WEC | トヨタ 上海6時間レース 公式練習レポート
FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦上海6時間のレースウィークがウェットコンディションの下、2度の公式練習で幕を開けた。TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは、予選と決勝レースへ向けて多くの周回を走破し着実に準備を進め、両セッション共にトップ2を占めた。
上海のレースウィーク初日は、走行セッションのほとんどが雨という、全ての車両にとって厳しいコンディション。
加えて、LMP1クラスで新たに設定された性能調整により、2018年の最後のレースとなる上海は、レースウィーク序盤から非常に接近したタイムでの争いとなった。
刻々と天候の変わっていく一日となったが、この日の最速タイムは、現在シリーズランキング首位につける中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車が、やや路面が乾き始めた公式練習1回目の終盤、インターミディエイト・タイヤを履いて記録した。
前戦富士で勝利を飾った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆る7号車は、完全なウェットコンディションとなった午後の公式練習2回目でトップタイムをマークした。
LMP1クラスのノン・ハイブリッド勢は、富士での燃料及び重量面での性能調整に加えて、今大会上海において更に燃料面で優位となる性能調整が採り入れられた。その結果、公式練習2回目において、LMP1クラスのトップ4は僅か0.676秒の中に入る僅差となった。
本日金曜日は、LMP1クラスのチームにとっては、通常よりも朝早くから走行が開始されることとなった。LMP1クラスのノン・ハイブリッド車両には、朝8時から様々なタイヤのテストを行う機会が与えられ、TOYOTA GAZOO Racingも全105分間のセッションのうち60分間にわたって、部分的に濡れているコースでタイヤテストを行った。
午前11時から行われた公式練習1回目のセッションは、弱い雨と低い路面温度の中で始まった。セッションが進むにつれコンディションはやや改善していき、最後の数周はインターミディエイト・タイヤでの走行が可能となった。
ブエミが駆る8号車が最初にインターミディエイト・タイヤに履き替えると、すぐに好タイムをマークし、この日のベストタイムを記録することとなった。
しかし、ラップタイムはこの日のチームにとってあまり重要ではない。チームは1周5.451kmの上海国際サーキットにおける、空力面、メカニカル面、そしてハイブリッド・システムの調整に集中し、それは午後の公式練習2回目も続けられた。
公式練習2回目もセッション終盤に向かうにつれコンディションはやや良くなっていき、ロペスがウェットタイヤでこのセッションでの最速タイムを記録したが、1回目のタイムよりも6秒以上遅いものだった。
明日17日(土)は公式練習3回目の後に予選を行い、18日(日)現地時間午前11時(日本時間正午)に6時間の決勝レースがスタートする。
TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
公式練習1回目 : 2番手 (1分56秒354), 37周
公式練習2回目 : 1番手 (2分02秒259), 32周
TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
公式練習1回目 : 1番手 (1分54秒768), 39周
公式練習2回目 : 2番手 (2分02秒504), 35周
小林可夢偉(7号車):
両セッション共にウェットコンディションだったのはちょっと残念です。このコンディション下で出来る限りの作業をこなそうとしましたが、限られた数のウェットタイヤしか使えず、通常通りのセットアップ作業を行うのは困難でした。明日土曜日、路面コンディションがどのくらい回復するかを確認しなくてはなりません。明日の公式練習3回目は非常に重要なセッションになるでしょう。そこで可能な限りTS050 HYBRIDのセッティング改善を進めるつもりです。
マイク・コンウェイ(7号車):
今日はこのコースにTS050 HYBRIDを合わせるための作業を行うつもりでしたが、天候のために望み通りには行きませんでした。我々は全力で取り組みましたし、状況はどのチームにとっても同じですが、あらゆるコンディションにあわせて車両のパフォーマンスを引き出すのは難しいです。LMP1ノン・ハイブリッド勢との差は非常に僅かなようなので、明日の公式練習3回目で更なる最適化を進め、どんな天候になっても戦えるように準備する必要があります。
ホセ・マリア・ロペス(7号車):
良い一日でしたが、コースコンディションが刻々と変わり、大変な一日でもありました。何種類かのタイヤコンパウンドを試し、今日のようなコンディションでのデータを得られたのは良かったです。公式練習2回目の最後のラップは本当にTS050 HYBRIDの感触が良く、満足しています。我々はセッティング面で良い方向に進んでいると思いますし、これからの週末、天候がどうなるかを見守るだけです。
中嶋一貴(8号車):
雨のレースを想定すると、使用できるタイヤセットが限られているうえに性能落ちも大きく、タイヤのマネジメントに苦労しました。全般にグリップも弱く、チームはTS050 HYBRIDのチューニングと車両セットアップに注力しました。レースに向けて、今日は良い準備ができたと思いますが、僅差の戦いになりそうなので、集中を切らさず戦っていきたいと思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車):
多くの走行が出来た良い一日でした。雨で濡れた路面はとてもトリッキーでしたが、かなりの距離を走れたので、雨予報のレースに向けて準備万端です。ノンハイブリッド車とのタイム差は小さいので、厳しい戦いになりそうですが、今日得られたデータを分析し、可能な限り改善していきたいと思います。
フェルナンド・アロンソ(8号車):
