角田裕毅の放出は決定済?レーシングブルズF1はローソン&リンドブラッドへ

レッドブルはこれまで「最終決定はシーズン終了後」としてきたが、報道によればこれは建前に過ぎず、内部ではすでに明確な方針が共有されているという。
背景にはシーズン後半のポイント争いを見据え、角田裕毅のモチベーション低下を避けたいとの思惑があるとされ、表と裏で異なる空気が流れているとみられている。
レッドブル陣営は2026年シーズンのレーシングブルズのラインアップについて、公式発表前にもかかわらず“すでに密かに決定している”と独Auto Motor und Sport(AMuS)が報じた。2025年に鮮烈なルーキーシーズンを送るアイザック・ハジャーのレッドブル昇格は既定路線とみられ、その後任としてF2のアービッド・リンドブラッドがレーシングブルズに加入することも“公然の秘密”とされている。
そして残る1席を争うのが、角田裕毅とリアム・ローソン。両者は昨季終盤にレーシングブルズでチームメイトとなり、今年はともにマックス・フェルスタッペンのパートナーを経験してきた。しかし2026年、レッドブル傘下の4シートに残れるのは1人だけだ。AMuSによれば、レッドブルはすでに結論を出しており、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのコンビで行く判断を内部で固めたという。
2026年のRBシート争い:表向き「未定」でも内部では明確な方針
レッドブルはこれまで「シーズン終了まで決定を下さない」と繰り返してきたが、AMuSはこれがあくまで表向きの姿勢に過ぎないと伝えている。真の理由として挙げられているのが、角田裕毅のモチベーション低下への懸念だ。レッドブルは現在、コンストラクターズ2位争いの渦中にあり、マックス・フェルスタッペンの大量得点に加えて角田裕毅の“ボーナスポイント”にも期待している。21戦で25ポイント、17位に沈む角田裕毅にこの時点で「来季のシートはない」と告げることは、パフォーマンスに悪影響を与える恐れがあると判断されているという。
ローソンの評価上昇、そして“経験重視”発言が意味するもの
サンパウロGPでリアム・ローソンは激しいP7争いを見事にリードし、その闘志が改めて評価を高めた。一方で角田裕毅はプレッシャーの中で苦しい走行が続いているとの見方が広がっている。レーシングブルズ代表アラン・パーメインは「経験は重要だ」と語り、108戦を戦う角田裕毅に一時的な追い風が吹いたかに見えた。しかし続けてパーメインが「最優先されるのはスピードだ」と述べたことで、流れは決定的に変わった。今季のローソンはマシンの扱いやすさに助けられた部分はあったにせよ、パフォーマンス面で上回る場面が多かったと評価されている。
またクリスチャン・ホーナーがこれまで角田裕毅の昇格を何度も見送ってきた流れや、昨年ローソンの失速により“消去法的に角田裕毅がシートを得た”という冷ややかな見方も記事では指摘されている。
角田裕毅とメキースの“友情”と現実
レーシングブルズ代表ローラン・メキースは角田裕毅のことを「友人」とまで呼ぶ間柄だが、チームの判断は友情ではなく競争力によって決まる。AMuSは、たとえメキースが心情的な葛藤を抱えていたとしても、最終的には角田裕毅を手放す決断を下す可能性が高いと分析している。
しかも現時点で他チームに空きシートはなく、記事では「角田裕毅は2027年までF1に戻れない可能性もある」という厳しい予測まで示されている。

2026年RBは“ローソン&リンドブラッド”でほぼ確定的か
今回の報道はあくまでAMuS発の情報だが、レッドブル内部の力学、政治、ポイント争い、そして2025年シーズンのパフォーマンスを総合的に見ると、指摘内容は十分に筋が通っている。ハジャー昇格は既定路線であり、リンドブラッド昇格も育成流れとして自然だ。フェルスタッペンの隣で必要とされるのは経験よりも純粋な速さであり、ローソンは2025年後半に高い競争力を示してきた。また角田裕毅に事前通告をすればモチベーションが落ち、シーズン終盤の得点力に影響するという懸念も現実的である。
以上を踏まえると、レッドブルが2026年のレーシングブルズを「リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッド」で構成するという判断は極めて論理的であり、内部ではほぼ確定しているとみられる。公式発表はおそらくアブダビ最終戦後になるだろう。角田裕毅にとっては、キャリア最大の試練が続くことになる。
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