2023年 F1シンガポールGP:サーキット&タイヤコンパウンド解説
2023年F1第16戦シンガポールGPが、9月15日から9月17日にシンガポール市街地コースで開催される。公式タイヤサプライヤーのピレリが2023シンガポールグランプリのタイヤについて解説した。

今年の他のストリートサーキットと同様、ピレリはシンガポールにC3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)の3種類のソフトコンパウンドを持ち込む。

シンガポールグランプリは現地時間の夜8時から開催される。強烈な湿度、気温の高さ、そしてトラックに並ぶ壁による保温性のため、ドライバーにとっては体力的に厳しいレースとなる。

今年はレイアウトが変更され、ターン16からターン19までの区間が全長約397メートルのストレートになった。これによりコーナーの数は23から19に減少し、1周の長さは4.940kmとなった(従来は5.063km)。レースは昨年より1周多い62周に延長された。

マリーナ・ベイ・サーキットを構成する公道には、白線やマンホールなどの「ストリート・ファニチャー」が多く、特に雨が降った場合にはグリップレベルに影響を及ぼす可能性がある。

ピットストップのロスタイムが約28秒と、イモラと並んで今季最高であることからも、1ストップ作戦が有効であることは明らかだ。ドライコンディションであれば、最もハードなコンパウンドのタイヤが決勝のメインタイヤとなる。

他のストリートトラックと同様、オーバーテイクのチャンスが限られているため、グリッドポジションがフィニッシュを左右する。予選は最終結果に強く影響する傾向がある。

シンガポールグランプリ

昨年は、グリッドが整列する数分前にマリーナ・ベイを嵐が襲ったため、スタートが1時間延期された。各車はインターミディエイトタイヤでレースをスタートし、ミディアムとソフトに履き替えた。バーチャルセーフティカーも戦略に影響を与えた。

シンガポールグランプリは2008年に第1回が開催された。その後、マリーナ・ベイのトラックで12回開催されているが、2020年と2021年は新型コロナウイルぐのパンデミックにより開催されない。セバスチャン・ベッテル(5勝)、ルイス・ハミルトン(4勝)、フェルナンド・アロンソ(2勝)、そしてニコ・ロズベルグとセルジオ・ペレスがそれぞれ1勝を挙げている。最多優勝チームはメルセデスとレッドブルの4勝ずつで、フェラーリは最多6回のポールポジションを獲得している。

シンガポール市街地コース

マリオ・イゾラ(ピレリ モータースポーツディレクター)
「F1が3つの大陸と16の異なるタイムゾーンで開催されるこの長いシーズンの終盤戦は、今週末のシンガポールで幕を開ける。このレースは、人工照明の下で行われた最初のレースであり、後に他の会場でも程度の差こそあれ、このアイデアが踏襲されることになった。技術的な観点から見ると、マリーナ・ベイは典型的なストリート・サーキットであり、非常にツイスティ(19のコーナーがあり、その多くが90度)でランオフがほとんどない。その結果、小さなミスでも大きな代償を払うことになる。また、このトラックレイアウトは、マシンが高いレベルのダウンフォースを得ることを意味する。今年、マリーナ・ベイ地区で行われた建設工事により、ラップは新たな様相を呈している。以前はターン16からターン19だったトラック部分は、現在は400メートル近い1本のストレートになっている。この変更により、1周の長さが5キロ未満になったことと、レイアウトがより流れるようになったことから、トラックはより速くなるだろう。この変更がストラテジーに影響を与えるかどうかは、今後の動向を見守りたい。よほど速いクルマでない限り、オーバーテイクは難しいことで知られているが、理論的には少なくともオーバーテイクのチャンスが生まれる可能性があるからだ。このトラックはタイヤへの負荷はそれほど大きくないが、低速コーナーを抜け出す際のトラクションフェーズではリアタイヤを注意深く管理する必要がある。シンガポールは赤道から150kmほどしか離れていないため、気温は常に高い。このため、タイヤだけでなく、メカニックやドライバーなど、あらゆるものがオーバーヒートするリスクが高まる」

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カテゴリー: F1 / F1シンガポールGP / ピレリ