ウィリアムズF1深刻 アレクサンダー・アルボン苦悩「何をしても直らない」

レギュレーション刷新に向けて早い段階から全リソースを投入してきたとみられるウィリアムズだが、現状のFW48は大幅な重量オーバーに加え、バランス面やダウンフォース面にも課題を抱えている。
上海ではセットアップを大きく振っても改善が見られず、アルボン自身も強い危機感を口にした。
アルボン「何をしてもクルマが直らない」
予選後、アレクサンダー・アルボンはマシンの挙動について率直な不満を明かした。
「厳しい。クルマには何か奇妙なことが起きている」とアルボンは振り返った。
「週末を通してセットアップ変更やピットレーンスタートを試してきた。明日もまたやることになると思う。ただ、学び続けていくしかない」
さらにアルボンは、極端な方向までセッティングを試しても状況が変わらないと説明した。
「現時点では、僕たちがやっていることは何ひとつクルマを直せていないように見える。このコースが僕たちの弱点を露呈させるのは普通だけど、今回は予想以上だ」
「これまで試したことのない領域まで踏み込んでいるし、正直に言えば、これからもそこを探っていく。でも何をしてもクルマは直らない」
アルボンは、コーナーによってはキャデラックのほうが速いと感じているとも語り、問題の深刻さをにじませた。
「かなり多くのコーナーでキャデラックのほうが僕たちより速いはずだ。だから何が起きているのかを理解しようとしている。最大の問題は“三輪走行”のような状態にあることで、そこを直さないといけない」
そのうえで、もはや試せることをほとんどやり切りつつあるという感覚も口にしている。
「僕たちは、できることをほとんど全部チェックし尽くしつつある段階に来ている気がする。そうなると次は何をするんだ、という話になる」
「今夜はその議論をすることになると思う。何をすれば直せるのか。僕が話しているのはバランスのことで、ダウンフォースとか他の話ではない」
「何か理論が見つかれば、明日また僕がピットレーンに座っているのを目にすると思う」

重量オーバーだけでは説明できない低迷
ウィリアムズの2026年F1マシンFW48は、20〜25kg前後の重量オーバーを抱えているとみられている。ただし、アルボンはその問題だけを言い訳にはできないと強調した。
「結局のところ、重量のせいだけにして隠れることはできない。他にも重量オーバーのクルマはあるからだ」とアルボンは語った。
「もちろん、僕たちほど重くはない。でも、そのチームたちとの差はそれだけでは説明できない」
「クルマには多くのバランスの問題があるし、ダウンフォースも十分に見えていない。いろいろな要素が積み重なっている」
「重量はひとつの要素に過ぎない。軽量化と並行して、クルマのバランスを改善し、ダウンフォースを加える計画もある」
つまり、現状のウィリアムズは単に重いだけではなく、空力面とメカニカル面の両方で本来の性能を引き出せていない可能性が高い。中国GP予選でのQ1敗退は、その複合的な弱点がそのまま結果に表れた格好だ。
それでもアルボンは再建を信じる
厳しい状況のなかでも、アルボンはチームへの信頼を失ってはいない。だが同時に、今の苦境が数年前の低迷期を思い出させるとも認めた。
「僕だけではなく、みんながフラストレーションを抱えていると言っていいと思う」とアルボンは述べた。
「この点についてはチーム全員の認識が一致している。厳しい冬だったし、シーズンのスタートも厳しかった。去年というより、数年前の状況を思い出させる」
「それでも僕はこのチームを信じている。去年の高いところから、以前いた場所に戻ってしまったような感覚だ。だからすべてがより重く感じられる。でも残念ながら、僕たちは以前にもここを経験している」
「立て直すために何が必要かは分かっているし、そのための備えも以前よりできている。あとは待つしかない」
「簡単なプロセスではないし、僕たちが追いつこうとしている間も、ライバルたちはアップデートを続けている。まずは中団のライバルたちに追いつき、シーズンをいい形で終えられるようにしなければならない」
「でも今のところ、僕たちは明らかにかなり後れを取っている」
ウィリアムズにとって2026年F1シーズンは、開幕前に描いていた飛躍の年とは程遠いスタートになっている。重量オーバー、バランス不足、ダウンフォース不足と課題は多いが、アルボンの言葉からは、現実を直視しながら再建への道筋を探ろうとする姿勢もうかがえる。中国GP決勝は、結果以上に次につながる手がかりをどれだけ得られるかが重要な一戦になりそうだ。
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