アストンマーティンF1のギアボックス問題 ストロール「40km/h以下で同期を失う」

アストンマーティンは開幕以来パフォーマンス不足に苦しんでいるが、その要因のひとつがホンダ製パワーユニットと自社開発ギアボックスの協調制御にある。ストロールによれば、低速域でギアの同期が失われる問題が発生しており、モナコのような低速コーナー主体のサーキットでは大きな弱点になるという。
初の自社製ギアボックスが抱える課題
2025年までアストンマーティンはメルセデスからギアボックスを含むパワートレイン一式の供給を受けていた。しかしホンダとのワークス体制移行に伴い、2026年からは自社製ギアボックスを導入した。
現在のF1では、内燃エンジンだけでなく約475馬力に達する電動出力との連携が重要であり、ギアボックスとパワーユニットの同期精度がパフォーマンスを大きく左右する。
アストンマーティンでは、ホンダ製パワーユニットが十分な走行距離を重ねるようになって以降、この同期制御に関する問題が顕在化してきた。
「40km/h以下で同期を失う」
モナコGPへの見通しを問われたストロールは、AMR26のドライバビリティ問題に加えてギアボックスの課題を認めた。
「他の問題と同じように、僕たちはギアボックスとドライバビリティの問題を抱えている」とランス・ストロールは語った。
「それはかなり重要な要素になると思うし、僕たちにとって大きなチャレンジになるだろう」
さらにストロールは問題の具体的な内容を明かした。
「カナダでは少し改善したけど、40km/h以下になるたびにギアの同期が失われる。そのため再同期させなければならない」
モナコ特有の超低速コーナーであるグラン・ホテル・ヘアピン(旧ロウズヘアピン)では、その影響が顕著になる可能性がある。
「例えばここ(モナコ)では、ヘアピンを通過するたびにギアの同期を失うことになる。それによって大きなタイムを失っている」

アロンソだけではないシート問題
ストロールはまた、フェルナンド・アロンソを苦しめたシートの快適性問題についても言及した。
カナダGPでアロンソはシートの不快感を理由にリタイアしたが、ストロールによれば同様の問題はシーズン当初から続いているという。
「僕も長い間ずっと不快感を抱えていた。ただ対処するしかないんだ」
「モントリオールはホームレースだったから完走しなければならなかった。ほかに選択肢はないと感じていた。今年のAMR26ではドライバーの快適性に苦しんでいる」
現在もシート位置やペダル位置などの調整を続けているものの、根本的な解決には至っていない。
「いろいろ試している。シート位置を変えたり、ペダルを動かしたりして快適なポジションを探している。でもAMR26では難しい課題になっている」
モナコで露呈するAMR26の弱点
ストロールの説明からは、アストンマーティンが単なる空力やパワー不足ではなく、車両の基礎的な統合性能に苦戦していることがうかがえる。
特にモナコでは低速コーナーが連続するため、40km/h以下で発生するギア同期問題は他のサーキット以上にラップタイムへ直結する可能性が高い。カナダGPで表面化したシート問題と合わせ、アストンマーティンにとって今週末はマシンの根本的な課題が改めて試される一戦となりそうだ。
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