トヨタ、波乱の大雨から猛追で3位表彰台 (WEC第4戦)
トヨタは、FIA世界耐久選手権第4戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースに2台のTS040 HYBRIDで出場。急変する天候によりドラマティックながら厳しい戦いとなったレースで、3位表彰台を獲得した。
レース序盤、サーキットは突然の豪雨に見舞われ、波乱のレースとなった。この豪雨でアンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8は4位へと後退したが、諦めることなく追い上げを続け、3位でフィニッシュ。ドライバーズ選手権では11ポイント差で首位の座を守った。
アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと共に、マイク・コンウェイがトヨタ・レーシングでのデビューレースを戦ったTS040 HYBRID #7は6位。この結果、前半戦を終えたシリーズのマニュファクチャラーズ選手権では、トヨタ・レーシングはアウディに18ポイント差の2位につけることとなった。
レースは、1000馬力を四輪駆動で発揮するTS040 HYBRIDがその速さを存分に示し、ポールポジションからスタートの#8ブエミが首位を独走。1周目にして、5番手スタートの#7ブルツも2位に浮上した。
1時間弱が経過したところで2台のTS040 HYBRIDはピットへ向かい、#7はコンウェイへ、#8はラピエールへとドライバー交代。しかし、その後まもなく、サーキットは激しい雷雨に見舞われ、順位は大きく入れ替わることとなった。走行不可能なほどの難コンディション下で、2台のTS040 HYBRIDは共にアクアプレーニング現象に見舞われコースオフ。#8はグラベルに捕まり脱出出来なくなってしまった。
他にも数台が同様の状態となり、レースは安全のために赤旗が振られ中断となった。
中断の間もレースをカウントする時間は進んでいった。約1時間の中断の後、セーフティカー先導でレースは再開。大波乱の赤旗中断を経て、ラピエールがドライブする#8は4位、コンウェイの#7は7位で、共に周回遅れとして再スタートを切った。
日が沈み、闇がコースを包む中、4位に後退したラピエールはハイブリッド・インターミディエイト・タイヤに交換し、追撃を開始。コンウェイもまだ濡れた路面でプッシュを続けた。
次のピットタイミングでは、#8はデビッドソン、#7はサラザンへと交代し、タイヤをスリックへとチェンジ。4位を走行していた#8は、表彰台を目指し前走車との差を詰めていった。
ピットインタイミングの違いで順位が入れ替わる中、#8の最後のスティントを担当したブエミは、表彰台フィニッシュを確実なものとするために、決勝レース全車中のファステストラップをマークするハイペースで周回を重ね、3位でフィニッシュ。ブルツの#7は6位でチェッカーを受けた。
トヨタ・レーシングはホームレースで再び勝利を獲得すべく、10月12日(日)に開催される富士6時間レースのために日本へと向かい、長い歴史を持つこのコースで、3年連続の勝利を目指す。
木下美明 チーム代表:
最速のTS040 HYBRIDを持っていながら勝てなかったのだから、大変に不満な結果だ。手に負えない突然の大雨だったが、我々が受けた痛手はライバルに比べて大きかった。それから後は、とにかく可能な限り多くのポイントを獲得してダメージを最小限に食い止めるべく努力した。今週末の収穫は少なかったが、次の富士スピードウェイではより良い成績を挙げるために全力を注ぐ。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
決勝結果: 6位、155周、ピットストップ5回、最高ラップタイム 1分51秒383
アレックス・ブルツ:
全体的にフラストレーションの溜まる週末になってしまった。良いスタートが切れたし、2位争いまで進出したが、雨に見舞われてしまった。そして、残念ながら3位を走行中に赤旗中断となり、再スタート時は7位からの追い上げを強いられた。その後は6位に上がるのが精一杯だった。
ステファン・サラザン:
