F1イギリスGP 結果
2018年のF1世界選手権 第10戦 イギリスGPの決勝が7月8日(日)にシルバーストン・サーキットで行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが優勝。チャンピオンシップのリードを広げた。

トロロッソ・ホンダは、ピエール・ガスリーが10位でフィニッシュ。ピットレーンからスタートしたブレンドン・ハートレーはわずか1周でレースをリタイアした。

F1史上初の3連戦を締めくくるF1イギリスGP。舞台となるシルバーストン・サーキットはF1カレンダー中で最も歴史があり、かつ最も高速なサーキットのひとつ。エンジン全開のコーナーがあり、レースの65%がフルスロットルで争われるこのサーキットでは、パワーユニットがいつも以上の働きをすることになる。また、ホームストレートからターン1、ターン2まで続く3つ目のDRSゾーンが追加されていることも話題となっている。

今年、シルバーストン・サーキットは路面が再舗装された。ピレリは、今回のF1イギリスGPにに今シーズン初めてハードタイヤ(アイスブルー)を投入。ミディアム(白)とソフト(黄)という硬いレンジの3種類のコンパウンドが選択されている。タイヤはトレッドの薄い新構造のものが持ち込まれている。

日曜日も快晴。現地時間14時10分。気温26.7℃、路面温度52.1℃のドライコンディションで52周のレースはスタートが切られた。

レースは2度のセーフティカーを含めた荒れた展開に。優勝はセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)。2番グリッドスタートのベッテルはスタートでトップに浮上。1回目のセーフティカー時にステイアウトを選択したメルセデスのバルテリ・ボッタスに首位に立たれるが、残り5周でオーバイテイクに成功。今季4周目を挙げ、チャンピオンシップのリードを8ポイント差に広げた。また通算51勝目となり、アラン・プロストに並んで歴代4位と並んだ。

2位はメルセデスのルイス・ハミルトン。オープニングラップの接触で最後尾近くまで順位を落とすも、そこからすさまじい挽回を見せ、ホームレースで表彰台を獲得した。3位にはキミ・ライコネンが入り、フェラーリがダブル表彰台。コンストラクターズ選手権のトップをキープした。

以下、バルテエリ・ボッタス(メルセデス)、ダニエル・リカルド(レッドブル)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、エステバン・オコン(フォース・インディア)、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)までがトップ10入り。

しかし、ピエール・ガスリーは、セルジオ・ペレスを抜く際に接触しており、審議対象となっている。

2018年 第10戦 F1イギリスGP 決勝 結果

順位Noドライバーチーム
15セバスチャン・ベッテルフェラーリ
244ルイス・ハミルトンメルセデス
36キミ・ライコネンフェラーリ
477バルテリ・ボッタスメルセデス
53ダニエル・リカルドレッドブル
627ニコ・ヒュルケンベルグルノー
731エステバン・オコンフォース・インディア
814フェルナンド・アロンソマクラーレン
920ケビン・マグヌッセンハース
1010ピエール・ガスリートロロッソ・ホンダ
1111セルジオ・ペレスフォース・インディア
122ストフェル・バンドーンマクラーレン
1318ランス・ストロールウィリアムズ
1435セルゲイ・シロトキンウィリアムズ
 33マックス・フェルスタッペンレッドブル
 55カルロス・サインツルノー
 8ロマン・グロージャンハース
 9マーカス・エリクソンザウバー
 16シャルル・ルクレールザウバー
 28ブレンドン・ハートレートロロッソ・ホンダ

【レース展開】
トップ10は全員がソフトタイア。ルノーの2台とピットレーンスタートのランス・ストロール(ウィリアムズ)、ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)がミディアムを選択。それ以外はソフトタイヤをスタートタイヤに選んだ。

スタートでは、2番グリッドからスタートしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がリードを奪う。ポールポジションスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)はチームメイトのバルテリ・ボッタスにも抜かれて3番手に後退。そして、ターン3でハミルトンはキミ・ライコネン(フェラーリ)に接触されてスピン。17番手まで後退する。ライコネンはレッドブルの2台に交わされるが1周目が終わるまでにダニエル・リカルドを抜いて4番手をキープするが、このインシデントでキミ・ライコネンには10秒ペナルティが課せられた。後方ではセルジオ・ペレス(フォース・インディア)がスピンを喫して最後尾まで順位を落としている。

