SUPER GT
2018年のSUPER GT第4戦『Chang SUPER GT RACE』の決勝レースが7月1日(日)にタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで行われた。

GT500クラスは、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉)が予選3位から逆転優勝。GT300クラスはNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が優勝した。

予選日は、予選開始前にスコールが降り、予選時間には雨は止んだものの路面が濡れている中での難しいコンディションだった。だが、決勝日は雲もあるが、南国らしい澄み切った青空がのぞく、好天の下でのレースとなった。

現地時間午後3時ちょうどにレースはスタート。好スタートを切って先行するポールポジションのNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)を追うのは、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンだ。勢いに勝るDENSO KOBELCO SARD LC500は19周目にトップに立つと後続を引き離す。ポジションを下げるMOTUL MUGEN NSX-GTに代わり、DENSO KOBELCOを追うのは、同じLEXUS LC500のNo.6 WAKO'S 4CR LC500(フェリックス・ローゼンクヴィスト)だ。2台のLC500は3秒ほどの差を保ったまま、所定のピットインを終了。

双方共に速やかにピット作業を終えてポジションは変わらない。だが、DENSO KOBELCO SARD LC500(小林可夢偉)のすぐ後ろまでWAKO'S 4CR LC500(大嶋和也)は迫り、激しいトップ争いを行った。この2台にNo.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資)とNo.36 au TOM'S LC500(関口雄飛)も接近し、4台のLC500による上位争いとなる。

一時、ハイペースな追い上げを見せたau TOM'Sの関口が、WAKO'S 4CRを抜いてDENSO KOBELCOの小林に迫る。だが、この激闘はラスト1周に思わぬ結末を迎えた。なんとau TOM'Sがガス欠症状でストップしてしまう。これで楽になったDENSO KOBELCO SARD LC500の小林は自身にとって初優勝となるゴールをくぐった。コバライネンは通算3勝目で、今季結成された元F1ドライバーコンビの記念すべき勝利だ。LC500にとってはこれが今季初優勝。しかも2、3位もWAKO'S 4CR LC500とWedsSport ADVAN LC500が入り、表彰台はLC500の独占となった。

Honda NSX-GT勢の最上位は5位のMOTUL MUGEN NSX-GT(後半は中嶋大祐)で、NISSAN GT-R NISMO GT500の最上位は6位のNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)となった。

GT300クラスは、予選2位から好スタートを切ったNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン)がスタート直後にトップとなって逃げるも、他車との接触からのマシントラブルでリタイア。代わってトップに立ったNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一)をNo.11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信)が僅差で追う。ピットイン後は、GAINER TANAX GT-R(平中克幸)がトップに立ち、そのまま優勝した。2位にはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平)。3位にはNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/宮田莉朋)が入った。

GT500クラス
No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500
ヘイキ・コバライネン
「このサーキットで勝つことができたし、カムイ(小林可夢偉)さんと一緒に勝つことができて、非常にいい週末になりました。今シーズンの僕たちは、まるでジェットコースターのような展開で、開幕戦の岡山では最低のレースになったし、富士ではまずまずのレースになり、前回の鈴鹿は僕のミスで台無しにしてしまいました。でも今日は勝つことができて本当に嬉しいです」

小林可夢偉
「このサーキットを走るのは今回が初めてだったし、鈴鹿でも決勝を走ることがなく富士は欠場していたので、このクルマでレースを走るのは開幕戦の岡山以来。そんな状況だったので、正直なところ、ここに来るまでは勝てるとは思えませんでした。だから、勝って嬉しいのはもちろんですが、がんばってくれたチームとヘイキ(コバライネン)さんに感謝したいです」

GT300クラス
No.11 GAINER TANAX GT-R
平中克幸
「今回は走りだしからクルマの調子が良くて、特にクルマとタイヤのマッチングが素晴らしく、練習走行から手応えを感じていました。そして実際に結果に繋がりました。GT-Rの2018年モデルは速い、と前評判がありましたが、ここまで楽なレースはなかった。でも、そんな中でもチームが一丸となって努力した結果が、今日の優勝に繋がったんだと思います。優勝できて本当にうれしいです」

安田裕信
「僕にとっては今回がSUPER GT参戦100戦目になりました。その記念すべきレースで優勝できて気分は最高です。FIA GT3はクルマによってコースの得意不得意があります。ここはGT-Rとの相性が良いと言われていたし、走りだしからクルマの調子も良かったですね。僕は前半を担当しましたが、落ち着いてポジションを上げて行くことができました。後半は平中選手がんばって、GT-Rの今季初優勝を飾ることができました」

2018年 SUPER GT 第4戦 タイ 決勝 結果 (GT500)

Po.No.マシンドライバタイヤWH
139DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉BS30
26WAKO’S 4CR LC500ジェームス・ロシター/大嶋和也BS28
319WedsSport ADVAN LC500山下健太/国本雄資YH4
438ZENT CERUMO LC500立川祐路/石浦宏明BS3
516MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/中嶋大祐YH2
612カルソニック IMPUL GT-Rヤン・マーデンボロー/佐々木大樹
BS2
717KEIHIN NSX-GT小暮卓史/塚越広大BS42
81KeePer TOM'S LC500ニック・キャシディ/平川亮BS52
964Epson Modulo NSX-GTベルトラン・バゲット/松浦孝亮DL2
1036au TOM’S LC500中嶋一貴/関口雄飛BS28
11100RAYBRIG NSX-GTジェンソン・バトン/山本尚貴BS64
1223MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリ
MI2
133CRAFTSPORTS MOTUL GT-R千代勝正/本山哲MI18
 24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠YH14
 8ARTA NSX-GT伊沢拓也/野尻智紀BS48


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カテゴリー: F1 / SUPER GT