角田裕毅はレッドブルF1の「期待を裏切っている」とヘルムート・マルコ

角田裕毅はF1 2025シーズンの開幕2戦で苦戦したリアム・ローソンに代わり、レッドブル・レーシング早くも起用された。ニュージーランド出身のローソンは連続Q1敗退でプレッシャーに屈した格好となり、チームは日本GPから角田裕毅を2号車に据えた。
角田裕毅はレッドブルでのデビュー戦となった母国GPでQ2進出を果たし、続くバーレーンでは10番手に予選通過。決勝では9位に入り、RB21の2号車にとって今季初ポイントを獲得した。
以降さらに5ポイントを加えているものの、直近4戦ではQ3進出を果たせていない。イモラではクラッシュにより20番手、スペインでは純粋なペース不足により再び最後尾に沈んだ。
その結果、今季のレッドブルが獲得した162ポイントのうち、155ポイントはマックス・フェルスタッペンによるものとなっており、角田裕毅は2号車のドライバーとして得点に苦しんでいる。
2台体制ながらポイントの大半を1人で稼いでいる状況はコンストラクターズ選手権にも影響を及ぼし、レッドブルは現在4位。2台が着実にポイントを積み重ねているマクラーレンには200ポイント以上の差をつけられている。
マルコは、BBCの『The Inside Track』に対し、角田裕毅の現状について次のように述べた。
「マックスの隣に座るというのは特別なことだ。今の時代、『自分の目標はマックスのチームメイトになることだ』なんて言うドライバーはいない。みんなF1に出たいとは思っているがね」
「裕毅はいいスタートを切ったが、我々が期待していたような成功は得られていない。ただし、金曜日の時点では常にマックスから0.1~0.2秒以内にいる。ここ数年、そういうドライバーはいなかった」
「だからこそ、彼はそのスピードをポイントに結びつける必要がある」
角田裕毅の成績不振により、シーズン途中での交代が噂されており、代役候補としては、F1デビューイヤーで印象的な走りを見せているレーシングブルズのアイザック・ハジャーの名が浮上している。
しかし現時点では、マルコは角田裕毅の復調に期待を寄せている。
「彼には才能がある。そして人間的な姿勢の面でも成長した。我々は皆、裕毅が以前はどれだけ衝動的だったかを知っているが、そこから学び、今では落ち着きを見せるようになった。彼は速いドライバーだ」
「彼がやるべきことは、自分をまとめることだ。マックスを倒そうなんて考える必要はない。それは不可能だ。しかし、彼はその現実を受け入れたように思う。今後はもっと多くのポイントを獲ってくれることを期待している」

なお、角田裕毅だけでなく、レッドブルの2号車ドライバーはこれまでもフェルスタッペンの陰で苦しんできた。ピエール・ガスリー、アレックス・アルボン、セルジオ・ペレス、そしてローソンも例外ではない。
中でもアルボンは、RB(旧アルファタウリ)からレッドブルへの移行が、マシン特性の大きな違いによって困難になると指摘している。
「マシンは本当にナイフエッジだと思う。マックスはそれを操れるが、大半のドライバーにとっては自然な感覚ではない。僕も経験から言えるが、当時は苦労した。今の経験があればもっと上手く対応できるとは思うが」
「RBは寛容でバランスの取れたマシン。自信を持たせてくれるし、それはルーキーを起用し続けているチームの方針にも関係している。そういったクルマから、極端でトリッキーなレッドブルのマシンに乗り換えるのは、本当に大きな適応を求められるんだ」
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