状況だ。

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カテゴリー: F1 / F1バーレーンGP