F1特集
アルファタウリのチームマネージャーを務めるグラハム・ワトソンが、F1チームがレース週末にどのようにライバルの無線傍受を行っているかを語った。

2007年の“スパイゲート”事件以来、F1は様々な種類の研究や盗聴、スパイ行為に敏感になっている。F1を襲った最大のスキャンダルであるこの事件では、フェラーリが、元従業員のナイジェル・ステップニーが重要なテクニカルデータをマクラーレンのエンジニアであるマイク・コフランに渡したと主張。

FIAによるヒアリングの結果、マクラーレンは不法な手段でフェラーリから情報を入手してアドバンテージを得たとして、コンストラクターズランキングから除外され、1億ドルという記録的な罰金を科された。

グラハム・ワトソンは、1996年にF1での開始して以降、ベネトンやブラウンGPなど様々なチームに関与してきた。2014年以来、彼はレッドブルの姉妹チームであるトロロッソ、今季からはアルファタウリとなるチームのチームマネージャーとして働いている。グラハム・ワトソンの役割はチーム内のすべてのプロセスを知り、ライバルの無線をいかに最適に聞くかという仕事も含まれる。

「我々はファクトリーに運用部隊を設けています」とF1の無線スパイ行為についてグラハム・ワトソンは Motorsport-Total.com に語る。

「また、我々はずべての無線チャンネルを聞く人をレーストラックに配置しています。レースの週末にのみ合計12人のスタッフにこのタスクに割り当てています」

それでは“スパイ行為”はどのように機能させているのか?

「通常、我々は各スタッフに2つまたは3つのチームを割り当て、彼らはそのキーワードに注意を払っています。当然ながら、多くの無関係なコミュニケーションもあります。したがって、彼らはキーワードを聞いて作業を続けます」

F1チームは、F1マネジメントから公式にフィードされる無線を聞くことができるため、それはかなり合法的な行為だ。

「全チームには、他のすべてのチームの話を聞く機会があります」とグラハム・ワトソンは語る。

ただし、これは週末のレースの場合のみであり、バルセロナでの冬季テストではそのような選択肢はない。2020年のプレシーズンテストからスクリーンなどを使用してF1マシンをライバルチームやメディア、ファンから隠すことを禁止となり、F1チームはより簡単にライバルの動向を観察できるようになる。

一方、レース中はライバルのピット無線はさらに重要になる。当然のことながら、他チームの戦略はトロロッソにとって特に興味深いものとなる。基本的には、ライバルが何をしているかの概要を取得することだ。直接のライバルの動向は、上位を走っているトップチームよりもはるかに重要となる。

「もちろん、レース自体では、彼らがいつピットインするのか、もしくはマシンに問題があるかを聞きたい。タイヤやブレーキ、燃料を節約しているかどうかをね」とグラハム・ワトソンは説明する。

「直接の争っているチームにより集中したいことは想像できると思います。通常、メルセデスがレースをリードしていることはトロロッソには影響を与えません。しかし、レーシング・ポイント、ハース、またはルノーが何をするのかは重要になってきます」

過去には、まったく異なる方法が使用されていた。52歳のグラハム・ワハソンは、ライバルのラジオに直接アクセスしていたかもしれない。だが、現在、チーム無線は暗号化されているためそれは不可能だ。

「我々は無線にデジタルシステムを使用しています。各チームには独自の暗号化されたラジオがあります。したがって、公式チャンネルがないと実際に何も聞こえないはずです」

グラハム・ワトソンは、チームの無線全体を無修正で聞くことができれば“絶対”に役立つだろう認める。特にパワーバランスがまだ明らかになっていないシーズンの序盤はそうだ。

「特に役立つでしょうね。なぜなら、速いラップでは、燃料の使用量を言うのは常に難しいからです」

ちなみに、1983年にトールマンで最初に無線が使用された。ジョニー・チェコットがハンドルを握り、最初はレーストラックではなく、グッドウッドでのショーイベントで新しい技術をテストした。

その後、1990年代には実際に無線通信はスパイされていたとグラハム・ワトソンは回想する。

「そうですね! 100%そうだっただと思います! 人々は他のチャンネルに入り込んで、他チームに耳を傾けようとしていました。そうでうね、実際にそれは行われていました」とグラハム・ワトソンは語った。

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カテゴリー: F1 / アルファタウリ / トロロッソ