日産
日産のLMP1チーム代表は、日産がWECから撤退することの主な理由が、開発が遅れている第2世代のNissan GT-R LMを発展させながらレースをすることが、同社が課したパフォーマンス目標に見合うかを確信できなかったためだと述べた。

日産は23日、WECのLMP1クラスへの参戦を取りやめることを発表。日本のモータースポーツファンを失望させた。

9月に日産のLMP1プロジェクトの運営を引き継いだマイク・カルカモは、2016年マシンのデザインは完成していたが、開幕まで4ヵ月しかないなかで、まだ製造は開始されていなかったことを明らかにした。

「2ヵ月で再設計は完了した」とマイク・カルカモは Autosport にコメント。

「車両の製造とテストにはもっと長くかかる。そのため、レースをしながら同時に開発をしていくというリスクを冒すよりも、むしろレースをしないという決定に至った」

マイク・カルカモは、日産が“来年、自分たちに課しているパフォーマンス目標が、競争相手がやってくることに見合うかどうか”を確信できなかったと述べた。

「日産にとって難しい決定だが、我々はシーズンのため、そして、他チームのためにもそれがベストだと考えた」

マイク・カルカモは、第2世代のNissan GT-R LMは新しい電気ハイブリッドシステムとリアアスクルによるデプロイメントを備えることになっていたと明かした。

初代のNissan GT-R LMは、フロントアスクルで回生し、細いリアホイールとタイヤに展開するシステムだったが、唯一のレースとなったル・マン24時間レースでは、トラブルにより搭載されず、ハイブリッドなしで走行。結局、その後もレーストラックで走ることはなく、テストで走っただけだった。

また、2代目モデルでは、サスペンションとギアボックスも再設計され、空力面も修正されたという。

マイク・カルカモは、Nissan GT-R LMのLMP1プロジェクトが、今後も継続されるかどうかは語らなかった。

「決定はなされていない」とマイク・カルカモは述べた。

マイク・カルカモは、日産はモータースポーツに長期的にコミットしていると強調。2015年のSUPER GT、ブランパン耐久シリーズ、WECのLMP2部門、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズで成功していることを指摘した。

「それが決定の理由だ。我々は最高レベルで競争し、成功を確実なものにしたいと思っている」

Nissan GT-R LMは、WECの開幕2戦を欠場したあと、第3戦のル・マン24時間レースで初レース参戦。しかし、そこで発生した技術的なトラブルの解決のために残りのレースの欠場を決定。今年10月には2016年にWECに復帰することを発表したばかりだった。

関連:日産、WECのLMP1クラス参戦からの撤退を発表

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / 日産 / ル・マン24時間レース / WEC (FIA世界耐久選手権)