フリー走行3回目のクラッシュによりシャシーを交換してピットレーンスタートしたブレンドン・ハートレー(トロ・ロッソ)だが、わずか1周目でピットに戻り早々にレースをリタイアした。

ルイス・ハミルトンは6周目にはポイント圏内の10番手まで順位を挽回。11周目にはダニエル・リカルドの背後の6番手まで順位を取り戻す。リカルドとの差は13秒、首位のベッテルとの差は27秒だ。

14周目。4番手を走行していたキミ・ライコネンがピットインして10秒ペナルティを消化。ソフトからミディアムに交換して10番手でコースに復帰。同じタイミングでセルジオ・ペレスとフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)もピットに入った。

17周目。カルロス・サインツ(ルノー)がピットイン。ハードタイヤを選択する。

18周目。3番手を走行していたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がピットイン。ミディアムに交換し、順位を上げてきたキミ・ライコネンの前で5番手でコースに復帰する。翌周にはチームメイトのダニエル・リカルドがピットイン。同じくキミ・ライコネンの前でコースに戻る。

同じ周に7番手を走行していたシャルル・ルクレール(ザウバー)がピットするが、リアタイヤがきとんと装着されておらず、コース脇でマシンを停めた。

20周目。7番手に浮上したニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)がピットイン。チームメイトと同じくハードタイヤを選択して10番手でコースに復帰する。9番手を走行していたピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)がピットイン。14番手でコースに復帰する。

21周目。トップを走行していたセバスチャン・ベッテルがピットイン。ミディアムに交換して追い上げてきたルイス・ハミルトンの前の2番手でコースに復帰する。

22周目。見た目上のトップを走行していたバルテリ・ボッタスがピットイン。ルイス・ハミルトンの後ろの3番手でコースに復帰する。翌周、メルセデスはチームオーダーを発令してバルテリ・ボッタスを先にいかせる。

26周目。3番手を走行していたルイス・ハミルトンがピットイン。ミディアムに交換してライコネンの11秒後ろの6番手でコースに復帰する。

27周目。7番手を走行していたロマン・グロージャン(ハース)がピットイン。これでランス・ストロールを除くクルマがピットインを済ませる。この時点でバッテル、ボッタス、フェルスタッペン、リカルド、ライコネン、ハミルトン、ヒュルケンベルグ、オコン、アロンソ、マグヌッセンというトップ10。7番手のヒュルケンベルグ以降は1秒以内に詰まっている。

31周目。4番手を走行していたダニエル・リカルドが2回目のピットイン。ソフトタイヤに交換してハミルトンの10秒後ろの6番手でコースに復帰する。

32周目。マーカス・エリクソン(ザウバー)がターン1でスピンしてバリアに高速でクラッシュ。DRSを閉じられなかったようだ。激しいクラッシュだったが、エリクソンは無事だった。

翌周にセーフティカーが導入。ここでトップのセバスチャン・ベッテルがピットインしてソフトに交換。メルセデスはステイアウトを選択。マックス・フェルスタッペンとキミ・ライコネンもピットインしてソフトに交換。ボッタス、ベッテル、ハミルトン、フェルスタッペン、ライコネン、リカルドというトップ6となる。リカルドは悪いタイミングでのピットインとなった。

38周目にレースは再開。ボッタスvsベッテル、フェルスタッペンvsライコネンの激しいバトルが行われる後方で、11番手争いをしていたロマン・グロージャン(ハース)とカルロス・サインツが接触してクラッシュ。翌周に再びセーフティカーが導入される。

42周目にレースは再開。43周目にライコネンがフェルスタッペンを交わして4番手に浮上する。トップ4はそれぞれ1秒未満の接戦バトルが展開される。

46周目。マックス・フェルスタッペンがスピン。ギアボックスとトラブルでスピードが上がらず最後尾まで順位を下げた末にリタイアとなった。

47周目。セバスチャン・ベッテルがようやくバルテリ・ボッタスを攻略してトップを奪還。

48周目。メルセデスがチームオーダーを発令してルイス・ハミルトンを前に出させて、トップのベッテルにチャレンジさせる。

しかし、その差は埋まらずベッテルがトップでチェッカー。今季4勝目を挙げた。

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