アルピーヌF1 ブリアトーレ「コラピントは速いがプレッシャーに課題」
フラビオ・ブリアトーレは、自身が見出した最新のF1ドライバーであるフランコ・コラピントのこれまでのパフォーマンスについて、手放しで称賛するにはまだ早いと考えているようだ。

アルピーヌF1は先日、ジャック・ドゥーハンをチームから外し、代わってルーキーのコラピントを起用。その際にブリアトーレはプレスリリースで「5戦限定の起用」と記されたが、直後にパドックで報道陣に対し「5戦の制限はない」と訂正している。

「フラビオが自分を信じてくれたことは、僕にとって本当に大きな意味がある。フェルナンド(アロンソ)の時のようにね」と、21歳のコラピントはスペイン・バルセロナでスペイン語メディアに語った。

「彼は伝説的な存在だし、アルピーヌを本来のトップチームへ戻そうとしている雰囲気を感じる」

しかし、イモラでのF1デビュー戦は大クラッシュに見舞われ、ブリアトーレがレース前に掲げた「ミスのない走り」という目標とは真逆の結果に。続くモナコも目立った成果は出せなかった。

「まだマシンに慣れている段階だ。数戦かかると思う」とコラピントはバルセロナで述べた。

「カルロス(サインツ)やルイス(ハミルトン)のようにチームを移ったドライバーでさえ、マシンの限界をまだ掴みきれていないと話していた。だから、僕にももっと伸びしろがあると信じている」

一方で、75歳のブリアトーレは最近、コラピントを持ち上げる発言を控えるようになってきた。アルピーヌのドライバーラインアップが「理想の形になったか」と問われると、彼は首を横に振った。

「一番簡単に勝つ方法は、マックス・フェルスタッペンを獲得することだが、それは無理だ。だから今いるドライバーでやっていくしかない」とブリアトーレは語った。

フラビオ・ブリアトーレ アルピーヌF1チーム

同氏はピエール・ガスリーについて「非常に良いドライバーだが、もう少し集中力が必要だ」と評した。

「だが良いマシンに乗ればトップドライバーになれる。スピードは持っているか持っていないかのどちらかだ。ピエールは持っている」と仏紙『ル・モンド』に語っている。

一方でコラピントについては、「速さはあるが、まだプレッシャーへの耐性が足りない」と評価をトーンダウン。

「速くても壁に突っ込んでしまえば意味がない」と厳しく指摘した。

それでも、アルピーヌにとってコラピントの存在は大きい。彼は母国アルゼンチンの政府や企業からの強力な支援を受けており、「素晴らしいことだ」と本人もコメント。

「アルゼンチンではF1への情熱が強くて、長年ぶりにまたドライバーが戻ってきたことを本当に喜んでくれている。今この瞬間を楽しんでいるし、アルゼンチンの人たちにもそうあってほしい」と語った。

現在のパドックでは、2026年のシーズンもガスリーとコラピントがアルピーヌに残るという見方が大勢を占めている。

「2026年にはレースに勝てる」とブリアトーレは断言。

「そして2027年にはタイトル争いに挑むつもりだ」

来季の新レギュレーション導入にあたって、アルピーヌはメルセデスのカスタマーエンジンを搭載する予定だ。

「今年は移行期だ。すでに全リソースは来年のマシンに注がれている」とブリアトーレは説明。

「新レギュレーションを最大限に活かさなければならない。そして、もう言い訳はできない。競争力を示さなければならない。ルノー、アルピーヌ、そしてルカ・デ・メオのためにも」

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カテゴリー: F1 / アルピーヌF1チーム / フランコ・コラピント