トヨタ
トヨタは、世界耐久選手権(WEC)第2戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースを戦うべく、ベルギーへ向かう。

トヨタの本拠地であるドイツ・ケルンはスパから約120kmの場所に位置しており、富士、そして今季からWECに加わったドイツのニュルブルクリンクと共に、チームにとっての3つのホームレースの初戦となる。

アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴の3名がドライブするTS040 HYBRID #1号車は、今月初めに行われた開幕戦シルバーストン6時間レースで3位表彰台という結果でシーズンのスタートを切った。デビッドソンとブエミは、1年前のスパ6時間レースで勝利を挙げている。

アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車はシルバーストンを4位でフィニッシュ。チームのポイント獲得に貢献し、トヨタはマニュファクチャラー選手権では首位のアウディに8ポイント差の2位につけて第2戦スパに臨む。

スパでのレースはTS040 HYBRIDにとって通算10戦目となるが、TS040 HYBRIDは昨年参戦した全てのレースで少なくとも1台が表彰台を獲得し、シリーズ5勝を飾っている。

開幕戦同様、チームはハイダウンフォース仕様のTS040 HYBRIDを持ち込むが、最高速が重要な、長いケメルストレートなどを持つスパのコース特性に合わせ、ダウンフォースレベルはシルバーストンよりも低く設定されることになりそうだ。

今年のスパ6時間は、2日間に全プログラムが詰め込まれ、忙しかった昨年までとは異なり、3日間のフォーマットで行われる。4月30日(木)は正午から午後1時半、午後4時半から午後6時(日本時間午後7時、午後11時半から)の2回の公式練習。5月1日(金)は午後2時からの1時間行われる公式練習3回目(同午後9時)の後、午後6時35分(同翌午前1時35分)からLMPクラスの予選が実施される。決勝レースは2日(土)午後2時半(同午後9時半)に6時間のスタートが切られる。

今週、世界チャンピオンチームは、TOYOTA GAZOO Racingとして初めてWECのレースに挑みます。これは、トヨタ自動車が、モータースポーツを「もっといいクルマづくり」と「人材育成」に活かして行くという目的に基づくもの。また、WECへの挑戦で鍛えられたハイブリッド技術は、すでに多岐にわたり市販車開発に活かされ、今後もフィードバックは続けられて行く。

佐藤俊男 チーム代表:
スパは我々にとって重要なレースです。それはホームレースのひとつであるというだけではありません。ル・マン24時間レースの前の最後のレースということで、データ収集やTS040 HYBRIDの微調整など、ル・マンへの準備のために非常に重要な一戦です。昨年我々はスパで勝利を挙げているので、その再現が目標ですが、知っての通りライバルは強敵です。シルバーストンの後、チーム全員が大変なハードワークをこなして来ており、準備は出来ていますし、勝利へ向けて戦える自信もあります。

アンソニー・デビッドソン (#1 TS040 HYBRID):
スパは楽しいコースで、昨年勝っていることもあり、再びレースが出来ることを楽しみにしています。開幕戦シルバーストンよりも我々の競争力が向上していることを願っています。スパでは常に天候は予測出来ません。何が起こるか誰にも分かりませんし、それは間違いなく結果に影響を与えます。コースは本当に魅力的で、LMP1カーでオー・ルージュを走るのはF1でのそれよりもチャレンジングです。ほぼ全開で走り抜けることが出来れば最高ですが、それは同時に限界ぎりぎりでの走行ということも意味しています。

セバスチャン・ブエミ (#1 TS040 HYBRID):
スパは素晴らしいコースで、間違いなく私のお気に入りのコースの一つです。オー・ルージュのような高速コーナーを我々のTS040 HYBRIDで走り抜けるのは最高で、コースに戻るのを楽しみにしています。スパでは昨年勝利を挙げているだけになおさらです。コースはシルバーストンよりも我々のTS040 HYBRIDに適しているはずで、勝利を争える自信があります。勿論強力なライバルが居るので簡単ではなく、練習走行から全てのパフォーマンスを引き出せるように集中しなくてはなりません。我々はやる気に満ちており、挑戦を楽しみにしています。

中嶋一貴 (#1 TS040 HYBRID):
スパという、ドライバーにとって最高のサーキットでレースを戦うのは本当に楽しい体験です。ケルンに戻ったチームが、このレースへ向けた準備のためにハードワークを続けてくれたことは知っていますし、シルバーストン以上の競争力で臨めると期待しています。スパも間違いなく接近戦で、ファンにとっては素晴らしいレースになるでしょう。昨年は私にとってスパで初めてとなる表彰台に登ることが出来ましたが、まだスパでは勝てていません。今年はそれに挑戦する最高のチャンスだと思っています。

アレックス・ブルツ (#2 TS040 HYBRID):
スパは本当に素晴らしいコーナーをいくつも持つ、最高のサーキットです。天候は予測出来ませんが、昨年は、その変わりやすさを経験出来たという点で良いレースでした。同様に、スパはタイヤ選択という点でも特別です。大変な挑戦を要求されるので、公式練習走行から確実に正しい方向性へ進めるように、ハードワークが必要です。そのために可能な限りの時間を費やすことになるでしょうが、その努力が報われることを願っています。

ステファン・サラザン (#2 TS040 HYBRID):
スパは私の好きなサーキットのひとつで、再訪を楽しみにしています。とてもエキサイティングで、ドライバーにとって、とてもチャレンジングです。長い歴史を持つ、昔ながらのサーキットで、特別な雰囲気を持っています。この週末、良い結果を得るべく燃えています。ル・マン前の最後のレースということもあり、常に勝利を目指して戦えるように、前向きな気持ちで全員がレースを終えられればと思っています。好結果が得られると確信しています。

マイク・コンウェイ (#2 TS040 HYBRID):
私自身、スパを走るのは2008年にGP2で戦って以来となり、ずいぶん久しぶりです。スパは好きなサーキットのひとつなので、TS040 HYBRIDで走れることが本当に楽しみです。素晴らしい体験となるでしょう。シルバーストンではまずまずのシーズンスタートを切ることが出来ましたが、スパは我々のTS040 HYBRIDにマッチしているので、更なる強さが見せられるはずです。スパは我々が昨年勝利を挙げたサーキットのひとつなので、今年も優勝トロフィを防衛すると共に、ル・マンに向けて完璧な準備を整えたいと思っています。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)