角田裕毅のF1生命救う“ホンダTPC問題” リンドブラッド不振で急展開

一般的な見方は、「アイザック・ハジャーがレーシングブルズから昇格し、マックス・フェルスタッペンのパートナーに」「残る1席を角田裕毅とリアム・ローソンが争い、アービッド・リンドブラッドはジュニアチームでデビュー」というシナリオだった。
だがオランダの解説者オラフ・モルは「内部事情が再び動き始めている」と指摘する。
角田裕毅の“キャリア最高レベル”の予選が意味するもの
モルはまず、カタールで角田裕毅が見せた「レッドブル加入後、最高と言える予選パフォーマンス」について触れ、それが“内部での決定により緊張が解けた結果ではないか”と推測する。
「もし昨日、『ユウキ、これまで楽しかったけど来年はここでは走らないよ』と言われていたらどうだ? そうしたら緊張が一気に抜けて、自分を解き放てるよ」と笑いながら語った。
さらにモルは「主要人物たちはすでに自分の運命を知っている」と続ける。
「ユウキは『自分の身に何が起きるかは分かっているし、大体みんなが思っている通りだ』と言った。ハジャーは『どんな形でも来年はF1グリッドにいる』と言い切った。彼らはずっと前から知っていたんだ」
そして浮上した“ホンダの影響力”という意外な新要素
ここから話は一気に予想外の方向へ向かう。アストンマーティンが来年からホンダPUのワークスパートナーになるにもかかわらず、「ホンダは依然としてレッドブル内に影響力を残している」とモルは語る。
鍵となるのが、「旧型車テスト(TPC=Testing of Previous Cars)」だ。
レッドブルとレーシングブルズが保有するTPC適格マシンはすべてホンダPU搭載。これは、もし18歳のリンドブラッドが2026年にF1へ昇格しない場合、必要不可欠となるテスト機会に直結する。
「レッドブルにはホンダのエンジンが必要なんだ」とモルは断言する。
「それを誰のために必要としている? アービッド・リンドブラッドのためだ」

リンドブラッドはF1昇格に“準備不足”──F2で深刻な不振
今季後半のリンドブラッドは苦戦が続いており、「来季のF1ステップアップは厳しい」とモルは見ている。
「彼は全くポイントを取れていない。F1には行かないだろう。もう一年F2で走る必要がある」と辛辣だ。
だがその場合、2026年に多くのテスト走行が必要になる。その際、TPCマシンのPU供給元であるホンダのサポートなしでは成立しない。
“ホンダとの関係維持”──それが角田裕毅を救う?
モルが示した“驚きの新説”はこうだ。
リンドブラッドの2026年TPCテストを成立させるため、レッドブルはホンダとの協力関係を保つ必要がある
→ その“橋渡し役”として、角田裕毅をレッドブル・ファミリーに残す理由が生まれる
「これが、角田裕毅が2026年もレッドブルの枠内に残る“抜け穴”なんだ」とモルは語る。
本来の競争・実力の文脈とはまったく別軸で、テスト制度とPU契約が絡み合う“意外なパワーバランス”が、角田の将来を左右する可能性があるというわけだ。
今週の正式発表で、この“予想外のシナリオ”が現実になるのか──レッドブルの2026年体制は、ここへ来て再び混沌を深めている。
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