【WRC】 トヨタ:WRC 第11戦 ラリー・スペイン プレビュー
TOYOTA GAZOO Racingは、10月5日(木)から8日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・スペインに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)の両方のロードサーフェス(路面)を走行する「ミックスサーフェス・ラリー」は新たなる挑戦となるが、クルマの総合性能をさらに高め、好結果を得るべくチーム一丸となってラリー・スペインに臨む。
今シーズン、ヤリスWRCはスノーラリーの第2戦ラリー・スウェーデンと、グラベルラリーの第9戦ラリー・フィンランドで優勝を果たした。また、8月に開催されたターマックラリーの第10戦ラリー・ドイチェランドでもSS(スペシャルステージ)ベストタイムを記録するなど、様々な路面で着実にパフォーマンスを高めてきている。そして迎える第11戦ラリー・スペインは、ヤリスWRCにとって新たなる挑戦となる。なぜなら、ラリー・スペインは競技初日のデイ1がグラベル中心のSSとなり、残る2日間のデイ2およびデイ3はターマックSSで構成されるからだ。デイ1に関してはグラベル仕様のクルマで走行し、タイヤやサスペンションもグラベル用となる。しかし、デイ1の夜には通常よりも長い75分間のサービス時間が設けられ、ヤリスWRCはグラベル仕様からターマック仕様へと大幅変更され、デイ2以降を戦うことになる。つまり、ラリー・スペインはグラベルとターマックのふたつのラリーを連続して戦うような特殊な一戦であり、クルマには両方の路面での速さが求められる。また、選手はドライビングスタイルをグラベル用からターマック用に、迅速に切り替える必要がある。
ラリー・スペインのサービスパークは、スペイン北東部カタルニア地方のシーサイドリゾート、サロウに置かれる。グラベルのデイ1はサロウの西側エリアで計6本のSSが行なわれ、SS3とその再走SSであるSS6はグラベル中心のコースながら、途中に比較的長いターマック区間を含む。ただしタイヤや足まわりはグラベル仕様のままで走行することになる。ターマック初日のデイ2はサロウの東北部が戦いの中心となり、SSは全部で7本。1日の最後にはサロウの海岸近くでショートSSが行われる。そして競技最終日のデイ3は、サロウから比較的近い北側から西側にかけてのエリアで6本のターマックSSが行われる。3日間で19本のSSを走行し、その合計距離は312.02km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1297.62kmとなる。
また、今回TOYOTA GAZOO Racingは、WRCにおけるテクノロジー・パートナーのマイクロソフトと共に「HoloLens(ホロ・レンズ)」サービスをファンブースにて試験導入する。ラリー・フィンランドで実施した「EchoCam(エコーカム)」に続き、2度目の共同施策となる。
トミ・マキネン(チーム代表)
私がドライバーとしてスペインで戦ったのは、現在のようなミックスサーフェス・ラリーとなる前の時代です。私にとっては未知なるイベントなので、私個人として展望を多く述べることはできませんが、ヤリ-マティはもちろんこのラリーのことを熟知しています。グラベルとターマックというふたつの路面で走るために、他のラリー以上に多くの機材やパーツを用意する必要があり、エンジニアやメカニックの仕事量も格段に増えます。しかし、彼らはクルマがサービスに入った時にすべきことをきちんと把握しており、そのための準備も充分にできているはずです。今季ここまで我々のクルマは着実に進化してきました。そして今回、いくつか新しいパーツやアイディアを投じることで、クルマがさらに良くなることを期待しています。
ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
初日がグラベル、残る2日間がターマックという組み合わせを私は気に入っています。スペインの舗装路はまるでサーキットのようで、WRC最高のターマックSSだと思います。また、グラベルに関しても、とても良いSSが揃っています。スペインに向けては今週2日間テストを行ないました。ターマックではサスペンションを、グラベルではディファレンシャルを集中的にテストしました。我々のクルマはグラベルのフィンランドで勝つだけの速さがあり、ターマックのドイツでも高いパフォーマンスを示しました。ですので、スペインでもきっと高い競争力を発揮できると信じています。
ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
事前のテストではドイツの時のように、クルマはとても良いフィーリングでした。本番でもドイツと同じようにラリーを戦う予定です。私はしばらくこのラリーに出ていなかったので、ここ数年間同じコースを使い続けている金曜日のグラベルSSは私にとって大きなチャレンジとなります。ですので、ライバルと対等に戦うためには、かなり攻めて走る必要があるでしょう。ただし、去年のように雨が降らない限りは、それほど大きな差はつかないのではないかと思います。ターマックの土曜日と日曜日に関しては、いくつか新しいSSがあるので、自分にとってはプラスになるのではないかと期待しています。
エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
グラベルとターマックが混合するスペインは、とても挑戦し甲斐があり、今季これまで自分たちが戦ってきた他のラリーとはタイプが完全に異なります。グラベルのSSはポルトガルと似ていると思います。ターマックのSSは非常にユニークで、世界でもっとも素晴らしいターマックステージだと思います。スペインのターマックはクリーンかつスムーズで、フランスのコルシカ島の道ほどツイスティではなく、ドイツの道ほど幅が狭くないため、運転がとても楽しく、ラリーのスタートが待ちきれません。前戦のドイツは浮き沈みが激しいラリーでしたが、最終的には競争力のある速さを得られたので、スペインでは両方の路面で良いパフォーマンスを発揮することができると思います。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
