F1 トロロッソ・ホンダ メキシコグランプリ
トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第19戦 メキシコGPへの意気込みと舞台となるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスについて語った。

標高2000m以上にあるメキシコシティでのレースは、マシンとドライバーに負担を強いる。空気の薄さから、エンジンへの酸素供給が普段以上に難しくなるため、ターボの重要性が高まる。

それでもエンジンの燃焼効率は厳しいので、カレンダー中でも最長クラスのロングストレートで、MGU-Hの回生をどれだけできるかも大切となる。

ピエール・ガスリー
「昨年は、ここで13位でフィニッシュしました。大勢の熱狂的なファンがいてくれるおかげで、メキシコGPは年間シーズンを通して最もすばらしく、特別な雰囲気が楽しめるレースの一つです。今年もメキシコの祭典“死者の日”の直前にレースが開催されるので、あの独特の雰囲気を味わうのも楽しみにしています。昨年のレースはさまざまな要因が重なって非常に難しい状況で、予選にも出られず、レース本番までほとんど走行ができませんでした。レースは標高約2300mの高地で開催されるため、チームはテクニカル面で、複雑な作業を強いられます。エンジン、ブレーキング、信頼性が高度によって影響を受けますし、タイヤのグリップ力も低下するため、マシンのセットアップが難しくなります。当然、酸素も薄いため、ドライバーにとっても平地でのレースより身体的にタフです。ただ、ハードブレーキングするポイントや高いGがかかるコーナーはあまりないため、全体で見ればそこまでタフではないかもしれません」

ブレンドン・ハートレー
「メキシコはF1マシンで走ったことがあり、大好きなトラックです。WECでは優勝した経験もあります。レースは標高2000mを超える高地で開催されるため、空気密度が薄く、特にフロント面のセットアップを工夫しなくてはなりません。ダウンフォースとグリップ力が低下するため、それと比例してトップスピードは上昇します。高度は、ドライバー、チームクルー、そしてマシンにそれぞれ大きな影響を及ぼします。僕は今年、マウンテンバイクのマラソンレースであるレッドヴィル100にも出場しましたし、高標高地で多くの時間を過ごしてきたので、高度には問題なく適応できると思います。それでも、コックピット内で酸素の薄さは実感するでしょうね。さらに、マシンの冷却も重要な課題の一つとなります。チームはこれらの課題をすべて正しく処理しなくてはならないため、今週末はマシンにとってかなりトリッキーなものになります。レースの舞台となるエルマノス・ロドリゲス・サーキットの最終セクターには、ファンの声援が響くすばらしい雰囲気の中、タイトなコーナーを駆け抜けていくスタジアムセクションが設置され、ドライバーからも高い人気があります。ファンをとても近くに感じれますし、メキシコでは、レースウイーク中、街全体がF1を盛り上げてくれるんです。過去数戦でさまざまなアップデートを投入していますし、いい走りができるチャンスはあるはずです」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「最終的に2ポイント獲得を獲得できたアメリカGPを終え、チームはそこから直接メキシコシティに入りました。今回レースが開催されるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは、標高2200m超の環境により空気が薄くなるため、PU、シャシーともにエンジニアにとっては特殊な対応が必要なサーキットです。PUとしては空気密度が低いために、ターボの仕事量が増えることにより負担がかかります。そのためICEやMGU-Hに対しても通常とは異なる設定が必要です。また冷却も難しい環境になります。当然ベンチ上でこのような環境へのシミュレーションは行なっていますが、ただ、現地を実際に走った上での調整が重要になってきます。私個人としては、1992年以来のメキシコでのレースになりますが、当時もファンが情熱的だったことをよく覚えています。今年もHonda De Mexicoから多くの同僚が応援に来てくれますので、彼らの声援に応えられる意味でもいいレースをしたいと思います」

関連:2018年 F1メキシコGP テレビ放送時間&タイムスケジュール

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / トロロッソ / ホンダF1 / F1メキシコGP