マックス・フェルスタッペン メルセデスF1移籍の現実的な可能性は2027年?

レッドブル・リンクでは、4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンとメルセデスとの交渉が再開されたという噂が飛び交っており、興奮気味のメディアの見出しの中には「2026年に移籍か」と報じるものもある。
しかしヴォルフは、そのタイミングについて慎重な見方を示している。
「マックスは忠誠心の強い人物だ」とヴォルフはオーストリアの新聞『Kleine Zeitung』および『Krone』に語った。
「たとえレッドブルで状況が悪化していると感じたとしても、彼が最初のチャンスで飛び出すとは思えない」
また、フェルスタッペンの将来に影響を与える要因として、レッドブル内部のヘルムート・マルコをめぐる動きや、来年のマシンが競争力を保てるかどうかが挙げられるとも指摘した。
2026年から導入されるまったく新しい仕様のパワーユニットは、大きな性能差を生む要素になるとされており、フォードと初めて手を組むレッドブルに対して、長年の実績を持つメルセデスが優位に立つ可能性がある。
「彼ら(レッドブル)の新しい体制と人材から何か良い結果が出ることもあるかもしれない」とヴォルフは述べた。
「でも、それが実現する可能性を計算してみると、最初から大きな成果を出すというのは、かなりの離れ業だと思う」
ヴォルフは、メルセデスのエンジン開発体制が「30年間かけて築かれたもの」だと強調し、2013年に自然吸気エンジン時代が終わって以降、メルセデスがF1を支配したことをその証拠として挙げた。
「もちろん、また2014年のようになってくれればとは思っている。ただし、マクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌにも我々のエンジンが供給されることになる」
「ひとつ確かなのは、エンジンで完全に失敗したチームが出てくれば、(タイム差は)コンマ数秒どころの話ではなく、それ以上の大きな問題を抱えることになるということだ。レッドブルであれフェラーリであれ、あるいは我々自身であっても、同じことが言える」

とはいえ、ミスを犯す可能性はメルセデスにもあるとヴォルフは認めている。
「我々はまったくの手探り状態だ」とヴォルフは率直に語った。
「もしかしたら、マシンやエンジンの両面で我々が見落としているコンセプトがあるかもしれない。最大の違いはバッテリーになるとは思うけど、いずれにしても我々は現行マシンにはもうあまり力を注いでいない」
この状況は他のトップチームにも当てはまるようで、ヴォルフは「今は少人数のチームだけがセットアップの最適化に取り組んでいる」と説明した。
「空力面での長期的な開発はもう行われていない」
「他のチームがアップデートを時折導入したとしても、焦点はすでに100%来年に向けられている。今から来年の準備を始めるようなチームは、相当なリスクを背負うことになる」
アストンマーティンのトラックサイド責任者であるマイク・クラックもこの見解に同意しており、「これからは、改善内容を記載する技術文書もつまらないものになるだろう」とコメントしている。
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