FOMが計測システム誤差を認める アルピーヌF1の再審理請求をFIAが受理

F1の公式計時システムを管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が、新たな証拠として計測システムの不正確さを認めたことが大きな転機となった。
今回の判断により、ガスリーのペナルティが取り消される可能性が浮上。モナコGPで失われた表彰台が復活するかどうか、今後の本格的な審理に委ねられることになった。
この問題はガスリーだけにとどまらず、同じレースで速度違反の処分を受けた複数のドライバーやチームにも影響を及ぼす可能性があり、モナコGPの結果そのものを揺るがす事態へと発展している。
FIAがアルピーヌの再審理請求を認定
モナコGPでガスリーは3位でチェッカーを受けたが、レース中に2度のピットレーン速度違反を犯したとして合計10秒加算のペナルティを受け、最終結果では7位へ降格となった。
ガスリーはこの裁定について「競技人生で最もつらい瞬間だった」と語っていたが、アルピーヌは判定に疑問を抱き、FIAに再審理を申請した。
木曜日に行われた審理では、決勝週末のスチュワードが確認できなかった新証拠が提出された。その中でも決定的だったのが、FOMから提出された計時システムに関する報告だった。
FOMが水曜日に提出した資料によると、モナコGPで使用された距離測定システムに誤差が存在し、ガスリー車の速度を実際より高く算出していた可能性が確認されたという。
FIAスチュワードは、この情報が「重要かつ新たな証拠」に該当すると判断し、再審理請求の要件を満たしていると結論付けた。
問題となったピットレーン速度計測
争点となっているのは、ピットレーン内の速度を算出するための距離測定システムだ。
F1ではピットレーン内の速度を時間と距離から算出しているが、今回FOM自身が距離測定の精度に問題があった可能性を認めたことで、従来の裁定の前提そのものが揺らぐことになった。
モナコGPでは通常よりも多い6人のドライバーがピットレーン速度違反で処分を受けており、レース直後からパドック内では疑問の声が上がっていた。
複数のドライバーは60km/h制限を確実に守るため、通常より慎重なライン取りや減速を行っていたとされるが、それでも違反判定が相次いでいた。
アルピーヌは審理の中で、計時システムへの懸念がレース前から存在していたと主張した。一方でFIAおよびFOMの代表者はその見解に異議を唱えている。

ガスリー以外にも影響拡大の可能性
レース中、3件目の速度違反が発生した時点でスチュワードはレースコントロールに対し、計時システムに異常が確認されていないか問い合わせていた。
当時は問題なしとの回答がなされたが、今回明らかになった新証拠によって状況は一変した。
影響を受ける可能性があるのはガスリーだけではない。
メルセデスのジョージ・ラッセルも同レースでピットレーン速度違反のペナルティを受け、その後ペナルティ消化手順の不備によってドライブスルーペナルティまで科された結果、入賞圏外へ沈んだ。
もしFIAが最終的にモナコの計測システムに重大な誤差があったと認定すれば、複数の裁定が見直される可能性がある。
失われた表彰台は戻るのか
今回の決定は、ガスリーの表彰台復活への道を開く重要な第一歩となった。
ただし、再審理請求が認められたことはペナルティ取り消しを意味するものではない。今後は新証拠の内容を基に、ペナルティそのものの妥当性について改めて審議が行われる。
日曜日の夜には決着したと思われていたモナコGPの結果だが、FOMが認めた計測システムの問題によって、F1は新たな論争の渦中に入った。
ガスリーの表彰台が復活するのか、それとも裁定は維持されるのか。モナコGPの最終結果は、まだ確定していない。
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