佐藤琢磨
佐藤琢磨が、最終ラップまで優勝を争ったインディ500のレースを振り返り、公式サイトにメッセージを寄せた。

佐藤琢磨は、インディ500でフィニッシュまであと3ターンを残すのみとなったときにダリオ・フランキッティとの攻防から接触を喫し、17位でフィニッシュした。

ウォールにクラッシュした佐藤琢磨だが「体調はとても良いです」と報告。

「最後は悔しかったけど、今年のINDY500は楽しかった」

「プラクティスが始まってからの数日間は順調に仕上がっていて、でも、予選でいきなりシボレー勢がスピードアップしてショックを受け、気温が上がった日曜日は超不安定なハンドリングに再びショックを受け、そこからアプローチを見直してカーブデイで少し復活するという...上がって下がってまた少し上がってって、なんだか忙しい3週間でした」

「カーブデイが終わったときは少し不安だったけど、チームを信じてたし、決勝直前にはやる気満々だったというか、不思議と気持ちは楽でした」

佐藤琢磨は、全ドライバーのなかで3番手に相当する通算31周にわたりトップを走行した。

「トップを走っていたときは最高でしたよ。INDY500をリードするってこんな気分なんだって、本当に最高でした。コースをぐるりと埋め尽くしたカラフルな観客席は壮観そのもの。あの時点ではまだチェッカーまで遠かったですけどね」

「そして終盤30周の壮絶バトル。当たり前だけどみんなウルトラコンペティティブ!!凄すぎて激しすぎて笑ってしまいました」

「でもラスト10周で7位まで落ちたときは焦りました。さすがにヤバいと思った。でも冷静になんとかしなきゃって」

「イエローが入って残り6周でリスタート…ずっと本気ですが、なんとなくモードが違うんですよね。最後のリスタートは当然狙っていました」

「そして残り2周を残して2位に浮上。ダリオとの一騎打ち。普段は冷静なロジャー(ターン1スポッター)も珍しく熱くなっていて、「Go, Go, Go!! Go and get him!!」って叫んでました。なんだか嬉しかったなぁ。あれで相当煽られたw」

最終ラップのアタックについては、ターン3まで待てなかったのかと賛否がわかれているが、佐藤琢磨はあそこで行くしかなかったと語る。

「勝負はファイナルラップのあのターン1しかなかったです」

「それはテレビには映らない風の問題。昨日の風向きはターン2が追い風、バックストレートも斜めからの追い風、それに対してターン4は4つのコーナーで唯一向かい風。一番ダウンフォースがあって安定し、前車に最も接近できる場所なのです。そしてメインストレートも斜めの向かい風、ドラフティングもさらに効きます。特にそれまで何度にも渡ってガナッシの2台とバトルしてきて、ターン3であのクルマをオーバーテイクするのは無理だと分かっていました」

「だからあのターン1しか勝負はできなかった」

「でもダリオを追いかけるのはギリギリでしたね。もう1周あったら、もう少し狙いを定められたかも知れない。ターン4であと数メートル近づけていたら状況はだいぶ違ったと思います」

「いずれにせよ、スリップから抜け出してターンインする前に並べたときは、勝負がついたと思いました。ただ勝利だけを見て、勝ちに行っていました。強烈に幅寄せされていて、ラインは相当タイトでしたけどね。コーナーの進入速度は370km/hを超えていましたし」

「結果的にはコーナーエントリーで白線まで下に追いやられ、グリップを失ってスライドを始めてしまいました」

「でも勝利だけを見てアタックした。悔いはありません」


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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー