レッドブルF1代表 「ここまで落胆した気分で週末を終えることは滅多にない」
レッドブル・レーシングのF1チーム代表であるクリスチャン・ホーナーが、2022年F1ブラジルGPの決勝レースを振り返った。
インテルラゴスでの厳しい午後を過ごしたマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは、それぞれ6位、7位でレースを終えた。フェルスタッペンの優勝のチャンスはレース序盤のルイス・ハミルトン(メルセデス)との接触でフロントウイングとともに砕け散った。
一方、セルジオ・ペレスの上位フィニッシュのチャンスもレース終盤に遠ざかり、ミディアムタイヤを履いていた彼はなす術もなく2番手からポジションを下げて7位でチェッカーを受けた。
「今シーズン、ここまで落胆した気分でレースウィークエンドを終えることは滅多にない」とクリスチャン・ホーナーはコメント。
「サンパウロGPの6位と7位という結果は今シーズンの我々の基準からは遙かに離れている。一番の問題はペースだった。ジョージ(ラッセル)が週末を通じて素晴らしいドライビングをしており、メルセデスはシーズンを通じて行ってきた様々なアップデートによりスピードを高め続けている。今週末の私たちがなぜパフォーマンスが発揮できなかったのかを理解し、アブダビで全力を尽くしたい」
「マックスとチェコの件についてはチームで話し合った。アブダビではチェコをチャンピオンシップ2位に導くためにチーム一丸となって全力を尽くすつもりだ。マックスもサポートしてくれる。突き詰めれば、チームとして仕事をして、チームとしてレースをするだけだ。これが今シーズンの私たちに大きな成功をもたらし、今後も私たちを導いてくれる信念だ」
2022年 第21戦 F1ブラジルGP
スタートシグナルが消えると、ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンのメルセデス勢2台が後続を抑えたままターン1へ進入。マックスとチェコは3番手、4番手でグリッドポジションを守った。集団がターン8を通過する中、後方ではダニエル・リカルド(マクラーレン)がケビン・マグヌッセン(ハース)のリアに接触。マグヌッセンがスピンして押し戻される際にリカルドと接触し、リカルドはそのままバリアへ飛ばされた。これでセーフティカーが導入され、レースは振り出しに戻った。
レースは7周目に再開するが、マックスのレースはその直後に瓦解してしまう。リスタートではラッセルが首位を守ると、マックスとチェコがハミルトンにプレッシャーをかける。チェコはハミルトンのインサイドを狙おうとする中、マックスがアウトサイドに回る。
マックスはターン1でハミルトンの前に出たが、ターン2の数メートル手前でハミルトンが反撃し、ターン2を抜けようとしたところで両者が接触した。マックスはフロントウイングの大部分を失い、両者は瞬く間に後方へポジションを下げた。その直後、ランド・ノリス(マクラーレン)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)も接触し、ターン6でルクレールがコース外に弾き飛ばされた。ルクレールはレースを続行できたものの、最後方での復帰となった。
7周目を終えてマックスはピットへ飛び込み、クルーたちはわずか10秒で新しいフロントウイングと新品ミディアムタイヤに交換。マックスは17番手でコースに合流した。
しかし、スチュワードはマックスとハミルトンの接触を審議対象とし、マックスが接触の原因を作ったとして5秒ペナルティを科した。「じゃあどこへ行けば良かったの?
彼(ハミルトン)がドアを閉めてきたのにね。まあいいさ」とマックスは無線を介して冷静に語った。
その後、オラクル・レッドブル・レーシングの2人はファーストスティントでの力走を開始。マックスが下位マシン群をオーバーテイクし、前方のドライバーたちがピットへ向かうと着実にポジションを上げていく。上位陣ではサインツが最初にピットへ向かったが、これは彼が望んでいたピットストップではなかった。サインツは、右リアブレーキに捨てたバイザーが引っかかって煙が出ていたため18周目にピットインし、スタートタイヤのミディアムからソフトへ交換した。
チェコは2番手走行中の24周目にピットイン。停止時間2秒で素早く作業を完了すると、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の後方6番手で復帰。チェコはすぐにボッタスをかわしたが、首位ラッセルもピットに入ってミディアムに交換してチェコの前方で復帰する。まだピットストップを行なっていないハミルトンが首位に立った。
一方、マックスは12番手までポジションを回復。マックスはチェコに続いてピットに入り、タイムペナルティを消化したあとミディアムに交換して17番手でコースに復帰した。
ハミルトンは30周目に1回目のピットストップを行い、ミディアムタイヤに交換。これでハミルトンはサインツの後方4番手に下がる。レースが折り返しを迎え、チェコは首位ラッセルから5秒遅れて走行。サインツが2回目のピットストップを行うとハミルトンが3番手に浮上した。
マックスは再び挽回し始め、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)、角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)を立て続けにかわして11番手に浮上。ミック・シューマッハ(ハース)の後方1秒以内に迫る。
チェコはハミルトンからのプレッシャーを受けるようになり、43周目にはハミルトンが1秒後方まで迫る。その次の周にハミルトンがターン4への加速でDRSを得るべくチェコにアタック。チェコはインサイドを守って厳しいラインを取りながらターン4に進入し、ハミルトンを抑え込む。
しかし、チェコの抵抗も次の周までだった。DRS圏内に入ったハミルトンはターン1へ向かうストレートでチェコをかわして2番手を奪った。
