ランス・ストロール アストンマーティンF1の苦境に信念「勝てる要素は揃っている」

F1で約200戦を重ねてきたストロールは、結果が出ない時期こそ信念が問われると強調。新施設、CoreWeave AIRトンネル、シミュレーター、そしてエイドリアン・ニューウェイの加入を含む体制強化を背景に、チームの将来には「非常に明るい」可能性があると述べている。
困難な時期に問われる信念
現在のチーム状況について、ストロールはAMRテクノロジー・キャンパスに集まる人材と新設備に大きなポテンシャルがあると語った。
「AMRテクノロジー・キャンパスには信じられないほど才能のある人たちがいるし、新しいCoreWeave AIRトンネルやシミュレーターのようなツールには大きなポテンシャルがある」
「僕たちには勝てるチームになるための要素がすべて揃っている。あとはそのポテンシャルを引き出すだけだ」
「今は難しい時期を経験しているけれど、僕はこのプロジェクトを強く信じている。未来はとても明るいし、この厳しい時期を乗り越えて、僕たちが進んでいる旅の一部でありたい」
ストロールは、こうした時期は信念を強めると同時に試すものでもあると語る。
「難しい瞬間は常に人を試す。でも同時に、自分たちが築いているものを本当に信じている人が誰なのかも示してくれる」
「結果が出ていて、すべてが良いと感じられるときに信じるのは簡単だ。本当のチャレンジは、物事が難しくなり、一緒に問題に取り組まなければならないときに、コミットし続けることだ」
「それがトップF1チームを築くことの一部だ。今築いている基盤は、将来とても特別なものにつながると本気で信じている」
経験がもたらした冷静さと視点
F1での年月を通じて学んだことについて、ストロールはドライビングだけでなく、マシン、チーム、そして自分自身への理解が深まってきたと語った。
「たくさんある。いろいろなドライビングの戦術、マシンセットアップに関すること、変化するコンディションへの対応、各サーキットでラップタイムを稼ぐためのコツだ」
「F1で長い時間を過ごすほど、このスポーツの多くが自信とフィーリングに関わっていることに気づく。それは常に続くチャレンジのひとつだ。毎シーズンが違うからだ。常に学び、適応し、マシンや周囲のチームと一緒に進化しようとしている」
「フィジカル面でもそうだ。レース週末に自分がベストでいるために何が必要か、シーズンを精神的にも肉体的にもどう管理するかを理解する。そういうことはすべて、時間とともに向上していく」
精神面で難しい時期をどう乗り越えるかについて、ストロールは冷静さと視野の広さが重要だと語った。
「地に足をつけて、視野を保たなければならない。F1では物事がとても速く動く。数カ月で状況が完全に変わることもある。だから、良い時も悪い時も感情的になりすぎると、本当に大事なことに集中し続けるのが難しくなる」
「ドライバーとして、僕たちはみんな先頭で戦いたい。厳しい時期を過ごしているときは、もちろんフラストレーションがある。チームの全員が信じられないほど懸命に働いていて、もっと多くを望んでいるからだ。でも、そうした瞬間も何かを築く一部だ」
「働き続け、自分たちがどこを改善しなければならないかに正直であり続け、すぐに結果が出なくてもプロセスを信じなければならない」

20年以上かけて築いてきたドライビングへの情熱
ストロールにとって、ドライビングは単なる仕事ではない。シーズン中の休みであっても、彼はコックピットから長く離れることは少ない。
最近、アストンマーティン・ヴァンテージGT3やF3マシンを走らせた理由について、ストロールは純粋なドライビングへの情熱を語った。
「僕は人生を通じてクルマとレースに情熱を持ってきた。いろいろなクルマや、いろいろなモータースポーツのカテゴリーをドライブするのが好きだ。これは20年以上かけて築いてきた技術だ」
「異なるクルマが何をするのかを感じることは、ドライバーとして素晴らしい練習になる。レース感覚を鋭く保てるし、何を学べるか分からない」
「特にF3マシンは、僕がずっとドライブするのを好きだったクルマだ。2016年にその選手権で勝ったし、そこにはたくさんの良い思い出がある。僕のドライビングスタイルに合っていたし、いつも笑顔にしてくれるクルマのひとつだ」
「トラックデイやラリードライビングのような機会があるときは、いつも楽しんでいる。僕にとってはステアリングホイールの後ろにいて、運転することが大事なんだ。それが僕のやりたいことすべてだ」
若手との共有と理想のレーシングカー
ポール・リカールでのGT3走行では、アストンマーティン・アラムコ・ドライバーアカデミーのマリ・ボヤ、ロベルト・メリとともに走行した。
「マリを誘った一番大きな理由は、自分が気の合う人たちとその経験を楽しみたかったからだ。そして、彼が速いことも知っている」
「僕たちは良い関係を築いているし、以前にも一緒にトラックデイをしたことがある」
「ポール・リカールでマリと僕と一緒に走ったロベルト・メリとは何年も前から知り合いで、日本GPの週末に夕食をしていたときにそのアイデアが出た」
「マリはすでにアストンマーティン・アラムコ・ドライバーアカデミーの一員で、良い人間だし、一緒に多くの時間を過ごしてきた。だから自然にそうなった」
若手を助ける責任について問われると、ストロールはボヤの速さを認めた。
「彼にはあまり指導は必要なかった! マリはものすごく速かった」
「僕は耐久レースを経験しているので、トラフィックマネジメントのようなことについていくつかアドバイスした。でも、ドライバーがF3やF2のレベルに到達すれば、基本はすでに備わっている」
理想のレーシングカーについて、ストロールは低速域でのメカニカルグリップ、高速域での空力グリップ、軽さ、鋭い方向転換、反応の良いフロントエンドを挙げた。
「重いブレーキングゾーンや複合的な進入コーナーでは、しっかりしたリアも欲しい。僕はノーズに従って動くクルマが好きだ」
「例を挙げるなら、セバスチャン・ベッテルがチャンピオンを獲得した時代のエイドリアン・ニューウェイ設計の多くのマシンは、完璧に近かった」
「だから、僕たちにはその仕事にふさわしい人物がいる」
ストロールの見方は明確だ。困難な時期は一時的なものだが、アストンマーティンの野心は変わらない。チームの物語はまだ書かれている途中であり、その中心に自分もいたいと考えている。
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