F1 トロロッソ・ホンダ イギリスGP
トロロッソ・ホンダは、2018年のF1世界選手権 第10戦 イギリスGPの予選でピエール・ガスリーが14番手、ブレンドン・ハートレーは出走できなかった。

第10戦イギリスGPは2日目を迎え、P3と予選が行われた。シルバーストンは朝から好天。気温23℃のコンディションで、セッションが始まった。

午前11時からP3が始まり、トロロッソ・ホンダの2台は、まずハードタイヤでコースインし、1ラップ回ってタイヤの皮むきを済ませるとソフトタイヤに交換。

しかし、アウトラップのターン6で、ブレンドン・ハートレーのマシンにトラブルが発生。左前輪部分が破損し、ハートレーはコースオフしてバリアに衝突した。これによりセッションは赤旗中断となる。

再開後、チームはハートレーのトラブルの原因究明とガスリーのマシンチェック作業を行い、ガスリーはその後コースに出ることはなく、2台ともにこのセッションをほとんど走行できないまま終了した。

青空が広がり、気温25℃、路面温度51℃にまで上昇した午後2時、予選が開始した。午前のP3でクラッシュしたハートレーは、メディカルチェックの結果、身体に異常はなかったが、マシンの修復が間に合わず、チームは予選の走行を断念している。

ハートレーのマシンと同じトラブルを避けるため、予選前にガスリーのマシンのサスペンション交換を実施。通常では予選に間に合わないタイミングでの作業開始だったが、懸命の作業の結果、なんとか間に合わせることができた。

Q1で、ガスリーは早々に1回目のアタックを行い、1分29秒657をマーク。その直後、コースオフしたマシンが出て、セッションは赤旗中断に。再開後、2回目のアタックを行なったガスリーは、1分28秒686とタイムを伸ばす。しかし、非常に接近した争いで、Q1突破が危ういポジションだったため、セッション終盤に3回目のアタックを行った。このアタックで、ガスリーは1分28秒399と自己ベストを更新し、15番手でQ1突破を果たした。

Q2では、1回目のアタックに中古のソフトタイヤで出たガスリーは、1分29秒057とタイムを伸ばせず、セッション終盤に新品タイヤに替えて2回目に臨み、1分28秒343と自己ベストを更新。しかしポジションは14番手にとどまり、Q3進出を果たすことはなかった。

決勝レース、ガスリーは7列目14番手から、不出走のハートレーはピットレーンからスタートし、ポイント獲得を目指してレースに挑む。

イギリスGP決勝レースは7月8日(日)午後2時10分(日本時間午後10時10分)にスタートする。

ピエール・ガスリー (14番手)
「トラブルによって周回数をこなせずに厳しい状況だったことを考えれば、悪くない一日だったと思います。P3でのブレンドンのクラッシュ後にフロントサスペンションを全交換し、それによってセットアップも変更を強いられたので、予選に間に合わない可能性もありました。でも、チームは最高の仕事をしてくれました。この変更作業を素早く完了させ、間に合わせてくれたのです。マシンはとてもいい感触で、みんなの努力と素晴らしい仕事ぶりに感謝しています。GPSで確認すると、僕らはコーナーでは良いのですが、ライバルと比べてストレートで差があるので、厳しい戦いになるかもしれません。でも、レースは明日ですし、チャンスをつかめるように引き続き努力していきます」

ブレンドン・ハートレー
「今日のクラッシュは現代のF1マシンの安全性を証明するものになったと思います。あのようなクラッシュを喫しても大事なく自力で歩いてマシンを降りられたことは、F1というスポーツの安全性がどれだけ進化しているかを示しています。マシンは大破してしまいましたが、僕の体には問題ありません。今日の走行に向けて金曜にたくさんデータを集めて、とくにセクター1ではとてもいい感触になっていただけに、予選に出られなかったのは残念でした。ブレーキペダルを踏んだ瞬間に突然フロントサスペンションが壊れて、なす術がありませんでした。ただ、みんながレースに向けてマシンを修復してくれているので、明日また戦えることを願っています」

ジェームズ・キー (トロロッソ テクニカルディレクター)
「厳しい一日でした。まず、ブレンドンにはマシンに問題があったことを申し訳なく思っています。彼が無事で本当によかったですし、F1マシンの安全性が示されたとは思いますが、あのような光景は誰もが目にしたくないものだと思います。サスペンションに問題がありましたが、事前には見つけることができないものでした。細部を調査するとともに、ピエールのマシンに同じことが起こらないように、原因がはっきりするまでの予防的措置として交換を行いました。ブレンドンのマシンはダメージが大きく、予選には出走できなかったので、彼は明日ピットスタートになります。ピエールはP3でほとんど走行できず、予定していたアイテムのテストやセットアップの進捗ができない状態で予選に進んだため、不利な状況でした。そんな中、ピエールは昨日のフリー走行よりも予選のほうがマシンが良くなったと感じていたので、Q1で3回のアタックを行って感触を確かめました。Q2では想定していたペースが出せましたが、今日はQ3進出は不可能だったと思います。週末を通じて中速コーナーでの改善を進めてきましたが、高速コーナーでもかなり競争力がある状態です。直線でのスピードと低速コーナーでは劣っていますが、今週末と先週のオーストリアで学んだので、何に取り組まなければならないかは分かっています。昨日のロングランペースはライバルと比べても悪くないですし、レースまでに全力を尽くし、14番手スタートのピエールが混乱に巻き込まれなければ、チャンスはあるはずです。ブレンドンもピットスタートですが、追い上げに期待しています」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「まず、あのような大きなクラッシュにもかかわらずハートレー選手にケガがなかったことは幸いでした。フリー走行で十分に走ることができなかったにもかかわらず、予選Q2進出を果たしたガスリー選手はいい仕事をしてくれたと思います。また、チームも予選に間に合わせるために非常に速いスピードでサスペンションの交換作業を完了させてくれました。チームとしてはここまで難しい週末になっていますが、ここからは明日の決勝でのパフォーマンスにフォーカスしていきます」

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