世界ラリー選手権
10月29日(日)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・グレートブリテンの競技4日目、最終日となるデイ4がイギリスのウェールズ北部を中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合5位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(#12号車)が総合9位でフィニッシュ。ウェールズの滑りやすく難しいグラベルロードで、チームは将来に向けて多くの学びを得た。

ラリー・グレートブリテンの最終日デイ4は、サービスパークの西南エリアで5本計41.17kmのSSが行なわれた。そのうち2本のSSはそれぞれ2回使われたが、2回目の走行時はグラベル(未舗装路)が泥で非常に滑りやすくなり、タイヤのグリップを得にくいコンディションだった。しかし、昨晩のサービスでセッティング変更を行った結果、ヤリスWRCのハンドリングは好転。ラトバラはSS19でベストタイムを、ボーナスポイントがかかるパワーステージに指定された最終のSS21では3番手タイムを記録し、ポジティブな形でラリーを締めくくった。また、ラッピは4日間を通して辛抱強く走りながらドライビングを改善し、総合9位に入り価値ある1ポイントを獲得。困難なラリーを戦い抜き、チームは貴重な経験を得た。

FIA世界ラリー選手権(WRC)次戦は11月16日から19日にかけて、オーストラリア東部で開催される第13戦「ラリー・オーストラリア」。2017年のシーズン最終戦に、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamはラトバラ、ラッピのヤリスWRC 2台体制で臨む。ラリーはオーストラリア東部コフスハーバーのサービスパークを中心に行われ、SSの数は全部で21本、計318.33km。森林地帯や牧草地など、種々様々なグラベルコースが戦いの舞台となる。

トミ・マキネン(チーム代表)
今回の自分たちのパフォーマンスに満足しているわけではありませんが、ポジティブな面もありました。何が正しくなくて、どのように改善すべきかを理解できたからです。我々のクルマはラリー・フィンランドのようなハイグリップなコンディションでは速く、大きな進化を確認できました。そしてラリー・スペインで少し変更を施したところ、正しくない方向に進んでしまいました。そして今回、ラリー前のテストで使った路面は、実際にラリーで走ったSSよりもグリップ力が高く、それが問題でした。今回の経験を活かし、次回は少し異なるセッティングで臨みたいと思います。我々のドライバーは良い仕事をしたと思いますが、特に今回が今年最後のラリーとなったユホについて述べたいと思います。非常に小さなミスが良くない結果に繋がり、彼の戦いは昨日終わってしまいました。それまで良いタイムを記録していたので、とても残念に思います。しかし、これがモータースポーツなのです。ユホは、我々の開発およびテストで重要な役割を果たしてくれました。今シーズン、我々がここまで来ることができたのは彼のお陰です。チーム全員、ユホにとても感謝しています。また、年間タイトルを決めたセバスチャン・オジエと、Mスポーツに祝意を表したいと思います。

ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)
最後のパワーステージでは、あれ以上は無理と言えるくらい攻めました。本当に自分のすべてを出しきったと思います。今回は完璧とはいえないラリーでしたが、それでもポイントを獲得し、何を改善すべきか理解できました。そして、これまで自分が乗ってきたラリーカーの中で、ヤリスWRCこそが最高のクルマであるという考えに、変わりはありません。テストと実際のコースではコンディションが異なり、それが今回苦戦した理由のひとつです。今日のようなツルツルの路面ではクルマの向きを変えることが難しく、フラストレーションが溜まりました。それでも、コースサイドには多くの観客の姿があり、ラリーを楽しむことができました。ラリー・グレートブリテンはいつも1年で最も難しいイベントのひとつですが、ラリー・フィンランド以降のイベントでは私にとって2番目のホームラリーと思える1戦です。いつもこのラリーを楽しんでいます。

エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
私にとって今回のラリーの最優先課題は最後まで走りきることでした。そして、このような難しいコンディションのコースで多くの経験を積むため、集中力を高めてラリーに臨みました。今日は各SSを1回目に走行した時は良い走りができ、タイムも悪くありませんでした。しかし2回目に走った時は路面の状態が変わって非常に滑りやすく、なかなかグリップを得ることができず苦労しました。結果は我々が望んだものではありませんでしたが、なかなか得難い経験をしたと思いますし、今回学んだ多くのことは必ずや将来役に立つでしょう。私もチームも、常に学んでいるのです。

ラリー・グレートブリテン デイ4の結果
1 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) 2h57m00.6s
2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +37.3s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +45.2s
4 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +49.8s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +50.3s
6 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード フィエスタ WRC) +1m02.3s
7 クリス・ミーク/ポール・ネーグル (シトロエン C3 WRC) +1m20.5s
8 ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +2m16.3s
9 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +2m46.5s
10 ダニ・ソルド/マルク・マルティ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +3m50.5s
R ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム (トヨタ ヤリス WRC)

2017 FIA世界ラリー選手権 第12戦終了後のドライバーズランキング
1 セバスチャン・オジエ 215
2 ティエリー・ヌービル 183
3 オット・タナック 169
4 ヤリ-マティ・ラトバラ 136
5 エルフィン・エバンス 118
6 ダニ・ソルド 95
7 ユホ・ハンニネン 71
8 クリス・ミーク 70
9 クレイグ・ブリーン 64
10 ヘイデン・パッドン 59
12 エサペッカ・ラッピ 51

2017 FIA世界ラリー選手権 第12戦終了後のマニュファクチャラーズランキング
1 Mスポーツワールドラリーチーム 398
2 ヒュンダイ・モータースポーツ 305
3 TOYOTA GAZOO Racing WRT 241
4 シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム 210

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)