ヘルムート・マルコ、ルクレールを冗談交じりに称賛「レッドブルを何箱か送る」
レッドブル・レーシングのアドバイザー、ヘルムート・マルコは、F1アメリカGP決勝で見せたシャルル・ルクレール(フェラーリ)の防御を「助かった」と評し、冗談交じりに「レッドブルを何箱か送る」とコメントした。

レース序盤、フェルスタッペンの優位を後押ししたのは、ランド・ノリスに対して激しく防御したシャルル・ルクレールの走りだった。ルクレールはトップ15台の中で唯一ソフトタイヤでスタートし、そのグリップを活かしてターン1でノリスの外側から抜き去った。

その後、タイヤのデグラデーションに苦しみながらも、ルクレールはノリスの猛攻をしのぎ続けた。この防御により、フェルスタッペンは序盤で大きなリードを築き、終盤にノリスからのプレッシャーを受けることなくレースをコントロールした。

レース後、ヘルムート・マルコはそのルクレールの走りを「助かった」と評し、冗談を交えて称賛した。

「ルクレールにレッドブルを何箱か送らないといけないね。彼の防御は我々にとって助けになった。だから我々は直接的なプレッシャーを受けずに済んだ」とマルコはGP Blogに語った。

「たとえランド(ノリス)がすぐ後ろにいたとしても、我々にはスピードがあった」

フェルスタッペンはこれで、異なる特性のサーキットでレース勝利を挙げている。モンツァやバクーといったローダウンフォースのコースを制し、ハイダウンフォースが求められるシンガポールでも2位を獲得。アメリカGPが行われたCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)は、低速・中速・高速コーナーが混在する中間特性のサーキットだ。

シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

マルコは、残りのシーズンで特定のチームに有利なコースはないと見ている。

「もう“マクラーレン向き”や“メルセデス向き”のトラックはない。コーナーごとの違いなんて数十、数千分の秒の差でしかない。そして、我々は何が最も大きな違いを生むかをよく知っている」

またマルコは、現在のレッドブルの強さを“マシンの速さ”ではなく、“ドライバーの速さ”によるものだと強調した。マクラーレンのアンドレア・ステラ代表が「レッドブルが開発競争で一歩リードした」と語ったことに対し、マルコは次のように反論した。

「いや、そうは思わない。我々には最速のドライバーがいる」

レッドブルの勢いを支える“最速ドライバー”の存在

フェルスタッペンはシーズン終盤に入り、再びタイトル争いの主導権を握りつつある。ローダウンフォースからハイダウンフォースまであらゆるサーキットで結果を出しており、マルコの言葉どおり「マシンよりもドライバー」が勝利の決定要因になっている。

今季残り5戦の舞台はいずれも特定チームの得意分野ではなく、タイヤマネジメントや戦略判断が勝負を分ける可能性が高い。レッドブルは再びシーズン終盤の主役として、そのポテンシャルを余すところなく示している。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / シャルル・ルクレール