2020年 F1バルセロナテスト2回目:総合タイム&周回数・走行距離
2020年のF1世界選手権に向けた最後の3日間のF1プレシーズンテストとなる2回目のバルセロナテストが終了した。

2月26日(水)から2月28日(金)の3日間にわたってスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで行われた2回目のバルセロナテストは、比較的好天のなかで行われたが、2日目の午前に雨の影響を受け、風の影響も出た。

新車のチェックや信頼性に焦点が置かれた第1週とは異なり、第2週目のテストではレーシシミュレーションやマシン本来のパフォーマンスを引き出すためのセットアップに焦点が置かれた。特にレッドブル・ホンダは初日にサスペンションのトラブルはあったものの、様々な空力パーツやセットアップ変更に時間をかけたことを明らかにしており、周回数は最も少なくなっているが、決して信頼性が問題ではない。

パフォーマンスに目を向ければ、第2週のベストタイムを記録したのはメルセデスのバルテリ・ボッタス。ただし、ボッタスのタイムがピレリの最も柔らかいC5タイヤで記録されたものであるのに対し、2番手タイムのレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは1段階柔らかいC4タイヤで0.073秒差に迫っている。

ピレリのF1責任者マリオ・イゾラはC5とC4のパフォーマンスギャップは約0.45秒と見積もっている。テストでのタイムは当てにならないというのが定説であり、コンディションやサーキットとの相性もあるので一概には言えないが、同じタイヤであれば、マックス・フェルスタッペンが第2週の総合トップタイムを記録していた可能性もある。

それでも、バルテリ・ボッタスはテスト第1週で1分15秒732を記録しており、タイヤ間のパフォーマンスギャップを差し引いても、まだメルセデスがパフォーマンス面で優位性があるのは数値上では明らかだ。メルセデスのDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)には0.2秒のアドバンテージがあるとされており、そこがシーズンでどのような差を生んでくるかが興味深い。

一方でメルセデスのアキレス腱となりかねないのが、F1エンジンの信頼性だ。1チームあたりの平均で見れば、ホンダ(547周)、ルノー(428周)、フェラーリ(396周)、メルセデス(268周)とメルセデスが最も周回数が少なく、その原因がトラブルだかだ。

木曜日のルイス・ハミルトンの油圧トラブル、そして、カスタマーチームのウィリアムズに発生したトラブルを含めると6日間の4度の問題が発生しており、2チーム合わせて6基のエンジンを投入している。多くのチームが1基のF1エンジンで走り切ったことを考えれば、22戦のシーズンにむけては大きな懸念だ。

一方で、注目なのはミッドフィールドだ。第2週ではルノーのダニエル・リカルドがフェラーリのシャルル・ルクレールを上回って3番手タイムを記録。メルセデスW10のコピーであるレーシング・ポイントも優れたパフォーマンスを発揮している。また、マクラーレンとアルファタウリ・ホンダのベストタイムはC4タイヤで記録されたものであり、タイムは非常に拮抗していることがわかる。

現時点でパフォーマンスが最も読めないのはフェラーリだ。周回数こそ全チームで最多となる490周を走り込んだが、パフォーマンスは昨年ほど際立っていない。セバスチャン・ベッテルはコーナーリングスピードを上げるためにダウンフォースを増加させた代償としてストレートスピードが失われていることを明らかにしており、場合によってはミッドフィールドに喰われる可能性が危惧されている。

開幕戦F1オーストラリアGPは、新型コロナウイルスの影響によって開催が危ぶまれているが、予定通りに実施されれば、3月14日(土)に予選、3月15日(金)に決勝が行われる。

2020年 F1バルセロナテスト2回目 総合タイム

順位ドライバーチームタイムタイヤ
1バルテリ・ボッタスメルセデス1分16秒196C5Fri
2マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ1分16秒269C4Fri
3ダニエル・リカルドルノー1分16秒276C5Fri
4シャルル・ルクレールフェラーリ1分16秒360C5Fri
5ルイス・ハミルトンメルセデス1分16秒410C5Fri
6エステバン・オコンルノー1分16秒433C5Fri
7セルジオ・ペレスレーシング・ポイント1分16秒634C5Fri
8カルロス・サインツマクラーレン1分16秒820C4Fri
9セバスチャン・ベッテルフェラーリ1分16秒841C5Thur
10ジョージ・ラッセルウィリアムズ1分16秒871C5Fri
11ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ1分16秒914C4Fri
12ロバート・クビサアルファロメオ・レーシング1分16秒942C5Wed
13ロマン・グロージャンハース1分17秒037C4Fri
14ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ1分17秒066C5Thur
15ランス・ストロールレーシング・ポイント1分17秒118C3Thur
16ニコラス・ラティフィウィリアムズ1分17秒313C5Thur
17キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング1分17秒415C5Fri
18ケビン・マグヌッセンハース1分17秒495C4Fri
19アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ1分17秒550C2Wed
20ランド・ノリスマクラーレン1分17秒573C3Thur
21アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング1分19秒670C3Thur

ドライバー別 周回数&走行距離

順位ドライバー周回数走行距離
1シャルル・ルクレール2611214.955 km
2セルジオ・ペレス2381107.890 km
3セバスチャン・ベッテル2291065.995 km
4ダニール・クビアト2211028.755 km
5バルテリ・ボッタス2161005.480 km
6カルロス・サインツ209972.895 km
7ニコラス・ラティフィ208968.240 km
8ジョージ・ラッセル205954.275 km
9ルイス・ハミルトン193898.415 km
10ロマン・グロージャン193898.415 km
11エステバン・オコン180837.900 km
12ダニエル・リカルド177823.935 km
13ランス・ストロール173805.315 km
14ランド・ノリス170791.350 km
15キミ・ライコネン166772.730 km
16ピエール・ガスリー164763.420 km
17マックス・フェルスタッペン160744.800 km
18アレクサンダー・アルボン149693.595 km
19ケビン・マグヌッセン140651.700 km
20アントニオ・ジョビナッツィ92428.260 km
21ロバート・クビサ53246.715 km

チーム別 周回数&走行距離

順位チーム周回数走行距離
1フェラーリ4902280.950 km
2ウィリアムズ4131922.515 km
3レーシング・ポイント4111913.205 km
4メルセデス4091903.895 km
5アルファタウリ・ホンダ3851792.175 km
6マクラーレン3791764.245 km
7ルノー3571661.835 km
8ハース3331550.115 km
9アルファロメオ・レーシング3111447.705 km
10レッドブル・ホンダ3091438.395 km

エンジン別 周回数&走行距離

順位メーカーエンジン周回数走行距離
1メルセデスM11 EQ Power+12335739.615 km
2フェラーリ06511345278.770 km
3ホンダRA620H6943230.570 km
4ルノーE-Tech 207363426.080 km


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カテゴリー: F1 / F1レース結果