角田裕毅の後任はローソン? レッドブルF1の今後のドライバー体制に注目

しかし、今季2勝を挙げているマシンにもかかわらず、ドライバーズランキング18位と厳しい立場に置かれている。契約は今季末で終了するため、後任をめぐる動きが加速しつつあり、その筆頭候補のひとりが再びローソンだ。
ローソンは今季開幕時、レッドブルからフェルスタッペンと共に戦う立場にあったが、開幕2戦での結果が振るわず、わずか2戦で降格。レーシングブルズへ戻され、代わりに角田裕毅が昇格した。その後、ファエンツァのチーム環境やマシンに再び順応するまでに時間を要し、序盤はルーキーのアイザック・ハジャーの後塵を拝していた。
しかし、シーズンが進むにつれて走りの鋭さを取り戻し、直近4戦のうち3戦でポイントを獲得。オーストリアGPでは自己最高位となる6位に入り、14ポイントを積み重ねた。これにより、ハジャーとの差はわずか2ポイントに縮まり、ハジャーが6月初旬のスペインGP以来入賞を逃していることもあって、流れはローソンに傾きつつある。
ファンの間では、ハジャーがマックス・フェルスタッペンの相棒になるとの見方もあるが、チーム首脳を納得させるにはまだ課題が多い。ローソンは開幕2戦でのレッドブル起用が失敗に終わった理由として、当時の代表クリスチャン・ホーナーの対応を挙げているが、現在はローラン・メキースがチームを率いており、ローソンをよく知る新代表の存在は有利に働く可能性がある。
ただし、レッドブルのモータースポーツ顧問ヘルムート・マルコは、角田裕毅の後任として“センセーショナル”なドライバー起用を推しており、ハジャー支持派でもある。

直近5戦の成績ではローソンが優勢で、2度のリタイアを喫しながらも14ポイントを獲得。対するハジャーは1度のリタイアを含め無得点に終わっている。こうした数字は、来季のシート争いにおいて重要な判断材料となるだろう。
ローソンは復帰の可能性について問われても浮かれることはなく、「正直、将来のことは今年はあまり考えていない。それくらい忙しいシーズンだし、今はいいレースをすることに集中している」とコメント。さらに、「確かに最近はいくつかいい結果を出せたけど、12戦中3回では足りない。もっとこういう結果を出し続ける必要があるし、その上でどうなるかを見ていくつもりだ」と冷静に語った。
2025年は、レッドブルの“セカンドシート”がいかに過酷であるかを証明するシーズンとなっている。RB21は非常に扱いが難しく、昨季終盤に同様のマシンで毎戦ポイントを獲得していた元レッドブルのセルジオ・ペレスの評価を逆に高める結果となった。当時その価値を十分に理解していなかったファンも、ローソンや角田裕毅の苦戦を目の当たりにして再評価するようになり、チーム内でも「ペレスが恋しい」という声が聞かれるほどだ。ペレスは現在、カデラックと交渉中とされ、契約がまとまれば来季のF1復帰の可能性もある。
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