F1中国GP ピレリ予選総括「決勝は1ストップが最速戦略」

ラッセルはスプリント序盤、ルイス・ハミルトンとの激しい攻防を制してトップに立ち、そのまま勝利を手にした。
一方のアントネッリも予選で存在感を示し、セバスチャン・ベッテルが保持していたF1史上最年少ポールの記録を更新。中国GP決勝はシルバーアローが最前列を独占する形となった。
スプリントではタイヤ選択が分かれ、ほとんどのドライバーがミディアムを選んだなか、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッド、フェルナンド・アロンソはハードを装着した。アイザック・ハジャーだけがソフトでスタートした。
レースのおよそ3分の2を過ぎたところで、ニコ・ヒュルケンベルグのアクシデントによりセーフティカーが導入されると、多くのドライバーがピットへ向かいソフトへ交換した。そのなかでローソンはハードのままステイアウトを選択し、この判断によってポジションを上げて7位入賞。2ポイントを獲得した。すぐ後ろの8位には、ミディアム1セットで走り切ったオリバー・ベアマンが続いた。
その後の予選では、レッドブル・レーシング勢、ハミルトン、ヒュルケンベルグがQ1序盤にミディアムでコースインし、各車の変更点を確認するような走行を行った。他の大半は最初からソフトを投入し、2回目のアタックでもそのままソフトを使用した。
Q2は今回も非常に緊迫したセッションとなったが、終盤にはガブリエル・ボルトレトが最終セクターでイエローフラッグを出した影響で、複数のドライバーがタイム更新の機会を失った。
Q3ではラッセルに序盤からメカニカルトラブルが発生し、1回目のランではタイムを記録できなかった。2回目のアタックでは何とかタイムを残したものの、ポールには届かなかった。そのポジションを射止めたのがチームメイトのアントネッリだった。
アントネッリは19歳6か月17日でポールポジションを獲得し、2008年イタリアGPで初ポールを記録した際のベッテルの21歳72日という記録を塗り替えた。若きメルセデスのドライバーはラッセルとハミルトンを上回り、歴史的な結果を手にした。
ポールポジション賞はショートトラックスピードスケート選手の林孝埈から贈られた。林孝埈は2018年平昌オリンピックで1500メートル金メダル、500メートル銅メダルを獲得しており、直近ではミラノ・コルティナ2026にも出場している。
土曜日の上海は晴天に恵まれたが、日曜日は雲が広がる見込みで、最高気温は土曜よりおよそ2度下がると予想されている。

マラフスキ「1ストップが最速だ」
ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、今回初めて週末を通じて全コンパウンドが使用されたと振り返った。
「今日、この週末で初めて利用可能なすべてのタイヤコンパウンドが使われた。これはスプリントで起きたことで、3台がハードタイヤのまま走り、セーフティカー中にピットへ入らず、その結果としていくつかポジションを上げた」
「ハジャーだけがソフトタイヤを履いており、残りの全車はミディアムだった」
マラフスキは、ハードにあたるC2を使ったドライバーたちが、まだ十分に検証されていなかった状況下でグレイニングの影響を直接確認できたと説明した。一方で、その選択によって決勝で使えるハードタイヤの残数が減り、戦略の幅を狭めた可能性もあると指摘した。
「C2コンパウンドを使ったドライバーたちは、まだ試されていなかった条件でグレイニングの影響を直接評価することができた。ただし、このコンパウンドを選んだ3人のドライバーは、特にニュートラリゼーションが入った場合に、日曜日へ向けた戦略の選択肢を制限したかもしれない。なぜなら決勝用に残るのは1セットだけになるからだ」

決勝戦略については、1ストップが明確に最速だと見ている。スタートタイヤはミディアムかソフトのいずれかとなる見込みで、そこから長い第2スティントをハードで走る形が基本になるという。
「明日に向けては1ストップ戦略が明らかに最速だ。ミディアムでスタートするかソフトでスタートするかは、グリッドポジションや、スタートでよりアグレッシブなアプローチを取りたいかどうかに最も左右されるだろう」
「どちらの場合でも、チェッカーまでの長いスティントはハードタイヤになる。交換のタイミングは17周目から23周目、あるいは15周目から21周目になる。この2つの選択肢は、総レースタイムの面では非常に接近している」
2ストップの場合は、終盤2スティントをハード2セットで走る組み合わせが最速とされるが、それは各チームにその手持ちが残っていることが前提になる。また机上では、ミディアムスタートよりソフトスタートの方が有効だとしている。
「2ストップ戦略では、最速の組み合わせは最後の2スティントを2セットのハードで走るものだ。もちろん、チームがレース用にそれを残している場合に限る。理論上は、ミディアムでスタートするよりソフトでスタートする方がより効果的に見える」
最後にマラフスキは、ソフトタイヤでのロングランデータがまだ十分ではない点にも触れた。決勝終盤、燃料が残った状態でC4がどこまで持つかは、なお見極めが必要だとしている。
「重要なのは、最初の2日間を通じて、どのドライバーも赤マーキングのタイヤで9周を超えて走っていないことだ。例外はスプリントのハジャーだけだが、彼のランはマシンのダメージによって影響を受けていた。したがって、満タンに近い燃料を積み、なおかつレースの3分の1を残した状態でのC4のデグラデーションレベルは、まだ検証が必要だ」
メルセデスはスプリント勝利とポールポジションという理想的な土曜日を過ごした。一方で、決勝はタイヤ戦略と天候の変化が大きな鍵を握る。アントネッリが歴史的ポールを勝利につなげるのか、それともラッセルやフェラーリ勢が流れを変えるのか。中国GP決勝は戦略戦の色合いも強い一戦になりそうだ。
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