佐藤琢磨 2025年インディ500予選2位でホンダ勢をけん引 3度目の栄冠狙う
第109回インディアナポリス500の予選が現地時間5月18日(日)に行われ、2度の優勝経験を持つ佐藤琢磨が2番手タイムを記録。5月25日(日)決勝では、ホンダ勢をけん引する立場としてフロントロウからスタートする。

ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)のエグゼクティブ・アドバイザーも務める佐藤琢磨が最後にフロントロウからスタートしたのは2020年。そのときは見事優勝を飾っており、2017年の初優勝も含め、これまでトップ5からのスタートは2度とも勝利に結びついている。

今季のインディ500では、2列目をすべてホンダ勢が占拠。2008年の優勝者スコット・ディクソンが4番手、トップ12予選で最速ラップを叩き出したフェリックス・ローゼンクヴィストが5番手、NTTインディカー・シリーズ3連覇中のアレックス・パロウが6番手につけた。

2022年の勝者マーカス・エリクソンも昨年の「ラストチャンス予選」からの巻き返しを果たし、アンドレッティ・グローバルの#28マシンで9番手グリッドを確保している。

この日には、グリッド最後尾3枠を争う「ラストチャンス予選」も実施され、マルコ・アンドレッティが自身20回目のインディ500出場を決めたほか、土曜朝のクラッシュから急遽スペアカーを用意したマーカス・アームストロングが32番手、リヌス・ヴィーケイが33番手で滑り込み、チームメイトのジェイコブ・エイベルを押し出す形となった。

今年のインディ500は、史上初めてハイブリッドパワー搭載での開催となる。新システムは、HRC USとイルモアが共同開発し、2024年7月に導入された。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)
「まずはHRCに心からおめでとうを伝えたいです。とても困難で厳しい1年を経て、皆で力を合わせてここまで戻ってこられたこと、本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思います。フロントロウに戻ってこられたこと、トップクラスの位置を獲得できたことに大きな喜びを感じています。チームとしても自分自身としても素晴らしい仕事ができたと思いますし、エンジニアやクルーのみんなには心から感謝しています。Rahal Letterman Lanigan Racingのメンバーは本当にファンタスティックな働きをしてくれました。応援してくださる皆さんにも、心から感謝しています。」

佐藤琢磨 インディ500

スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)
「スピードウェイでは毎回ワイルドな展開になるけど、今日は本当にその典型だった。P4スタートはいい位置だし、ホンダ勢がファスト6に4台入ったのは素晴らしいこと。もっと上を目指したい気持ちはあるけど、限界まで攻めてたし、バランスも悪くない。ルーキーがポールってのも驚きだね。でも僕たちにはレースで戦えるペースがある、それが重要なんだ。」

フェリックス・ローゼンクヴィスト(Meyer Shank Racing)
「P5はまだいい順位だけど、もっと上も狙ってたよ。クルマは限界ギリギリで、快適さもある程度保ちながら、できることは全部やったつもり。でもなぜかスピードが伸びなかった。引っ張りが足りなかった感じ。ここでは本当に不思議なことが起きる。」

マーカス・エリクソン(Andretti Global)
「来週のレースが楽しみだ。去年のドラマを思えば、今年は本当に良い予選週末になったよ。#28アレグラ・アンドレッティ・グローバルのクルーは素晴らしい仕事をしてくれたし、ホンダのパワーも週末ずっと好調だった。3列目アウトサイドからのスタートは、優勝争いに加わるにはちょうどいいポジションだと思う。」

マーカス・アームストロング(Meyer Shank Racing)
「終わって本当にホッとしてる。この2日間は本当に大変だった。でもレースに出られることが決まって、ほぼ最後尾スタートだけど、こんなに嬉しいことはない。MSRのクルーとHRCに感謝したい。本番でどこまでマジックを起こせるか見ていてほしい。」

リヌス・ヴィーケイ(Dale Coyne Racing)
「ジェイコブを弾き出す形になってしまったのは辛い。彼は本当に素敵な人で、インディNXTから来たばかりなのにインディカーでもたくさんの人に知られてる。友達としても大事な存在だし、今回の結果には複雑な気持ちだ。正直、2人とも最も遅かったから、どちらか一人しか残れなかった。2回目の走行は僕の判断だった。条件が良くなっていたし、スピードアップするはずだったから。ジェイコブが改善するなら今しかないと思ったし、自分の最初のランではハイブリッドの恩恵をうまく受けられなかったから、まだ上積みはあると思ってた。でもマシンは出るたびに遅くなる感覚で、結局、ジェイコブもさらに遅くなった。本当に残念だけど、なんとかグリッドには滑り込めた。ただ、レースで戦えるだけのスピードはまだ見つけ出さないといけない。」

デビッド・サルターズ(HRC US代表)
「まずは、我々のチームと勇敢なドライバーたちに心から感謝したい。まさに“空飛ぶマシンを操る偉大な男たち”であり、彼らの勇気と技術には毎年魅了される。HRC USの全員を本当に誇りに思っている。昨年からの巻き返しは見事だった。このチームは本当に特別で、献身的で、卓越したスキルを持ち、そして決して諦めない。我々は“ホンダ・チャレンジング・スピリット”を貫いてきた。私の長いレースキャリアの中でも、これほどのオフシーズンでの反転攻勢は見たことがない。今回はあと一歩届かなかったが、我々は挑戦の舞台に立ち、P1を目指して戦っている。HRC USのチーム、本当に素晴らしい、あなたたちは私たち全員のインスピレーションだ。」

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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー