マレリのF1公式データロガーが300戦達成 AI搭載のSDR 5を投入
マレリがFIAと共同開発するF1公式データロガー「サバイバル・データ・レコーダー(SDR)」が、2026年モナコGPで通算300レース目の運用を達成した。

さらに、2026年の新レギュレーションに対応した最新モデル「SDR 5」が実戦投入され、AIを活用した高度なデータ分析機能や通信性能の向上によって、F1の安全性と規則順守を支える役割をさらに強化している。

F1の安全と競技運営を支える重要な電子ユニット
SDRはすべてのF1マシンに搭載されている公式データロガーであり、レース中の安全性向上や技術レギュレーションの監視を目的としてFIAへリアルタイムでデータを提供している。

マシンに搭載された加速度センサーや温度・圧力・速度センサー、さらには各種電子制御ユニットから情報を収集し、高速かつ高信頼で記録する。取得したデータは数式処理やハードウェアフィルターによって整理・分析され、専用通信回線を通じてFIAの競技委員へ送信される。

これにより異常な挙動やトラブルの兆候を迅速に検知できるほか、事故解析や技術規則違反の有無を確認するための重要な基盤となっている。

FIAとマレリが300レース達成を祝福
モナコGPでは300レース到達を記念するセレモニーが実施され、マレリ・モータースポーツ責任者のリカルド・デ・フィリッピが、FIA会長モハメド・ビン・スライエムへ限定版の「SDR 4」を贈呈した。

モハメド・ビン・スライエムは次のように述べた。

「SDRはF1にとって極めて重要な存在です。安全性を支え、規則順守を確実にするために必要な高品質なデータをFIAに提供してくれています。F1で300レースを達成したことは素晴らしい節目であり、マレリとの強い協力関係の証でもあります」

「モータースポーツの根幹には常にイノベーションがあります。新しいSDR 5のような先進技術は、より速く、より正確で、より包括的なデータを届けることで、FIAの競技委員を支える上で、今後さらに重要な役割を果たすことになるでしょう」

AIを搭載した新型SDR 5がデビュー
今回投入されたSDR 5は、2026年から導入された新たなF1技術規則に対応するために開発された最新モデルだ。

従来システムとの互換性を維持しながら、10基の高速CAN FDインターフェースと新たな車載イーサネット・ポートを搭載し、通信能力を大幅に向上させた。

最大5,000チャンネルのデータ取得に対応し、重要データの収集速度も改善。データ転送量と通信速度は従来比で2倍となり、より効率的な情報処理が可能となった。

さらに、高度なフィルター機能や監視機能の追加によってデータ精度を高めたほか、電圧や電流の測定機能も新たに搭載。最新のドライバー回路によってアクチュエーター制御の柔軟性も向上し、電流の直接計測や設置作業の簡略化も実現している。

そして最大の特徴がAIの導入だ。AIによる高度なデータ分析機能によって、膨大なレースデータから有益な情報をより迅速に抽出できるようになった。また、本体の軽量化によってマシン全体の性能向上にも貢献している。

マレリ「F1の進化を支え続ける」
リカルド・デ・フィリッピは、新型SDR 5の投入について次のようにコメントした。

「最先端のモータースポーツにおいて、リアルタイムのデータ分析は極めて重要です。当社のSDRがデータの収集と転送を支え、技術レギュレーションの順守に貢献してきたF1レースは、これまでに300回を超えました。これはまさに祝うべき節目です」

「新しいSDR 5の導入により、競技委員はこれまで以上に正確で信頼性が高く、すぐに役立つ情報を得られるようになります。私たちはFIAと共にイノベーションを推進し、F1の進化を支えていきます。これからも技術の限界に挑み続けることを楽しみにしています」

マレリは、SDR 5の導入によってF1およびFIAへの技術的貢献をさらに深めていく考えだ。100年以上にわたりモータースポーツで培ってきた経験を活かし、今後も安全性の向上と技術革新を通じて、最高峰カテゴリーの発展を支えていく。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / F1スポンサー