ザウバーF1チーム 20年使用のモーターホームにモンツァで別れ

ザウバーは今週末のモンツァを終えた時点でパドック最古のホスピタリティ施設を収納し、売却する予定だ。来季からはアウディが全く新しいホスピタリティ施設を導入することになる。
ザウバーは2006年以来同じホスピタリティ施設を使用
2025年F1シーズン最後のヨーロッパラウンドとなるモンツァでは、各チームが自前のホスピタリティ施設をトラック輸送で持ち込み、最後の使用となる。フライアウェイ戦では現地調達の仮設施設やサーキット常設建築を使用することになるためだ。
いわゆる「モーターホーム」と呼ばれるこの施設は、チームのトラックサイド活動の拠点であり、エンジニアリング用トレーラーやガレージ横の構造物とは別に存在する。後者にはマシンの部品や工具、レース活動に必要なすべての機材が収められている。
20年間にわたり、セルジオ・ペレス、キミ・ライコネン、小林可夢偉、ニコ・ヒュルケンベルグ、シャルル・ルクレールといったドライバーたちが、この施設をシーズン中の「家」としてきた。
また、この施設は幾つかの大きな祝宴の場にもなった。小林可夢偉が2012年日本GPで表彰台を獲得した時、ヒュルケンベルグが直近のシルバーストンで表彰台に立った時、ペレスが2012年に3度の表彰台を獲得した時、そしてロバート・クビサが2008年カナダGPで唯一の優勝を飾った時などである。
このユニットは2006年サンマリノGPで初めて導入された。BMWザウバーとしての最初のシーズンのヨーロッパ初戦であり、ドイツのBischoff + Scheck社によって建設された。クビサとニック・ハイドフェルドがドライバーとして、そして当時のチーム代表マリオ・タイセンがこの施設を拠点とした。
このユニットは10チームの中で最古のホスピタリティ施設であり、マクラーレンの現行ユニットも2007年に初登場した「ブランドセンター」を大幅改修したものだ。

アウディ、新ホスピタリティ導入へ コンセプトカー「C」が大きなヒントに
来季、ザウバーはアウディのワークスチームとなり、それに伴い全く新しいホスピタリティ施設が登場する。その外観は大きく異なるものになる見込みだ。
そのヒントとなるのが、今週ミラノで発表されたアウディの新型電動2シーター・スポーツカー「コンセプトC」だ。アウディは企業の根本的な再編の一環として、新しいデザイン哲学を採用したことを確認した。
この車両のデザインは1936年のアウトウニオン・タイプCレーシングカーからインスピレーションを受けている。
アウディは火曜日に次のように述べている。
「明快さに重点を置いたデザインにより、アウディは競争が激化する時代においても差別化を維持する、大胆で簡素かつ時代を超越した美学へと踏み出す。新しいアプローチはブランドのアイデンティティを明確に体現するデザイン言語に表れている。アウディは独自のデザイン、妥協なき品質、そして洗練を象徴する」
この新しいデザイン言語の最初の具体例となるコンセプトCの「アスレチック・ミニマリズム」は、来季F1チームおよびそのホスピタリティ施設がどのような装いとなるかを大きく示唆している。
「F1参戦に向けた準備は全速力で進んでいる」とアウディのゲルノート・ドルナーは語った。
「来年からF1で我々に何が期待できるのか、その具体的なプレビューをすべてのファンにお届けできることを楽しみにしている」
現在、この新しい美学を取り入れたプロジェクトは進行中であり、早ければ11月初旬にも発表される見込みだが、まだ最終決定には至っていない。
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