ルイス・ハミルトン 7度のF1王者に忍び寄る“年齢の影響”
元F1ドライバーのジョニー・ハーバートは、ルイス・ハミルトンが「リセット」する必要があり、引退の是非という難しい決断に直面しているとの見方を示した。

フェラーリ加入1年目のハミルトンは苦戦が続き、ハンガリーGPでは予選・決勝ともに12位と不振。週末には「自分は役立たずだ」と語り、チームに「ドライバーを替えるべきだ」とまで口にするなど、得意とするハンガロリンクでもSF-25への適応に苦しんだ。

ハーバートはGrosvenor Casinoのインタビューでこう語った。

「彼はこれまで非常にフラストレーションの多いシーズンを過ごしてきた。その発言は、彼にとって痛手となる週末の症状だったのだろう。予選で苦戦し、チームメイトがポールポジションにいるのを見れば、その差は歴然だ。彼はとても正直で、自分に対して批判的だ。そういう意味での苛立ちだ」

「彼の頭の中はどうか? まだモチベーションは高いと思うし、本人もそう言っている。楽しんでいることも重要だ。ただ、全てはパフォーマンス次第だ。残念ながら、その結果が出ていない」

「フェラーリではシャルル(・ルクレール)が安定しており、チャンスが訪れたときにはミスなく結果を出している。ルイスの予選ラップにはいくつかミスがあって、次のセッションに進めなかった。それが彼自身の中に積もっていく。昨年シルバーストンで勝ったときも『もう勝てないと思っていた』と話していた。すでに心の中に迷いはあった。新しいチームでも似たような苦境に立たされている」

「結局はチームメイトに対してどう立ち向かうかだ。シャルルはこれまでで最高の走りをしていると思うし、安定感もあり予選でもミスがない。ルイスはまた“リセット”しなければならない状況だが、何度もリセットを繰り返した先で、もう以前のようには戻らないと気づく時が来るかもしれない」

さらにハーバートは、ドライバー人生における引退の判断の難しさにも触れた。

「キャリアの中で決断を下さなければならない瞬間は必ず来る。しかし、適切なタイミングでそれを行うのはとても難しい。状況が好転しなければ、彼は真剣に考えざるを得なくなるだろう。“もう無理だ”と気づき、別の人生に踏み出す時が来るかもしれない」

ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

年齢がハミルトンに影響?
ハーバートは、近年のハミルトンに見られるミスの増加について、年齢の影響を否定できないと指摘した。

「キャリア初期と同じように感じていても、小さなミスが出てくる。昔とはすべてが少しずつ変わり、反応速度もわずかに落ちる。その小さなミスが、グリッド上のポジションに大きく影響する。F1のスピード域では特にそうだ」

「年齢が影響し始める時期は人それぞれで、30歳でも35歳でも38歳でも40歳でも特定の年齢で一律に来るわけではない。ただ、フォーミュラ1のような超高速の世界では、新しいレギュレーションへの適応は非常に大きな課題だ。かつてのルイスなら問題に合わせてドライビングスタイルを簡単に変えられただろうが、今はそれが難しくなっている」

「だから、年齢が確実に彼に追いついてきていると言える」

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カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