ホンダF1 PU改善はFIAのADUO評価待ち「何を改善すべきかはその後に分かる」

2026年F1シーズンから導入された新パワーユニット規則では、競争力に大きな差が生じた場合にメーカーへ開発機会を与えるADUO制度が導入されている。カナダGPで最初の評価期間は終了したが、FIAによる分析作業は現在も続いている。
ホンダはFIAの正式判断を待つ段階
ADUO制度では、基準となる最も競争力の高いパワーユニットに対して一定以上の性能差が認定されたメーカーに改善が認められる。
しかし現時点では、FIAが各メーカーへ正式な評価レポートを配布しておらず、ホンダも最終的な開発方針を確定できていない。
折原慎太郎は現状について次のように説明した。
「現在の状況としては、FIAの判断を待っているところです」
「その結果を受け取れば、何を改善する必要があるのかが明確になりますし、実施しなければならない項目のリストも手に入ります。しかし現時点では、その決定を待っている状態です」
ホンダは自らのパフォーマンス状況を把握しているものの、正式な評価が出るまでは認められる改善範囲を確定できない。
アップグレード投入にはまだ時間が必要
一方で、FIAの判断が今後下されたとしても、すぐに新仕様のパワーユニットを投入できるわけではない。
折原慎太郎は開発プロセスの複雑さについて説明した。
「新しいエンジンを投入するプロセスには長期的な開発が必要です。まずCFDによる解析を行い、単気筒エンジンでの試験も必要になります」
「我々はすでに初期段階の開発には着手しています」
「次の段階ではV6エンジン全体の性能評価と信頼性試験を実施する必要があります。しかし、それには数週間かかります。短期間で終わる開発作業ではありません」
実戦投入時期について尋ねられると、折原慎太郎は次のように答えた。
「おそらく夏になると思います。ただ、どちらの夏かは分かりません。イギリスの夏なのか、日本の夏なのかは言えません」
この発言からは、アップグレード投入が少なくとも数か月先になる可能性が示唆されている。

最大の課題は燃焼性能
FIAから正式な評価結果が出ていないとはいえ、ホンダは現状の弱点を把握している。
折原慎太郎は、今後の開発の中心が内燃エンジン側になることを認めた。
「現行技術を改善する分野もあります。しかし、主に改善しなければならないのは燃焼です」
また、性能向上への近道は存在しないと強調した。
「魔法のような解決策はありません。我々は燃焼性能を改善し続けています」
「奇跡はありません。引き続き懸命に取り組んでいます。性能向上というのは、多くの小さな改善を一歩ずつ積み重ねていくことなのです」
アストンマーティンの反撃も夏以降か
ホンダ製パワーユニットを搭載するアストンマーティンは、2026年シーズン序盤から最高速や加速性能で苦戦している。
今回の折原慎太郎の説明からは、ホンダ側も問題の中心が燃焼効率にあると認識していることがうかがえる。しかし、改善策の実戦投入には依然として時間が必要であり、性能向上が本格的に現れるのは早くても夏休み前後になる可能性が高い。
そのため、アストンマーティンとホンダにとって2026年シーズン前半戦は、引き続き我慢の戦いになることが予想される。
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