WEC FIA 世界耐久選手権
WEC第4戦ニュルブルクリンク6時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID #7号車が、小林可夢偉とホセ・マリア・ロペスのタイムアタックでポールポジションを獲得。中嶋一貴とアンソニー・デビッドソンがタイムアタックした#8号車は共にLMP2車両に阻まれる不運もあり4番手に留まり、明日の決勝レースに臨む。

7月15日(土)、曇り空に覆われた前日の公式練習とは打って変わり、快晴のもとでWEC第4戦ニュルブルクリンク6時間レースの公式予選が行われた。

その結果、ホセ・マリア・ロペスと小林可夢偉がタイムアタックを担当したTS050 HYBRID #7号車が2人の平均タイム1分38秒118でポールポジションを獲得した。予選時の気温は16度。路面温度も25度と低めだったが、ミシュランタイヤは十分なグリップを発揮して、トヨタにとって鬼門といえるニュルブルクリンク6時間レースで初勝利に向けて期待を持たせる結果となった。TS050 HYBRID #8号車の予選タイムアタックは中嶋一貴とアンソニー・デビッドソンが担当、2人の平均タイムは1分38秒703で4番手グリッドを獲得した。

ポールポジションを獲得した#7号車はまずロペスがタイムアタック。彼にとっては初めてとなる予選タイムアタックにもかかわらず、1分38秒083のベストタイムを記録して小林にステアリングを託した。前戦ル・マン24時間でコースレコードを更新する速さでポールポジションを獲得した小林も好タイムをマーク。2台の平均タイムで昨年のポールポジション・タイムを1秒326上回り、2番手のポルシェ#2号車に0.154秒差を付けて今年3度目のポールポジションを獲得した。

TS050 HYBRID #8号車は最初にタイムアタックした中嶋が、コーナー立ち上がりでタイヤを暖めるべく蛇行運転していたLMP2車両とあわや接触かという場面に遭遇。中嶋は寸前でそれをかわしたために事なきを得たが、#8号車は大きくタイムロス。更にデビッドソンもトラフィックに阻まれ満足のいくタイムを記録出来ず、4番手グリッドに甘んじた。

TS050 HYBRID #7号車がポールポジションを獲得した結果、マニュファクチャラーズ選手権ポイント1点を追加、ポルシェとの差を23.5点に縮めた。ドライバーズ選手権ポイントでは#8号車がポルシェ#2号車に17点差と追っており、その差を縮めることを喫緊の目標に決勝レースに臨む。

決勝レースは7月16日(日)、午後1時(日本時間午後8時)に6時間のスタートが切られる。

TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
公式練習第3回目: 1番手 (1分38秒969), 26周
公式予選: 1番手 (平均1分38秒118)

TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
公式練習第3回目: 2番手 (1分39秒396), 29周
公式予選: 4番手 (平均1分38秒703)

小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)

予選はこの週末のほんの一部でしかありませんが、ポールポジションを獲得出来たこの瞬間を喜びたいと思いますし、ポールポジションによる1ポイント獲得でチームに貢献出来たのは良かったです。若干苦戦した金曜日の後、午前中の公式練習走行でも改良を続けました。ホセが本当に素晴らしいラップタイムを刻んでくれましたし、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました。これはチームワークによる結果です。後は決勝レースに集中します。

ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車)

金曜日の公式練習走行の後、更なる向上が必要だったのですが、チーム全員が全力でセットアップ改善に挑んだ結果、予選では充分な速さを見せることが出来ました。公式練習3回目からチームが予選と決勝レースへ向けて良い仕事をしてくれてポテンシャルを示せましたし、可夢偉も最高のアタックをしてくれました。私にとって初めて担当したWECの予選タイムアタックでポールポジションを獲得することが出来て最高の気分ですし、決勝レースが待ち切れません。

中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)

厳しい予選でしたが、クラッシュしなかったのは不幸中の幸いです。大クラッシュになりかねない出来事でした。チームメイトの#7号車が素晴らしい走りでポールポジションを獲得したことを祝福します。ここニュルブルクリンクにおけるTS050 HYBRIDの速さは示せましたし、決勝レースでも強さを見せて、選手権争いのためにも多くのポイントを獲得出来ればと思っています。

アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車)

不満の残る予選となってしまいました。TS050 HYBRIDの感触はとても良かったのでポジションアップを狙っていたのですが、1コーナーでピットアウトして来たLMP2車両に阻まれてしまいました。もし、あの場面が無かったとしても、恐らくポールポジションには届いていなかったとは思いますが、それでももう少し良いタイムはマーク出来ていたと思います。我々のTS050 HYBRIDは決勝レースに向けて良い仕上がりだと思いますので、明日が楽しみです。

WEC第4戦ニュルブルクリンク6時間 予選結果

順位No.ドライバー名チーム/車種平均タイム
17小林可夢偉
マイク・コンウェイ
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
1:38.118
12ティモ・ベルンハルト
アール・バンバー
ブレンドン・ハートレー
ポルシェLMPチーム
ポルシェ919ハイブリッド
1:38.272
31ニール・ジャニ
アンドレ・ロッテラー
ニック・タンディ
ポルシェLMPチーム
ポルシェ919ハイブリッド
1:38.278
48中嶋一貴
セバスチャン・ブエミ
アンソニー・デビッドソン
TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
1:38.703
関連:【WEC】 ニュルブルクリンク6時間 予選:トヨタ 7号車がポールポジション

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)