今シーズン、ヤリスWRCはスノーラリーの第2戦ラリー・スウェーデンと、グラベルラリーの第9戦ラリー・フィンランドで優勝を果たした。また、8月に開催されたターマックラリーの第10戦ラリー・ドイチェランドでもSS(スペシャルステージ)ベストタイムを記録するなど、様々な路面で着実にパフォーマンスを高めてきている。そして迎える第11戦ラリー・スペインは、ヤリスWRCにとって新たなる挑戦となる。なぜなら、ラリー・スペインは競技初日のデイ1がグラベル中心のSSとなり、残る2日間のデイ2およびデイ3はターマックSSで構成されるからだ。デイ1に関してはグラベル仕様のクルマで走行し、タイヤやサスペンションもグラベル用となる。しかし、デイ1の夜には通常よりも長い75分間のサービス時間が設けられ、ヤリスWRCはグラベル仕様からターマック仕様へと大幅変更され、デイ2以降を戦うことになる。つまり、ラリー・スペインはグラベルとターマックのふたつのラリーを連続して戦うような特殊な一戦であり、クルマには両方の路面での速さが求められる。また、選手はドライビングスタイルをグラベル用からターマック用に、迅速に切り替える必要がある。
ラリー・スペインのサービスパークは、スペイン北東部カタルニア地方のシーサイドリゾート、サロウに置かれる。グラベルのデイ1はサロウの西側エリアで計6本のSSが行なわれ、SS3とその再走SSであるSS6はグラベル中心のコースながら、途中に比較的長いターマック区間を含む。ただしタイヤや足まわりはグラベル仕様のままで走行することになる。ターマック初日のデイ2はサロウの東北部が戦いの中心となり、SSは全部で7本。1日の最後にはサロウの海岸近くでショートSSが行われる。そして競技最終日のデイ3は、サロウから比較的近い北側から西側にかけてのエリアで6本のターマックSSが行われる。3日間で19本のSSを走行し、その合計距離は312.02km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1297.62kmとなる。
また、今回TOYOTA GAZOO Racingは、WRCにおけるテクノロジー・パートナーのマイクロソフトと共に「HoloLens(ホロ・レンズ)」サービスをファンブースにて試験導入する。ラリー・フィンランドで実施した「EchoCam(エコーカム)」に続き、2度目の共同施策となる。
トミ・マキネン(チーム代表)
私がドライバーとしてスペインで戦ったのは、現在のようなミックスサーフェス・ラリーとなる前の時代です。私にとっては未知なるイベントなので、私個人として展望を多く述べることはできませんが、ヤリ-マティはもちろんこのラリーのことを熟知しています。グラベルとターマックというふたつの路面で走るために、他のラリー以上に多くの機材やパーツを用意する必要があり、エンジニアやメカニックの仕事量も格段に増えます。しかし、彼らはクルマがサービスに入った時にすべきことをきちんと把握しており、そのための準備も充分にできているはずです。今季ここまで我々のクルマは着実に進化してきました。そして今回、いくつか新しいパーツやアイディアを投じることで、クルマがさらに良くなることを期待しています。
ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
初日がグラベル、残る2日間がターマックという組み合わせを私は気に入っています。スペインの舗装路はまるでサーキットのようで、WRC最高のターマックSSだと思います。また、グラベルに関しても、とても良いSSが揃っています。スペインに向けては今週2日間テストを行ないました。ターマックではサスペンションを、グラベルではディファレンシャルを集中的にテストしました。我々のクルマはグラベルのフィンランドで勝つだけの速さがあり、ターマックのドイツでも高いパフォーマンスを示しました。ですので、スペインでもきっと高い競争力を発揮できると信じています。
ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
事前のテストではドイツの時のように、クルマはとても良いフィーリングでした。本番でもドイツと同じようにラリーを戦う予定です。私はしばらくこのラリーに出ていなかったので、ここ数年間同じコースを使い続けている金曜日のグラベルSSは私にとって大きなチャレンジとなります。ですので、ライバルと対等に戦うためには、かなり攻めて走る必要があるでしょう。ただし、去年のように雨が降らない限りは、それほど大きな差はつかないのではないかと思います。ターマックの土曜日と日曜日に関しては、いくつか新しいSSがあるので、自分にとってはプラスになるのではないかと期待しています。
エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
グラベルとターマックが混合するスペインは、とても挑戦し甲斐があり、今季これまで自分たちが戦ってきた他のラリーとはタイプが完全に異なります。グラベルのSSはポルトガルと似ていると思います。ターマックのSSは非常にユニークで、世界でもっとも素晴らしいターマックステージだと思います。スペインのターマックはクリーンかつスムーズで、フランスのコルシカ島の道ほどツイスティではなく、ドイツの道ほど幅が狭くないため、運転がとても楽しく、ラリーのスタートが待ちきれません。前戦のドイツは浮き沈みが激しいラリーでしたが、最終的には競争力のある速さを得られたので、スペインでは両方の路面で良いパフォーマンスを発揮することができると思います。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)