マックスは着実にポジションを回復し、残り15周で6番手まで浮上。
4番手を走行していたチェコはここで最後のピットストップを行い、ミディアムに履き替えた。しかし、52周目にランド・ノリス(マクラーレン)がパワーを失ってマシンをコースサイドに停めると、再びレース展開に変化が起きる。
これでバーチャルセーフティカー(VSC)導入となり、サインツはソフトタイヤに交換してチェコの後方4番手でコースに合流。しかし、コース上はすぐさまセーフティカー導入に切り替わり、ソフトを履いたライバル勢に囲まれる中、チェコはミディアムで走行を続ける。これでチェコの表彰台フィニッシュの望みが脅かされることになった。
ラッセルはリスタートを上手くコントロールしてハミルトンを抑えたが、ミディアムを履くチェコはすぐにサインツからの強いプレッシャーにさらされるようになり、さらにはルクレールも5番手までポジションを挽回していた。
その後方ではマックスがリスタートを最大限に活用。ピットストレートでDRSの助けを借りてセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)をパスすると、エステバン・オコン(アルピーヌ)とボッタスもまとめてオーバーテイクした。
チェコは苦しい展開が続き、63周目にターン4進入でサインツの先行を許すと、次の周にはターン1への飛び込みでルクレールにかわされ、65周目にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)にもパスされてマックスの前方6番手までポジションダウン。残り4周、マックスがチェコをかわして6番手に浮上した。
しかし、前方のアロンソとルクレールを捕まえられるだけの時間は残されておらず、その後、ラッセルがチェッカーフラッグを受けてキャリア初優勝を決めた。ハミルトンが2位に入り、サインツ、ルクレール、アロンソが3位、4位、5位に続いた。マックスは6位でフィニッシュし、チェコは7位となった。8位オコン、9位ボッタスと続き、10位はストロールが獲得した。
この結果、チェコはルクレールと290ポイントの同点で最終戦アブダビに臨むことになった。しかし、レース優勝回数ではルクレールが上回っているため、チェコの現時点でのランキングは3位となっている。初優勝を挙げたラッセルが265ポイントで4位となり、チームメイトのハミルトンに25ポイント差をつけている。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1ブラジルGP
インテルラゴスでの厳しい午後を過ごしたマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは、それぞれ6位、7位でレースを終えた。フェルスタッペンの優勝のチャンスはレース序盤のルイス・ハミルトン(メルセデス)との接触でフロントウイングとともに砕け散った。
一方、セルジオ・ペレスの上位フィニッシュのチャンスもレース終盤に遠ざかり、ミディアムタイヤを履いていた彼はなす術もなく2番手からポジションを下げて7位でチェッカーを受けた。
「今シーズン、ここまで落胆した気分でレースウィークエンドを終えることは滅多にない」とクリスチャン・ホーナーはコメント。
「サンパウロGPの6位と7位という結果は今シーズンの我々の基準からは遙かに離れている。一番の問題はペースだった。ジョージ(ラッセル)が週末を通じて素晴らしいドライビングをしており、メルセデスはシーズンを通じて行ってきた様々なアップデートによりスピードを高め続けている。今週末の私たちがなぜパフォーマンスが発揮できなかったのかを理解し、アブダビで全力を尽くしたい」
「マックスとチェコの件についてはチームで話し合った。アブダビではチェコをチャンピオンシップ2位に導くためにチーム一丸となって全力を尽くすつもりだ。マックスもサポートしてくれる。突き詰めれば、チームとして仕事をして、チームとしてレースをするだけだ。これが今シーズンの私たちに大きな成功をもたらし、今後も私たちを導いてくれる信念だ」
2022年 第21戦 F1ブラジルGP
スタートシグナルが消えると、ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンのメルセデス勢2台が後続を抑えたままターン1へ進入。マックスとチェコは3番手、4番手でグリッドポジションを守った。集団がターン8を通過する中、後方ではダニエル・リカルド(マクラーレン)がケビン・マグヌッセン(ハース)のリアに接触。マグヌッセンがスピンして押し戻される際にリカルドと接触し、リカルドはそのままバリアへ飛ばされた。これでセーフティカーが導入され、レースは振り出しに戻った。
レースは7周目に再開するが、マックスのレースはその直後に瓦解してしまう。リスタートではラッセルが首位を守ると、マックスとチェコがハミルトンにプレッシャーをかける。チェコはハミルトンのインサイドを狙おうとする中、マックスがアウトサイドに回る。
マックスはターン1でハミルトンの前に出たが、ターン2の数メートル手前でハミルトンが反撃し、ターン2を抜けようとしたところで両者が接触した。マックスはフロントウイングの大部分を失い、両者は瞬く間に後方へポジションを下げた。その直後、ランド・ノリス(マクラーレン)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)も接触し、ターン6でルクレールがコース外に弾き飛ばされた。ルクレールはレースを続行できたものの、最後方での復帰となった。
7周目を終えてマックスはピットへ飛び込み、クルーたちはわずか10秒で新しいフロントウイングと新品ミディアムタイヤに交換。マックスは17番手でコースに合流した。
しかし、スチュワードはマックスとハミルトンの接触を審議対象とし、マックスが接触の原因を作ったとして5秒ペナルティを科した。「じゃあどこへ行けば良かったの?
