マックス・フェルスタッペン F1出場停止の危機回避:11戦連続ペナルティなし
マックス・フェルスタッペンは、メキシコGP週末を追加のペナルティポイントなしで終え、自動的なレース出場停止の危険から解放された。

レッドブルのドライバーは、イギリスGP以来、出場停止まであと3ポイントという状況が続いていた。しかしそれ以降、さらなる違反を回避しており、次戦ブラジルGP前にライセンス上の3ポイントが削除されることになる。

ペナルティポイントは12か月後に失効する。フェルスタッペンは昨年のメキシコGPでランド・ノリスをコース外に押し出したとして2ポイント、ブラジルGPでバーチャル・セーフティカー中に十分に減速しなかったとして1ポイントを失い、合計9ポイントから6ポイントに減る。

フェルスタッペンにとって最も危険だったのは、6月のスペインGPの後だった。このとき彼はジョージ・ラッセルと接触し、3ポイントを受け取っていた。その後の2戦では出場停止まであと1ポイントという状態が続いたが、その月の終わりに2ポイントが失効したことで危機を免れた。

フェルスタッペンは、メキシコGPでいくつかのインシデントに関与しながらも、新たなペナルティポイントを受け取らずに終えた。スタート直後のターン1でコースを外れ、6周目のターン1ではルイス・ハミルトンと接触し、その後ターン3と4でハミルトンを抑えようとしてコース外走行をした。

フェルスタッペンのペナルティポイントは9から6に減少するが、選手権ライバルのオスカー・ピアストリも次戦前にポイントが減少する。彼は昨年のインテルラゴスでリアム・ローソンと接触した際に受け取った2ポイントを失い、6から4に減る。ノリスは3ポイントのままだ。

現在、出場停止に最も近いドライバーであるオリバー・ベアマンも、日曜のレース後に安堵の息をつくことができる。彼は10ポイント、つまり出場停止まであと2ポイントの状態だったが、次戦前に2ポイントが失効することで、8ポイントになる。それでも依然として全ドライバー中最多である。

ベアマンは先週、この出場停止の脅威が自身に影響を与えていたと述べ、「これで少し自分らしくいられる」と語った

フェルスタッペン、ピアストリ、ベアマンのペナルティポイント(ブラジルGP時点)
次戦ブラジルGP前に失効するポイントは取り消し線で示す:

マックス・フェルスタッペン
日付:イベント/セッション/違反内容/ポイント
27/10/2024:メキシコGP/決勝/「他のドライバーをコース外に押し出した」/2
2/11/2024:ブラジルGP/スプリントレース/「ドライバーがVSC終了時の最低タイムを超過していた」/1
1/12/2024:カタールGP/予選/「カー1がクールダウンラップで不必要に遅く走行した」/1
8/12/2024:アブダビGP/決勝/「カー1がターン1でカー81と接触事故を起こした」/2
1/6/2025:スペインGP/決勝/「カー1がターン5でカー63と接触した」/3

オスカー・ピアストリ
日付:イベント/セッション/違反内容/ポイント
3/11/2024:ブラジルGP/決勝/「ターン1でカー30と接触事故を起こした」/2
8/12/2024:アブダビGP/決勝/「カー81がターン6手前でカー43と接触した」/2
6/7/2025:イギリスGP/決勝/「セーフティカー点灯中にT15手前の直線で不安定なブレーキングを行った」/2

オリバー・ベアマン
日付:イベント/セッション/違反内容/ポイント
3/11/2024:ブラジルGP/決勝/「ターン10でカー43と接触した」/2
23/5/2025:モナコGP/予選/「カー87が赤旗中にカー55を追い越した」/2
5/7/2025:イギリスGP/フリー走行3回目/「赤旗に従わなかった」/4
7/9/2025:イタリアGP/決勝/「カー87がターン4でカー55と接触した」/2

フェルスタッペンの“成熟”が際立つ
2025年序盤のフェルスタッペンは、ラッセルとの接触やVSC違反など、過去のアグレッシブな走りが再び問題視された時期があった。しかしその後は、レースマネジメントとリスクコントロールのバランスを大きく改善し、タイトル争いのプレッシャー下でも冷静な判断を維持している。

特にメキシコでは、序盤の混乱やハミルトンとの攻防の中でも接触を最小限に抑え、結果的にステュワードから一切の警告を受けなかった点が評価できる。
これは、過去に「勝利への執念が強すぎる」と批判された彼の走りに変化が生まれている証拠でもある。

今季残り2戦を無事に終えれば、フェルスタッペンは2026年開幕時点でさらにポイントが失効し、リスクはほぼゼロになる見通しだ。タイトル争いが続く中でも、クリーンで戦略的なレース運びが今後の焦点となる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング