元F1王者セバスチャン・ベッテル、各国政府によるモータースポーツ禁止を危惧
元F1ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテルは、気候変動と地球温暖化に対する世界的な闘いが、いつかは政府によるモータースポーツイベントの禁止につながる可能性があると考えている。

昨シーズン限りでF1を引退したベッテルは、現役最後の年にも環境問題を唱えていたが、モータースポーツが環境に与える影響への取り組みへの情熱は、カーボンニュートラル燃料へのコミットメントが『Race without Trace』キャンペーンを通じて証明したように、かつてないほど輝きを増している。

先週末のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、個人コレクションから2台のヒストリックF1マシン、元ナイジェル・マンセルのウィリアムズFW14Bと元アイルトン・セナのマクラーレンMP4/8を披露したベッテルは、気候変動はデマではないと明言した。

「イモラはキャンセルになったし、もちろん、(土曜日のグッドウッドでの)イベントもキャンセルされた。異常気象と世界の変化、温暖化には直接的な関係があると思う」

「だから、完全に目を背けているわけではない限り、気候危機が今日すでに多くの人々、世界中の多くの場所に影響を及ぼしていることがわかると思う」

「イモラは中止になった・・・イタリアでは大規模な干ばつに見舞われ、その後、突然、終わりの見えない雨が降り出した。雨は地面に浸透することができず、次の場所に押し流され、イモラのような場所に集まり、大洪水を引き起こした」

「今年のマイアミでのレースは脅威だった。2~3週間前に洪水が発生し、実際のトラックは水没していたからだ。3週間早ければレースは中止になっていたかもしれない」

「カナダでは森林火災が発生し、風がもう少し長引けば、おそらくモントリオールはカレンダーから消えていただろう」

「だから、これは本当に脅威なんだ。それは翌年かもしれない。どのレースも脅威にさらされてはいないけど、どうなるかは分からない」

セバスチャン・ベッテル F1

世界中の国々が地球温暖化対策のために政策を実施するなか、ベッテルは、モータースポーツが活動家だけでなく、特に政府によって、将来のある時点で標的にされないという保証はないと考えている。

「世界が変わりつつあること、そしてそれが僕たちの生活に影響を及ぼしていることを認識する必要がある」とベッテルは付け加えた。

「レース当日やグッドウッドで、人々をトラックくぎ付けにするかもしれないという脅威やリスクというよりも、ある時点で政府が削減や禁止できるものに目を向けるという脅威だと思う。僕はそこまで考えている」

「はっきり言っておくと、そんなことは起こってほしくない。モータースポーツは素晴らしいスポーツだと思うからね」

「多くの人々が訪れ、ここにいることを愛し、楽しんでいる。だから、それを失うようなことになれば残念だ。というのも、僕たちにはもうそんな余裕はない」

「炭素予算のような退屈なものを見て『まあ、この種のイベントが最初に落ちるだろう』と言うみたいなね」

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カテゴリー: F1 / セバスチャン・ベッテル