レッドブルF1がADUO評価に異議 FIAがPUデータ再検証へ

問題となっているのは、性能が劣るパワーユニットメーカーに追加開発機会を与える「ADUO」制度だ。FIAは開幕から5戦分のデータを分析し、モナコGP後に各メーカーへ評価結果を通知していたが、現時点で公式発表は行われていない。
レッドブルPUが内燃エンジン評価で首位に
バルセロナ・カタルーニャGPのパドックで話題となっているのは、FIAが実施した評価結果だ。
ここ数週間で関係者の間に広まった情報によると、レッドブル・フォード・パワートレインズのパワーユニットが、内燃エンジン単体の性能評価でトップと判断されたという。
この結果は多くの関係者にとって意外なものだった。パドックではメルセデスのパワーユニットが総合的に最も優れているとの見方が強く、特に内燃エンジン性能でも基準となる存在だと考えられていたためだ。
De Telegraafのエリック・ファン・ハーレンによれば、メーカー各社はモナコでFIAから1ページの文書を受け取り、その中で評価結果が示されたという。
ただし、この評価はパワーユニット全体ではなく、内燃エンジン部分のみを対象としている。
「出力のおよそ半分は電動モーターによるものだが、この測定では除外されている」とファン・ハーレンは説明した。
メルセデスは救済対象 レッドブルは対象外
暫定評価では、メルセデスは基準値から2%以上遅れていると判断され、2026年と2027年にかけて1回のアップグレードパッケージを認められる見込みとなった。
一方でフェラーリ、アウディ、ホンダは基準値から4%以上遅れているとされ、2回のアップグレードパッケージが許可される可能性がある。
対照的に、基準メーカーと位置付けられたレッドブルには一切の開発優遇措置が与えられない。
この結果に対し、レッドブルは強い不満を抱いているとされる。
ファン・ハーレンは「情報筋によると、エンジンサプライヤーとして初参戦のレッドブルが、いきなり基準メーカーと位置付けられたことに非常に不満を抱いている」と報じている。
レッドブルが再評価を要求
motorsport.comによれば、レッドブル首脳陣はメルセデスより上位と評価されたことに驚き、FIAに結果の見直しを要求したという。
チームから公式なコメントは出ていないが、内部ではこの結果を受け入れ難いとの見方が強いとされる。
その結果、FIAは追加の検証作業を開始した。
当初はモナコGP後に正式な発表が行われる予定だったが、再確認作業が始まったことで公表は延期された。
レッドブル代表のローラン・メキースもモナコではコメントを避けた。
「FIAがまだ正式な結論を公表していないため、現時点ではコメントしたくない」との立場だったと伝えられている。

FIAは三度目の確認作業へ
FIAは評価の正確性を保証するため、プロセス全体を再確認している。
実際には技術担当者がすでに一度追加チェックを実施していたが、レッドブル・パワートレインズからの異議申し立てを受け、さらにもう一度検証を行うことを決定した。
FIA内部では、最終結果が大きく変わる可能性は低いと考えられているという。しかし、後の論争を避けるために可能な限り透明性を確保したい考えだ。
新たな検証プロセスは今週月曜日から開始されており、結果は10日ほどでまとまる見通しだ。最終的な結論は来週末までに出され、FIAが正式な声明として公表する予定となっている。
透明性への批判も高まる
FIAが結果を公表せず沈黙を続けていることに対しては、メディアからも批判の声が上がっている。
L’Equipeのフレデリック・フェレは「連盟は依然として舞台裏で動いており、透明性が欠けている。そのため数字の実態は依然として不明確だ」と指摘した。
また、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは評価手法そのものに疑問を呈した。
「もちろん電動部分も大きな役割を果たすが、この比較では考慮されていない」
「私はメルセデスが非常に賢く立ち回ったと思う。トト・ヴォルフはフォード・レッドブルのエンジンが非常に強力だと繰り返し話していた」
「GTレースのバランス・オブ・パフォーマンスを思い出す。シーズンを有利に進めるためには賢く立ち回る必要がある。メルセデスはまさにそれをやったのだと思う」
「彼らのエンジンがまだ本当の性能を見せていなかったとしても、私は驚かない」
シューマッハは一方で、もしFIAの評価が正しいのであれば、レッドブルの成果は極めて特別なものだとも強調した。
「レッドブルが成し遂げたことがどれほど特別か、僕たちは強調し続けるべきだ」
「結局のところ、エナジードリンク企業がトップクラスのエンジンを開発したということだ」
「クリスチャン・ホーナーはその功績に対して大きな称賛を受けるべきだ」
ADUO制度は本来、競争力の差が開き過ぎることを防ぎ、出遅れたメーカーに開発機会を与えるために導入された。しかし、評価対象が内燃エンジン部分のみに限定されていることから、実際のパワーユニット性能やレース結果との整合性を疑問視する声も出ている。
2026年ここまでメルセデス勢が全勝を続けるなか、内燃エンジン評価ではレッドブルが基準メーカーと判断されたことは、制度そのものの妥当性を巡る新たな議論を呼んでいる。FIAが来週公表する最終結果に注目が集まっている。
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