フェラーリ F1ハンガリーGPのルクレール問題の陰謀説を否定も原因不明

ルクレールは第1・第2スティントでレースを支配していたが、最後のピットストップ後にペースが劇的に低下し、終盤にはオスカー・ピアストリとジョージ・ラッセルに抜かれた。
ポールポジションからスタートしたモナコ出身のルクレールは、4位でフィニッシュした後、チームラジオで繰り返し不満を訴え、マシンを「ドライブ不可能」と表現するほどにフラストレーションを募らせていた。
フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、ルクレールが勝利を逃す原因となった問題について、現時点では説明がつかないことを認めた。
「状況はかなり奇妙だった」とバスールはCrash.netを含むメディアに語った。
「レースの最初の40周は我々がコントロールしていた。第1スティントは支配していたし、第2スティントはやや難しくなったが、それでもまだ対応可能な範囲だった。だが最後のスティントは壊滅的で、非常にドライブが難しかった」
「バランスがまったくなかった。正直に言って、現時点では何が起きたのか正確には分かっていない。シャシー側に何か壊れたのか、その他の何かがあるのかを調査しなければならない。ある時点では、もう完走すらできないのではと思った」
「最初の2スティントはかなりうまくいっていたが、最後のスティントでは完全にペースを失い、週末を通してのペースもすべて失われた。非常に厳しかった」

フェラーリ、根拠のない憶測を否定
ルクレールがピアストリと争ったシーンなどから、彼のマシンに何が起きたのかを巡ってさまざまな憶測が飛び交った。
ルクレール自身はレース中に「何か問題を管理していた」と示唆していたが、バスールはその発言が最後のスティントの問題とは無関係であると強調した。
「それは完全にエナジーマネジメント(エネルギー管理)の話とは別のことだった」とバスールは語った。
また、最終スティントのピットストップ時に行われたフロントウイングの調整が、挙動の悪化を引き起こしたのではないかという推測についても否定した。
「最終スティントの1周目で、彼は1秒ほど失った」とバスール。
「彼は我々に、フロントウイングの調整を間違えたのではないかと聞いてきたが、そうではない。完全にペースを失ったんだ」
「もしかするとスノーボール効果(悪循環)のようなものかもしれないが、38周目から43周目の間で少なくとも0.8秒は失っていたと思う」
また、問題がパワーユニットに起因するという見方も否定した。
「彼が“シャシー”と言ったのは、それがパワーユニットとは関係ないからだ。我々も現時点では何が起きたのか正確には分かっていない」とバスールは述べた。
レース後、ラッセルはフェラーリがルクレールのプランク摩耗を回避するため、最終スティントでタイヤ空気圧を上げざるを得なかったのではないかという疑念を示した。
フェラーリは今季、中国GPでルイス・ハミルトンが失格処分を受けた事例を含め、プランク摩耗の問題に直面してきたが、今回の件についてバスールは即座に反論した。
「これまでペースを失っていたときでも、それはせいぜい2〜3テンポ(=0.2〜0.3秒)のことだった。だが今回は2秒失った。まったくの別問題だ」と彼は応じた。
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