F1モナコGP 2ストップ義務を撤廃 2025年の混乱受け1年で方針転換

この特別ルールは、オーバーテイクが極端に困難な市街地コースの展開を活性化させる目的で2025年に試験導入されたものだった。しかし結果的には戦略的な“隊列コントロール”を助長し、評価は大きく割れることになった。
戦略操作がレースを支配した2025年
2025年のモナコGPでは、中団チームを中心に一方のマシンが意図的にペースを落とし、後続を抑え込むことでチームメイトにピットストップの余裕を与える戦術が横行した。
レーシングブルズはリアム・ローソンを“ロードブロック”として活用し、アイザック・ハジャーの上位フィニッシュを守った。結果的にその影響はフェルナンド・アロンソやエステバン・オコンにも波及した。
ウィリアムズも同様の戦術をより極端な形で実行。アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.の位置関係を利用して隊列をコントロールし、ダブル入賞を確保した。
ジョージ・ラッセルが膠着状態を打破するために意図的にシケインをカットする場面もあり、戦略合戦はレースの本質を揺さぶる展開となった。
「ショー」と「スポーツ」の間で揺れた評価
専門家の見解は分かれた。
スコット・ミッチェル=マルムは「レース本来の姿ではない」と厳しく批判。ベン・アンダーソンは「モナコの悪い側面を誇張しただけ」と断じた。
ゲイリー・アンダーソンは「実質的に何も変わらなかった」とし、上位勢の順位変動がほぼなかった点を指摘した。
一方でエディ・ストローは「ショーとしては向上したが、スポーツとしては疑問が残る」と分析。ジョン・ノーブルは「完璧ではないが退屈な前年よりは良かった」と一定の評価を与えた。
マット・ビアは「チームは常に抜け道を見つける。モナコは土曜にドラマが集約される特異な1戦として受け入れるべきだ」と総括している。

F1は“実験終了”を選択
今回の規定改訂により、モナコGPは通常通りの2セット使用義務へと戻る。
2024年に問題視された赤旗中の“無料タイヤ交換”問題への対策は別途検討が必要だが、2ストップ義務は単年実験で幕を閉じた形だ。
30戦規模へ拡大した現代F1において、1戦くらい土曜重視のグランプリがあってもいいのか。それとも、さらなる改革が必要なのか。
モナコは再び、その存在意義を問い直されている。
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