今日は厳しいコンディションでしたが、いつもの金曜日と同様、あらゆる情報収集を行い、どのウェットタイヤがコースに最も適しているかを時間かけて分析しました。週末はおそらく激戦になるでしょう。天気が急変した場合、タイヤを素早く選択し、正しく判断するのが勝負の鍵になると思います。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)
上海のレースウィーク初日は、走行セッションのほとんどが雨という、全ての車両にとって厳しいコンディション。
加えて、LMP1クラスで新たに設定された性能調整により、2018年の最後のレースとなる上海は、レースウィーク序盤から非常に接近したタイムでの争いとなった。
刻々と天候の変わっていく一日となったが、この日の最速タイムは、現在シリーズランキング首位につける中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車が、やや路面が乾き始めた公式練習1回目の終盤、インターミディエイト・タイヤを履いて記録した。
前戦富士で勝利を飾った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆る7号車は、完全なウェットコンディションとなった午後の公式練習2回目でトップタイムをマークした。
LMP1クラスのノン・ハイブリッド勢は、富士での燃料及び重量面での性能調整に加えて、今大会上海において更に燃料面で優位となる性能調整が採り入れられた。その結果、公式練習2回目において、LMP1クラスのトップ4は僅か0.676秒の中に入る僅差となった。
本日金曜日は、LMP1クラスのチームにとっては、通常よりも朝早くから走行が開始されることとなった。LMP1クラスのノン・ハイブリッド車両には、朝8時から様々なタイヤのテストを行う機会が与えられ、TOYOTA GAZOO Racingも全105分間のセッションのうち60分間にわたって、部分的に濡れているコースでタイヤテストを行った。
午前11時から行われた公式練習1回目のセッションは、弱い雨と低い路面温度の中で始まった。セッションが進むにつれコンディションはやや改善していき、最後の数周はインターミディエイト・タイヤでの走行が可能となった。
ブエミが駆る8号車が最初にインターミディエイト・タイヤに履き替えると、すぐに好タイムをマークし、この日のベストタイムを記録することとなった。
しかし、ラップタイムはこの日のチームにとってあまり重要ではない。チームは1周5.451kmの上海国際サーキットにおける、空力面、メカニカル面、そしてハイブリッド・システムの調整に集中し、それは午後の公式練習2回目も続けられた。
公式練習2回目もセッション終盤に向かうにつれコンディションはやや良くなっていき、ロペスがウェットタイヤでこのセッションでの最速タイムを記録したが、1回目のタイムよりも6秒以上遅いものだった。
明日17日(土)は公式練習3回目の後に予選を行い、18日(日)現地時間午前11時(日本時間正午)に6時間の決勝レースがスタートする。
TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
公式練習1回目 : 2番手 (1分56秒354), 37周
公式練習2回目 : 1番手 (2分02秒259), 32周
TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
公式練習1回目 : 1番手 (1分54秒768), 39周
公式練習2回目 : 2番手 (2分02秒504), 35周
小林可夢偉(7号車):
両セッション共にウェットコンディションだったのはちょっと残念です。このコンディション下で出来る限りの作業をこなそうとしましたが、限られた数のウェットタイヤしか使えず、通常通りのセットアップ作業を行うのは困難でした。明日土曜日、路面コンディションがどのくらい回復するかを確認しなくてはなりません。明日の公式練習3回目は非常に重要なセッションになるでしょう。そこで可能な限りTS050 HYBRIDのセッティング改善を進めるつもりです。
マイク・コンウェイ(7号車):
今日はこのコースにTS050 HYBRIDを合わせるための作業を行うつもりでしたが、天候のために望み通りには行きませんでした。我々は全力で取り組みましたし、状況はどのチームにとっても同じですが、あらゆるコンディションにあわせて車両のパフォーマンスを引き出すのは難しいです。LMP1ノン・ハイブリッド勢との差は非常に僅かなようなので、明日の公式練習3回目で更なる最適化を進め、どんな天候になっても戦えるように準備する必要があります。
ホセ・マリア・ロペス(7号車):
良い一日でしたが、コースコンディションが刻々と変わり、大変な一日でもありました。何種類かのタイヤコンパウンドを試し、今日のようなコンディションでのデータを得られたのは良かったです。公式練習2回目の最後のラップは本当にTS050 HYBRIDの感触が良く、満足しています。我々はセッティング面で良い方向に進んでいると思いますし、これからの週末、天候がどうなるかを見守るだけです。
中嶋一貴(8号車):
雨のレースを想定すると、使用できるタイヤセットが限られているうえに性能落ちも大きく、タイヤのマネジメントに苦労しました。全般にグリップも弱く、チームはTS050 HYBRIDのチューニングと車両セットアップに注力しました。レースに向けて、今日は良い準備ができたと思いますが、僅差の戦いになりそうなので、集中を切らさず戦っていきたいと思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車):
多くの走行が出来た良い一日でした。雨で濡れた路面はとてもトリッキーでしたが、かなりの距離を走れたので、雨予報のレースに向けて準備万端です。ノンハイブリッド車とのタイム差は小さいので、厳しい戦いになりそうですが、今日得られたデータを分析し、可能な限り改善していきたいと思います。
フェルナンド・アロンソ(8号車):
今日は厳しいコンディションでしたが、いつもの金曜日と同様、あらゆる情報収集を行い、どのウェットタイヤがコースに最も適しているかを時間かけて分析しました。週末はおそらく激戦になるでしょう。天気が急変した場合、タイヤを素早く選択し、正しく判断するのが勝負の鍵になると思います。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)