WRC:トヨタ 2023年第1戦ラリー・モンテカルロ デイ1 レポート
2023年 FIA世界ラリー選手権(WRC) 第1戦 ラリー・モンテカルロが1月19日(木)にモナコで開幕。フランス南部の山岳地帯で2本のナイトステージが行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合1位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合5位につけた。
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合9位につけ、チームの全車が競技初日を走りきった。
競技初日となる木曜日は、午前中にモナコの北側に広がるフランス南部の山岳ステージでシェイクダウンが行われ、オジエがベストタイムを、ロバンペラが2番手タイムを、エバンスが4番手タイムを記録した。その後、夕方からモナコのカジノ前でセレモニアルスタートが行われ2023年のWRCシーズンが華々しく開幕。選手たちはすぐにフランス南部の山岳地帯へと移動し、夜8時過ぎからデイ1として2本、合計40.02kmのナイトステージに挑んだ。
有名なチュリニ峠を含むステージの路面は、雪こそないものの、所々凍結しており非常に難しいコンディションだった。そのようなトリッキーな路面を得意にしているオジエはSS1、SS2と2ステージ連続でベストタイムを記録。両ステージで2番手タイムを刻み総合2位につけたエバンスに、6秒差をつけて首位に立った。ロバンペラは、ドライバー選手権の王座を守るため堅実なスタートを切り、2ステージ連続で5番手タイムだったが、首位のオジエと17.1秒差につけている。勝田はSS1で4番手タイムを刻み良いスタートを切ったが、SS2でハンドブレーキにトラブルが発生。そのため多くのヘアピンコーナーでタイムを失うことになり、総合9位で初日を終えた。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今晩は本当に良いスタートを切ることができました。セブは常に高いモチベーションでこのラリーに臨むので、最初から攻めていくことは想定内でしたし、エルフィンもすぐに良いペースを掴んだので、とても頼もしく思います。カッレは暗闇の中を走るステージは好きではないと言っていましたが、まずまずのスタートでした。貴元も良いスタートを切りましたが、SS2で問題を抱えタイムを失ってしまいました。明日、新たなスタートを切れるように問題の解決に努めます。路面コンディションは全体的にドライですが、ハードに攻めている時に突然滑りやすい場所に出くわすと、大きな影響を受けます。そのためグラベルクルー(ルートノートクルー)の役割が非常に重要ですし、ドライバーがコンディションに関する全ての情報を持ち、自身を持って走れるようにしなければなりません。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
自分たちとしては、かなり良いスタートを切ることができたと思います。安全なペースでラリーをスタートする計画でしたが、他の選手と戦うことができる位置につけることができたので、明日以降も期待を持てそうです。SS1は非常にトリッキーで、自分が好きなタイプのステージではなかった上、ステージの最後には路面に凍結防止のための大量の塩が撒かれていました。そのため非常に滑りやすく、塩を掃き飛ばしながら走らなくてはならかったので、後から走る選手たちの方が速く走れるような状況でした。SS2もクリーンに走りましたが、霜に覆われたセクションでアイスノートの情報によって走りがやや慎重になってしまいました。それでも、全体的にはいいスタートになったと思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
暗闇の中でラリー・モンテカルロをスタートするのはエキサイティングですし、特別な感覚です。最初のステージは序盤からリズム良く走ることができ、タイムもまずまずでした。路面はほとんどドライでしたが、チュリニ峠の頂上付近はかなり滑りやすくなっていました。2本目のステージは、あるコーナーにブラックアイスがあり非常に危険な状態だったので、少し躊躇してしまいました。それでも全体的には順調な滑り出しとなり、明日に向けていい一日になったと思います。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリー・モンテカルロの最初の晩には多くのサプライズがあると分かっていたので、誰もがそれを乗り越えることを心待ちにしていたと思います。今晩、サプライズはそれほど多くなかったですが、SS1の終盤セクションでは塩が撒かれていたため滑りやすかったですし、SS2には凍結したコーナーがありました。ですので、それを乗り越えてベストタイムを2本記録し、首位に立てたのはポジティブなことです。ただし、タイム差はそれほど大きくないですし、ラリーはまだ始まったばかりなので、明日もこの調子で走り続けなくてはなりません。まだまだ先は長いので、集中力を高く保ってこのいいリズムをキープし、トラブルに遭遇しないように戦わなくてはなりません。
ラリー・モンテカルロ デイ1の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 26m33.7s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6.0s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) +15.4s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +15.5s
5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +17.1s
6 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +32.1s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +40.3s
8 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +41.4s
9 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +57.0s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +1m06.6s
明日のステージ情報
競技2日目となる1月20日(金)のデイ2は、サービスパークの西北に広がるフランス南部の山岳地帯で、3本のステージを各2回走行する。デイ2は日中のミッドデイサービスが設定されず、朝モナコでサービスを受けた選手は、3本のステージが終了した後、ピュジェ-テニエのタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換と簡単な整備作業のみで、3本の再走ステージを走行する。いずれも2022年大会で使用されたステージと同一、もしくは多くの部分が重なっている。6本のSSの合計距離は105.34km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は459.68kmとなる。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合9位につけ、チームの全車が競技初日を走りきった。