誰にとってもタフなレースだった。.激しい雨にも祟られた。赤旗が解除された時に我々はピットインしていたことも、レースを苦しいものにした。TS040 HYBRIDは快調で、トップリザルトを狙えるはずだった。我々と同時に#8にとっても残念な週末となった。今は、次戦の第5戦富士6時間に挑むだけだ。
マイク・コンウェイ:
盛りだくさんのレースだった。激しい雨に見舞われ、まるで湖の中を走っているようだった。幸運にも我々はコースに復帰することが出来、3位に順位を上げられたのだが、その後の再スタートでは7位まで後退を余儀なくされ、厳しいレースとなってしまった。ステファンとアレックスが奮闘してくれたが、6位が精一杯だった。もっと良い結果を望んでいたが、これもモータースポーツだ。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
決勝レース:3位、157周、ピットストップ5回、最高ラップタイム 1分50秒390
アンソニー・デビッドソン:
結果が思うように得られなかった時には、何か良い点を探すことが大切だが、我々のTS040 HYBRIDは最速だったことは間違いない。勝つべきだった。これから先は、選手権タイトルを勝ち取るために前進するのみだ。困難な状況だが、少なくともドライバーズ選手権ではリードしている。とにかくこれから先に残るレースで可能な限り勝利を重ねるつもりで突き進むしかない。
ニコラス・ラピエール:
今シーズン勝つべきレースでまたしても3位に甘んじてしまい、とても落胆している。我々のTS040 HYBRIDは勝てるはずだった。誰もが晴れのレースを期待していたが、突然の大雨が襲って来て、それですべてが変わってしまった。晴れでは我々のTS040 HYBRIDはアウディよりほんの少し速いだけだが、悪天候では最強だ。もちろん落胆したが、ここのサーキットは我々には向いていないことを考えると、残りのレースには希望が持てる。
セバスチャン・ブエミ:
落胆したという以外に何と言って良いか分からない。勝てたはずのレースを失ってしまった。何とか表彰台に立てたことは悪くないが、最速のTS040 HYBRIDを持っていながら3位に甘んじ、選手権で先を越されたことは決して喜べない。次の日本のレースで必ず巻き返したい。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)
レース序盤、サーキットは突然の豪雨に見舞われ、波乱のレースとなった。この豪雨でアンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8は4位へと後退したが、諦めることなく追い上げを続け、3位でフィニッシュ。ドライバーズ選手権では11ポイント差で首位の座を守った。
アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと共に、マイク・コンウェイがトヨタ・レーシングでのデビューレースを戦ったTS040 HYBRID #7は6位。この結果、前半戦を終えたシリーズのマニュファクチャラーズ選手権では、トヨタ・レーシングはアウディに18ポイント差の2位につけることとなった。
レースは、1000馬力を四輪駆動で発揮するTS040 HYBRIDがその速さを存分に示し、ポールポジションからスタートの#8ブエミが首位を独走。1周目にして、5番手スタートの#7ブルツも2位に浮上した。
1時間弱が経過したところで2台のTS040 HYBRIDはピットへ向かい、#7はコンウェイへ、#8はラピエールへとドライバー交代。しかし、その後まもなく、サーキットは激しい雷雨に見舞われ、順位は大きく入れ替わることとなった。走行不可能なほどの難コンディション下で、2台のTS040 HYBRIDは共にアクアプレーニング現象に見舞われコースオフ。#8はグラベルに捕まり脱出出来なくなってしまった。
他にも数台が同様の状態となり、レースは安全のために赤旗が振られ中断となった。
中断の間もレースをカウントする時間は進んでいった。約1時間の中断の後、セーフティカー先導でレースは再開。大波乱の赤旗中断を経て、ラピエールがドライブする#8は4位、コンウェイの#7は7位で、共に周回遅れとして再スタートを切った。
