角田裕毅 キャデラックF1でボッタスと組む可能性は? 夏にも1人目発表か
キャデラックF1チームの初陣となる2026年シーズンのドライバーラインアップに、バルテリ・ボッタスまたはセルジオ・ペレスのいずれかが含まれる可能性が高まっている。中でも、メルセデスのリザーブドライバーを務めるボッタスとの契約が最も早く進展する見込みだ。そこには角田裕毅の名前も含まれている。

ゼネラルモーターズ(GM)が所有するこの新チームは、F1グリッド参戦を翌年に控え、現在利用可能なドライバーを慎重に精査中。

チーム代表のグレアム・ロードンが率いるグループが選考を主導するが、最終決定はGMとTWGモータースポーツの共同経営陣に委ねられる。

先週末のF1イギリスGPでは、TWGのCEOダン・トーリスを含むキャデラック関係者が現地入りし、複数の交渉を行った模様だ。現時点で契約が締結されたドライバーはいないものの、インディカーに参戦するアンドレッティ(TWGの関連チーム)のアイオワ戦ダブルヘッダー後に、主要関係者が再集結し、1人目の契約にゴーサインが出る可能性もある。

キャデラックの有力候補は、いずれも複数勝利経験を持つ元F1ドライバーのボッタスとペレス。グレアム・ロードンは最近「初年度の新チームには経験豊富なドライバーが大きな助けになる」と語っており、この2人は理想的な選択肢と見られている。

キャデラック F1

ボッタスは今季メルセデスのリザーブドライバーとしてF1の現場にとどまりながら2026年復帰を目指しており、キャデラックに強い関心を示している。アルピーヌもドライバー候補としてボッタスに打診しているが、本人はより長期的な将来を見据えてキャデラックに傾いているようだ。

一方ペレスは、レッドブルを2024年末で離れて以降F1から距離を置いているが、最近になってキャデラック首脳陣と対面で面談したことが確認されている(ただしイギリスGP現地ではなかった)。

経験豊富なペレスとボッタスのコンビ起用も視野にあるが、経験者1名+既にF1参戦歴のある若手の組み合わせも選択肢として検討されており、完全なルーキードライバーを起用する可能性は低い。

キャデラックはまず1人目の契約を夏休みまでに決定し、2人目についてはマーケットの動向を見ながら時間をかけて決める戦略を取っている。そのため、比較的交渉がスムーズとされるボッタスとの契約が8月にも正式発表される可能性がある。

角田裕毅 キャデラック F1

2人目の候補としては、角田裕毅の名前も挙がっている。角田は現在レッドブルにフルサポートを受けながらシーズン後半に向けて巻き返しを図っているが、来季以降の去就が流動的なため、キャデラック側は代替案として注視している状況だ。

キャデラックはF1参戦初年度において最下位に甘んじる可能性も現実的に見据えており、困難な状況でもチームと一体となって取り組めるドライバーを求めている。自己中心的にならず、開発・成長に貢献できる姿勢が重要視されている。

現役から離れているペレスに対し、リザーブとして活動中のボッタスやフェラーリ所属の周冠宇は、F1現場との関わりを保っている点でアドバンテージがある。特に周冠宇は、フェラーリの2026年タイヤテストにも参加しており、キャデラックのエンジン供給元がフェラーリであることを考えれば、その関係性が評価材料になる可能性がある。

もっとも、GM側が米中間の地政学的リスクを踏まえて、中国人ドライバー起用に慎重姿勢を取る可能性も否定できない。状況の変化によっては再評価されるかもしれない。

このようにキャデラックは、各方面と接触しながら時間をかけて慎重にラインアップを構築中だ。グレアム・ロードンは「他チームの動きに縛られずにじっくり評価できるのが我々の強み」と語っており、時間的余裕を活かして最適なチーム作りに努めている。

候補者にはほかにも、元アルピーヌのジャック・ドゥーハン(現在リザーブとして活動中)、アストンマーティンのリザーブで2022年F2王者のフェリペ・ドルゴビッチ、アルピーヌのリザーブでルーキーのポール・アロンなどが含まれており、いずれもキャデラック側との接触が確認されている。

ただし、実戦経験が少ない点や、他チームとの契約状況がネックになる可能性があるため、最終的な選考では経験豊富なドライバーが優先される見通しだ。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / キャデラックF1チーム