競技初日となる木曜日は、午前中にモナコの北側に広がるフランス南部の山岳ステージでシェイクダウンが行われ、オジエがベストタイムを、ロバンペラが2番手タイムを、エバンスが4番手タイムを記録した。その後、夕方からモナコのカジノ前でセレモニアルスタートが行われ2023年のWRCシーズンが華々しく開幕。選手たちはすぐにフランス南部の山岳地帯へと移動し、夜8時過ぎからデイ1として2本、合計40.02kmのナイトステージに挑んだ。
有名なチュリニ峠を含むステージの路面は、雪こそないものの、所々凍結しており非常に難しいコンディションだった。そのようなトリッキーな路面を得意にしているオジエはSS1、SS2と2ステージ連続でベストタイムを記録。両ステージで2番手タイムを刻み総合2位につけたエバンスに、6秒差をつけて首位に立った。ロバンペラは、ドライバー選手権の王座を守るため堅実なスタートを切り、2ステージ連続で5番手タイムだったが、首位のオジエと17.1秒差につけている。勝田はSS1で4番手タイムを刻み良いスタートを切ったが、SS2でハンドブレーキにトラブルが発生。そのため多くのヘアピンコーナーでタイムを失うことになり、総合9位で初日を終えた。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今晩は本当に良いスタートを切ることができました。セブは常に高いモチベーションでこのラリーに臨むので、最初から攻めていくことは想定内でしたし、エルフィンもすぐに良いペースを掴んだので、とても頼もしく思います。カッレは暗闇の中を走るステージは好きではないと言っていましたが、まずまずのスタートでした。貴元も良いスタートを切りましたが、SS2で問題を抱えタイムを失ってしまいました。明日、新たなスタートを切れるように問題の解決に努めます。路面コンディションは全体的にドライですが、ハードに攻めている時に突然滑りやすい場所に出くわすと、大きな影響を受けます。そのためグラベルクルー(ルートノートクルー)の役割が非常に重要ですし、ドライバーがコンディションに関する全ての情報を持ち、自身を持って走れるようにしなければなりません。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
自分たちとしては、かなり良いスタートを切ることができたと思います。安全なペースでラリーをスタートする計画でしたが、他の選手と戦うことができる位置につけることができたので、明日以降も期待を持てそうです。SS1は非常にトリッキーで、自分が好きなタイプのステージではなかった上、ステージの最後には路面に凍結防止のための大量の塩が撒かれていました。そのため非常に滑りやすく、塩を掃き飛ばしながら走らなくてはならかったので、後から走る選手たちの方が速く走れるような状況でした。SS2もクリーンに走りましたが、霜に覆われたセクションでアイスノートの情報によって走りがやや慎重になってしまいました。それでも、全体的にはいいスタートになったと思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
暗闇の中でラリー・モンテカルロをスタートするのはエキサイティングですし、特別な感覚です。最初のステージは序盤からリズム良く走ることができ、タイムもまずまずでした。路面はほとんどドライでしたが、チュリニ峠の頂上付近はかなり滑りやすくなっていました。2本目のステージは、あるコーナーにブラックアイスがあり非常に危険な状態だったので、少し躊躇してしまいました。それでも全体的には順調な滑り出しとなり、明日に向けていい一日になったと思います。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリー・モンテカルロの最初の晩には多くのサプライズがあると分かっていたので、誰もがそれを乗り越えることを心待ちにしていたと思います。今晩、サプライズはそれほど多くなかったですが、SS1の終盤セクションでは塩が撒かれていたため滑りやすかったですし、SS2には凍結したコーナーがありました。ですので、それを乗り越えてベストタイムを2本記録し、首位に立てたのはポジティブなことです。ただし、タイム差はそれほど大きくないですし、ラリーはまだ始まったばかりなので、明日もこの調子で走り続けなくてはなりません。まだまだ先は長いので、集中力を高く保ってこのいいリズムをキープし、トラブルに遭遇しないように戦わなくてはなりません。
ラリー・モンテカルロ デイ1の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 26m33.7s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6.0s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) +15.4s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +15.5s
5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +17.1s
6 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +32.1s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +40.3s
8 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +41.4s
9 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +57.0s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +1m06.6s
明日のステージ情報
競技2日目となる1月20日(金)のデイ2は、サービスパークの西北に広がるフランス南部の山岳地帯で、3本のステージを各2回走行する。デイ2は日中のミッドデイサービスが設定されず、朝モナコでサービスを受けた選手は、3本のステージが終了した後、ピュジェ-テニエのタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換と簡単な整備作業のみで、3本の再走ステージを走行する。いずれも2022年大会で使用されたステージと同一、もしくは多くの部分が重なっている。6本のSSの合計距離は105.34km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は459.68kmとなる。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)