日が沈み、闇がコースを包む中、4位に後退したラピエールはハイブリッド・インターミディエイト・タイヤに交換し、追撃を開始。コンウェイもまだ濡れた路面でプッシュを続けた。
次のピットタイミングでは、#8はデビッドソン、#7はサラザンへと交代し、タイヤをスリックへとチェンジ。4位を走行していた#8は、表彰台を目指し前走車との差を詰めていった。
ピットインタイミングの違いで順位が入れ替わる中、#8の最後のスティントを担当したブエミは、表彰台フィニッシュを確実なものとするために、決勝レース全車中のファステストラップをマークするハイペースで周回を重ね、3位でフィニッシュ。ブルツの#7は6位でチェッカーを受けた。
トヨタ・レーシングはホームレースで再び勝利を獲得すべく、10月12日(日)に開催される富士6時間レースのために日本へと向かい、長い歴史を持つこのコースで、3年連続の勝利を目指す。
木下美明 チーム代表:
最速のTS040 HYBRIDを持っていながら勝てなかったのだから、大変に不満な結果だ。手に負えない突然の大雨だったが、我々が受けた痛手はライバルに比べて大きかった。それから後は、とにかく可能な限り多くのポイントを獲得してダメージを最小限に食い止めるべく努力した。今週末の収穫は少なかったが、次の富士スピードウェイではより良い成績を挙げるために全力を注ぐ。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
決勝結果: 6位、155周、ピットストップ5回、最高ラップタイム 1分51秒383
アレックス・ブルツ:
全体的にフラストレーションの溜まる週末になってしまった。良いスタートが切れたし、2位争いまで進出したが、雨に見舞われてしまった。そして、残念ながら3位を走行中に赤旗中断となり、再スタート時は7位からの追い上げを強いられた。その後は6位に上がるのが精一杯だった。
ステファン・サラザン:
誰にとってもタフなレースだった。.激しい雨にも祟られた。赤旗が解除された時に我々はピットインしていたことも、レースを苦しいものにした。TS040 HYBRIDは快調で、トップリザルトを狙えるはずだった。我々と同時に#8にとっても残念な週末となった。今は、次戦の第5戦富士6時間に挑むだけだ。
マイク・コンウェイ:
盛りだくさんのレースだった。激しい雨に見舞われ、まるで湖の中を走っているようだった。幸運にも我々はコースに復帰することが出来、3位に順位を上げられたのだが、その後の再スタートでは7位まで後退を余儀なくされ、厳しいレースとなってしまった。ステファンとアレックスが奮闘してくれたが、6位が精一杯だった。もっと良い結果を望んでいたが、これもモータースポーツだ。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
決勝レース:3位、157周、ピットストップ5回、最高ラップタイム 1分50秒390
アンソニー・デビッドソン:
結果が思うように得られなかった時には、何か良い点を探すことが大切だが、我々のTS040 HYBRIDは最速だったことは間違いない。勝つべきだった。これから先は、選手権タイトルを勝ち取るために前進するのみだ。困難な状況だが、少なくともドライバーズ選手権ではリードしている。とにかくこれから先に残るレースで可能な限り勝利を重ねるつもりで突き進むしかない。
ニコラス・ラピエール:
今シーズン勝つべきレースでまたしても3位に甘んじてしまい、とても落胆している。我々のTS040 HYBRIDは勝てるはずだった。誰もが晴れのレースを期待していたが、突然の大雨が襲って来て、それですべてが変わってしまった。晴れでは我々のTS040 HYBRIDはアウディよりほんの少し速いだけだが、悪天候では最強だ。もちろん落胆したが、ここのサーキットは我々には向いていないことを考えると、残りのレースには希望が持てる。
セバスチャン・ブエミ:
落胆したという以外に何と言って良いか分からない。勝てたはずのレースを失ってしまった。何とか表彰台に立てたことは悪くないが、最速のTS040 HYBRIDを持っていながら3位に甘んじ、選手権で先を越されたことは決して喜べない。次の日本のレースで必ず巻き返したい。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)