フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲンは、WRC 第8戦 ラリーフィンランドでセバスチャン・オジェ選手が今季5勝目を獲得した。

2013年7月31日(水)に開幕した「ラリーフィンランド」は、森と湖の国フィンランドを舞台としたグラベルラリー。スペシャルステージの路面は硬く締まり、大きくうねっているためジャンピングスポットも点在。かつては1000湖ラリーと呼ばれていた美しい 風景の中を時速180?で駆け抜ける難易度の高いラリーとなっている。

予選では、ヤリ・マティ・ラトバラが5番手、セバスチャン・オジェが2番手、ミケルセン選手が6番手を獲得。グラベルラリーは路面を覆う土埃の影響により、出走順がタイムに影響する場合が多く、事前に予選を行い、好成績を収めた選手から任意に出走順を選択できる予選方式が導入されている。結果、ヤリ・マティ・ラトバラは10番手スタート、セバスチャン・オジェは13番手、そしてアンドレアス・ミケルセンは9番手を選択した。

8月1日(木)から本格的な競技がスタート。2010年にこのラリーで優勝し、好結果を期待 されたヤリ・マティ・ラトバラだが、SS2で左リヤサスペンションを破損、SS4で撤退を決断し、優勝戦線から遠ざかる、この日2度のトップタイムを獲得したセバスチャン・オジェは総合2位、アンドレアス・ミケルセンは総合8位で初日を終えた。

8月2日(金)のデイ2では、後半のSSでセバスチャン・オジェがトップタイムを連発。6連続ベストタイムで2番手以降に38.1秒の差をつけ一気に首位に立った。一方、アンドレアス・ミケルセンはSS14でサスペンションを破損してしまい、翌日以降の挽回を期して撤退した。

競技最終日となる8月3日(土)は、ボーナスポイントが加算される「パワーステージ」を含む8つのSSが設定された。首位のセバスチャン・オジェはすでに2番手のライバルに大差をつけていたが、難所として知られるオウニンポウヤで行われた2回のSSで共にトップタイムを記録。特に2度目の走行ではこれまでの記録を大きく更新する驚異的なタイムを記録した。また、パワーステージでは2番手タイムを獲得しボーナスポイント2点を加算。その後セバスチャン・オジェは「ポロR WRC」を無事にゴールさせ、ノンスカンジナビアンとして史上5人目となる ラリーフィンランドの勝者となった。

また、ヤリ・マティ・ラトバラはSS15のパワーステージで3番手を記録し、ボーナスポイント1点の獲得に成功。前日に撤退し20位に順位を下げていたアンドレアス・ミケルセンは10位まで挽回し、ドライバーズポイント1点を得ることに成功した。

今回のラリーでは、23ヶ所のSSのうち、実に半分以上となる12ヶ所のSSでトップタイムを記録するなど、「ポロR WRC」は揺るぎない速さを示した。この結果、ドライバーズ選手権ではセバスチャン・オジェが181点で首位、ヤリ・マティ・ラトバラが91点で2番手と、盤石の体制を築いている。マニュファクチャラーズ選手権でもフォルクスワーゲン・モータースポーツは251点で首位を堅持。シーズンのクライマックスに向けて幸先の良い後半戦のスタートとなった。

次戦は8月22日(木)にスタートする第9戦「ラリードイツ」です。西部の古都トリアーを中心に行われるターマックラリーで、モーゼル河を見下ろすブドウ畑や軍演習地など、多様なSSで知られる。

ヨースト・カピート (フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター)
「伝統のラリーフィンランドで勝利するということは非常に特別なものです。フォードやシトロエンとの三つ巴でしたが、セバスチャン・オジェはリードを守り切りました。この勝利は世界選手権の王座獲得に向けて大きな一歩と言えるでしょう。ヤリ・マティ・ラトバラは残念な結果に終わりましたが、アンドレアス・ミケルセンは印象深い速さを見せてくれました。私はこのチームのすべての人々を誇りに思っています」

セバスチャン・オジェ (総合優勝)
「この気持ちは言葉では言い表せません! まさに夢がかなった瞬間です。スウェーデンの時もそうでしたが、チームメイトのヤリ・マティ・ラトバラのような北欧出身の選手が得意とするラリーで勝てたのですから。ライバルに対し30秒以上の余裕があったので最終日は慎重に走りましたが、素晴 らしいSSであるオウニンポウヤだけは限界まで攻めました。ポロR WRCは格別の速さを発揮しましたし、存分にSSを楽しむこともできました。選手権でもリードを広げることに成功しましたが、今日はそのことよりも、勝利を挙げたことをチームとともに祝いたいと思います」

ヤリ・マティ・ラトバラ (総合17位)
「ここフィンランドは自分の母国ラリーでもあり、また自分自身に対する期待も高かったので、とにかく残念な気持ちです。初日のミスが表彰台獲得のチャンスを台無しにしてしまいました。デイ2以降は今後のラリーのために様々なセッティングを試すこともできましたし、パワーステージで1点を獲得 できたこと、マニュファクチャラーズ選手権で6点を獲得できたことがせめてもの慰めです。チームの母国ラリーとなる次戦ドイツでは、表彰台に戻れるように頑張ります」

アンドレアス ミケルセン (総合10位)
「多くを学び、貴重な経験を積むことができました。昨年、シュコダ・ファビアS2000でテスト参戦をしましたが、接地性の高いポロR WRCはまるでレベルが違います。特にオウニンポウヤは信じられないほどで、ほぼ6速全開で多くのコーナーを走るのです。来年から全力で攻められるよう、今年のラリーでは正しい走行ラインを見つけることに集中しました。もちろん、デイ2の撤退は非常に残念に思っていますが、経験を積むという意味では多くの目的を果たせたラリーでした」

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カテゴリー: F1 / フォルクスワーゲン / WRC (世界ラリー選手権)