彼(ハミルトン)がドアを閉めてきたのにね。まあいいさ」とマックスは無線を介して冷静に語った。
その後、オラクル・レッドブル・レーシングの2人はファーストスティントでの力走を開始。マックスが下位マシン群をオーバーテイクし、前方のドライバーたちがピットへ向かうと着実にポジションを上げていく。上位陣ではサインツが最初にピットへ向かったが、これは彼が望んでいたピットストップではなかった。サインツは、右リアブレーキに捨てたバイザーが引っかかって煙が出ていたため18周目にピットインし、スタートタイヤのミディアムからソフトへ交換した。
チェコは2番手走行中の24周目にピットイン。停止時間2秒で素早く作業を完了すると、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の後方6番手で復帰。チェコはすぐにボッタスをかわしたが、首位ラッセルもピットに入ってミディアムに交換してチェコの前方で復帰する。まだピットストップを行なっていないハミルトンが首位に立った。
一方、マックスは12番手までポジションを回復。マックスはチェコに続いてピットに入り、タイムペナルティを消化したあとミディアムに交換して17番手でコースに復帰した。
ハミルトンは30周目に1回目のピットストップを行い、ミディアムタイヤに交換。これでハミルトンはサインツの後方4番手に下がる。レースが折り返しを迎え、チェコは首位ラッセルから5秒遅れて走行。サインツが2回目のピットストップを行うとハミルトンが3番手に浮上した。
マックスは再び挽回し始め、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)、角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)を立て続けにかわして11番手に浮上。ミック・シューマッハ(ハース)の後方1秒以内に迫る。
チェコはハミルトンからのプレッシャーを受けるようになり、43周目にはハミルトンが1秒後方まで迫る。その次の周にハミルトンがターン4への加速でDRSを得るべくチェコにアタック。チェコはインサイドを守って厳しいラインを取りながらターン4に進入し、ハミルトンを抑え込む。
しかし、チェコの抵抗も次の周までだった。DRS圏内に入ったハミルトンはターン1へ向かうストレートでチェコをかわして2番手を奪った。
マックスは着実にポジションを回復し、残り15周で6番手まで浮上。
4番手を走行していたチェコはここで最後のピットストップを行い、ミディアムに履き替えた。しかし、52周目にランド・ノリス(マクラーレン)がパワーを失ってマシンをコースサイドに停めると、再びレース展開に変化が起きる。
これでバーチャルセーフティカー(VSC)導入となり、サインツはソフトタイヤに交換してチェコの後方4番手でコースに合流。しかし、コース上はすぐさまセーフティカー導入に切り替わり、ソフトを履いたライバル勢に囲まれる中、チェコはミディアムで走行を続ける。これでチェコの表彰台フィニッシュの望みが脅かされることになった。
ラッセルはリスタートを上手くコントロールしてハミルトンを抑えたが、ミディアムを履くチェコはすぐにサインツからの強いプレッシャーにさらされるようになり、さらにはルクレールも5番手までポジションを挽回していた。
その後方ではマックスがリスタートを最大限に活用。ピットストレートでDRSの助けを借りてセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)をパスすると、エステバン・オコン(アルピーヌ)とボッタスもまとめてオーバーテイクした。
チェコは苦しい展開が続き、63周目にターン4進入でサインツの先行を許すと、次の周にはターン1への飛び込みでルクレールにかわされ、65周目にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)にもパスされてマックスの前方6番手までポジションダウン。残り4周、マックスがチェコをかわして6番手に浮上した。
しかし、前方のアロンソとルクレールを捕まえられるだけの時間は残されておらず、その後、ラッセルがチェッカーフラッグを受けてキャリア初優勝を決めた。ハミルトンが2位に入り、サインツ、ルクレール、アロンソが3位、4位、5位に続いた。マックスは6位でフィニッシュし、チェコは7位となった。8位オコン、9位ボッタスと続き、10位はストロールが獲得した。
この結果、チェコはルクレールと290ポイントの同点で最終戦アブダビに臨むことになった。しかし、レース優勝回数ではルクレールが上回っているため、チェコの現時点でのランキングは3位となっている。初優勝を挙げたラッセルが265ポイントで4位となり、チームメイトのハミルトンに25ポイント差をつけている。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1ブラジルGP